2023年5月8日月曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.126~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Yは来てないのか
Z:今日は来てないわ
X:Yの次の相手って誰なんだ
Z:わかったみたいよ、教えてあげてB
B:お疲れ
X:いたのか、で誰なんだ
B:Yの相手はある省庁だよ
X:マジか
Z:ホントみたいよ
B:Yが行政にある費用を請求したらしい
B:だけど、省庁からの通達を理由に払ってもらえなかったらしい
B:不審に思って調べたら、通達が法律と矛盾していたらしい
X:まさか国相手に裁判するんじゃねえだろな
B:裁判はせずに、払ってもらうみたいだよ
X:裁判せずにどうやって払ってもらうんだ
B:それは教えてくれなかったw
Z:wwwwwwwwww
X:払ってもらえてないのっていくらなんだ
B:それも教えてくれなかったw
Z:wwwwwwwwww
X:100円とかじゃねえだろうな
Z:wwwwwwwwww
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト観てたんですか」、声をかけた男が聞く。
「たまに、とんでもないネタがあるからな」、声をかけられた男がいう。
「Yのことで面白いことがわかりましたよ」、声をかけた男がいう。
「何がわかったんだ」、声をかけられた男がいう。
「前にあったWSI訴訟に補助参加してたらしいですよ」、声をかけた男がいう。
「本当なのか」、声をかけられた男が驚いていう。
「確かな筋からの情報で、原告側で参加したそうです」、声をかけた男がいう。
「なるほどな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

「補助参加」は、民事訴訟において他人間に係属中の訴訟の結果について、利害関係を有する第三者が、当事者の一方を勝訴させることにより自己の利益を守るために、訴訟に参加する形態をいう(民事訴訟法42条)。
補助参加人は、独自の利益を図る目的で参加することから、独自に攻撃防御方法の提出、異議申立て、上訴などの訴訟行為をすることができるなど、独立性を有している。
「予告犯」筒井哲也氏

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