2023年5月22日月曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.143~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:そういやZの相手
Z:?
X:ネットニュースになってたな
Z:みたいねw
X:またZの犠牲者が出たな
Z:失礼ね、自業自得よw
X:Yもだけど、お前らだけは敵に回したくねえな
Z:一緒にしないでw
Y:お疲れw
Z:お疲れ
X:お疲れ
Z:噂をすれば来たわねw
Y:?
Z:XがYの悪口いってたわよw
X:おいおい
Y:Xって誰だっけ?
X:おいおい
Y:日本一頭の回転が遅い奴?
X:おいおい
Y:世界一頭の回転が遅い奴?
X:おいおい
Y:宇宙一頭の回転が遅い奴?
X:てめええええええええええええええええ
Z:wwwwwwwwww
Y:w
Z:Yの前の相手は終わったの?
Y:まだ終わってないw
X:まだやってんのか
Z:いつ頃、終わりそうなの?
Y:いつだろw
X:Yみたいなバカは敵に回したくねえな
Z:wwwwwwwwww
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Y:でわでわ寝ます、おやすみw
Z:私も寝るわ、おやすみ~見てただけのB

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト観てたんですか」、声をかけた男が聞く。
「たまに、とんでもないネタがあるからな」、声をかけられた男がいう。
「Zの相手がネットニュースになっていましたね」、声をかけた男がいう。
「Zの情報拡散がきっかけだろうな」、声をかけられた男がいう。
「ところで、なぜ、Zがネカマだとわかったんですか?」、声をかけた男がいう。
「女性を装いすぎてるからだよ」、声をかけられた男がいう。
「それって、どういう意味ですか」、声をかけた男がいう。
「そのうちわかるよ、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

「ネカマ」とは、ネットワークの匿名性を利用して、男性が女性を装っている人で「ネットおかま」が略語化されて出来た言葉である。インターネットの黎明期には女性の利用者が少なかったこともあり、女性であると自称しているものがいれば、まずネカマであるか疑うのが常識であった。なお、女性が男性を装うことを「ネナベ」という。相手の積極的な協力がない状態で確実に判別する方法はなく、また女性が男性を装うネナベも存在することから、どの程度の利用者が異なる性別を装っているかは不明である。

上記は、ネットにある「ネカマ」についての情報だが、2点の誤りがある。
1つは、インターネットの黎明期でも、女性の利用者が少なかったことはない。
1つは、相手の協力がなくても、性別を判別する方法はある。
ネットには多くの情報があるが、全ての情報が正しいとは限らない。
「予告犯」筒井哲也氏

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