2023年5月16日火曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.136~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
B:お疲れ
X:Yは来てないのか
Z:今日は来てないわ
X:Yの相手ってどうなってんだ
Z:どこかの行政?
X:そそ、もらってない金をもらうっていってたやつ
Z:Yは動いてないみたいよ
X:なんで動いてないんだ
Z:遅延損害金をもらうんだって
X:遅延損害金って何だ
B:支払いが遅れたときに相手から貰える利息だよ
B:ちなみに利率は年3%w
X:そこいらの銀行よりいいじゃねえか
Z:wwwwwwwwww
X:それって必ずもらえるのか
B:普通は勝訴しないともらえない
X:Yは裁判しないんだろ
Z:しないみたいよ
X:どうやってもらうんだ
B:それは教えてくれなかったw
Z:wwwwwwwwww
X:バカの考えてることはわからん
Z:wwwwwwwwww
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト観てたんですか」、声をかけた男が聞く。
「たまに、とんでもないネタがあるからな」、声をかけられた男がいう。
「Yのことで何かわかりました?」、声をかけた男がいう。
「当初からWSI訴訟に深く関わっていたらしい」、声をかけられた男がいう。
「Yも被害者だったんですか」、声をかけた男がいう。
「厳密にはYは被害者ではない」、声をかけられた男がいう。
「じゃあ、どうして関わっていたんですか」、声をかけた男がいう。
「そこを調べているところだ、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

「遅延損害金」は、金銭の給付を目的とする債務の不履行についての損害賠償という位置付けで、主な条文は以下になる。
金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による(民法第419条)。
「予告犯」筒井哲也氏

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