2018年7月31日火曜日

【コラム】興味深い株価の値動きについて

自身は、あまり時事ネタは書かないことにしている。
だが、興味深い株価の値動きがあったので書いてみる。
本日、メガバンクを含む銀行株の値動きが激しかった。
前場は軟調だった株価が、後場に急上昇したが、その後、叩き売られたw

銀行株の値動きが激しかった理由は、日銀の金融政策修正だ。
午後、日銀が長期金利の上昇を一部容認する考えを示した。
理由は、金融機関の経営悪化など大規模な金融緩和に伴う副作用を低減するため。
当たり前だが、銀行株を保有する投資家にとってはグッドニュースであるw

グッドニュースが出て、銀行株を保有していない投資家が慌てて銀行株を買った。
これが後場に、銀行株が急上昇した理由である。
ところが待ってましたとばかりに、銀行株を保有していた投資家が売りつけたのである。
これが、銀行株が急上昇したあと、叩き売られた理由であるw

今回の激しい値動きで、さらに銀行株は下がり続けるはずだ。
自身は来月、銀行株を仕込む予定でいる。
銀行株を仕込む予定の自身にとって、本日の値動きはグッドニュースに他ならない。
本日、銀行株を取引してくれた投資家には、感謝する次第であるw

2018年7月30日月曜日

銘柄を明かさない理由R194 JOKER in New York

自身のオリジナル小説「銘柄を明かさない理由R」。
現在の第15章は、「銘柄を明かさない理由R」初となる海外が舞台だった。
自身が若かりし頃、訪れたことのあるシカゴが主要舞台だった。
今のシカゴとは異なっていたところもあったかもしれないが、ご容赦願いたいw

さて、今回の話が「銘柄を明かさない理由R」第15章の最終話になる。
「銘柄を明かさない理由R」の数少ない読者の方に、申し訳ないお知らせがある。
急で申し訳ないが、しばらく「銘柄を明かさない理由R」は休載する。
理由は、仕込み時期が近づいており、仕込み時期を見極めるためだw

以前は「銘柄を明かさない理由R」の連載と同時並行で、売買していたこともある。
だが、今年は子どもファンド、最後の年のため、仕込みに専念することにした。
「銘柄を明かさない理由R」は休載するが、仕込みの状況はリアルタイムで発信する。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第194話 JOKER in New York

ニューヨーク市(New York City)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州にある都市。
同国最大の都市であり、人口は2000万人以上である。
市内総生産は全米最大、東京に続き世界2位である。
世界トップクラスの金融センターでもあり、各方面に多大な影響を及ぼしている。

ニューヨーク市のマンハッタン5番街。
フィフス・アベニュー(Fifth Avenue)と呼ばれる世界最高級の商店街。
多くの高級小売店が軒を連ねる通りを、1人の東洋人の女性、ウィッグの女が歩いていた。
ウィッグの女はウィンドウショッピングをしながら、自宅に向かっていた。

ある店のショーウィンドウを見ているときだった。
誰かの視線を感じた、ショーウィンドウによく知っている男の姿があった。
ウィッグの女は慌てて振り返ると、天使の笑顔をもつ男と見つめ合った。
天使の笑顔をもつ男は、優しくウィッグの女を抱き寄せた。

「遅かったのね」ウィッグの女がいい、「ごめん」と天使の笑顔をもつ男がいう。
やがて、2人は自宅のある高級アパートメントに向かって歩き出した。
2人は気づかなかったが、物陰から2人の様子を見ている白人男性がいた。
頬に傷があり赤い唇をした爬虫類をイメージさせる白人男性は、2人の尾行を開始した。

数日後、2人の住む高級アパートメントが見える物陰に白人男性の姿があった。
白人男性は、シカゴのウィリス・タワーで、部下たちにダメージを負わされていた。
部下たちにダメージを与えた日系人ボディガードの所在はわからなかった。
だが、若い東洋人男性がシカゴの街から出て行くという情報を入手した。

情報を入手した白人男性は、若い東洋人男性を尾行、ニューヨークにやって来た。
白人男性は、ニューヨークにある若い東洋人男性の自宅を突き止めることに成功した。
あと数分後に、若い東洋人男性は、その短い生涯を終えることになる。
懐にある銃の重みを確認すると、頬に傷のある白人男性は、舌を出し赤い唇を舐めた。

そのとき、白人男性の背中に、硬く丸い物が押し付けられた。
「Next shoot you silently.(次は無言で撃つ)」背後から聞き覚えのある声がした。
「Never approach us again.Return to Chicago, but do not turn around.
(私たちに二度と近づくな、シカゴに戻れ、だが振り向くな)」

声の主は、シカゴで部下たちにダメージを負わせた日系人ボディガードだった。
白人男性は後ろを一度も振り向くことなく、その場から立ち去った。
これで、奴が無敗のA(エース)たちを襲うことはないだろう。
JOKERは、白人男性の背中に当てていた空瓶をゴミ箱へ捨てると、その場を立ち去った。

2018年7月29日日曜日

【今後の戦略】前半戦の振り返りと後半戦の予定

自身にとって株式投資は、実益を兼ねたマネーゲームである。
ゲームでは、戦略の立案が勝敗にとって重要になる。
今年の2月に相場は大きく下落した、そのとき自身は今年の戦略を立案した。
今年の戦略、前半戦の振り返りと後半戦の予定について書いてみるw

今年の2月に相場は大きく下落した。
その後、現在まで相場は年初の水準まで回復していない。
下図は今年に入ってから、現在までのTOPIX(東証株価指数)の推移だ。
2月に大きく下がり、年初の水準まで回復していないことがわかるw
自身は、2月に下落した時点で、夏まで年初の水準まで回復しないと思っていた。
よって、保有株の買い増しはせず、新しい銘柄を購入、先日、売ったのである。
実は、2016年も、2月に下落したが、夏まで年初の水準まで回復しなかったのである。
下図は、2016年の年初から夏のTOPIXの推移だが、今年と極めてよく似ているw
では、2016年の相場は、どのような相場だったか。
下図は、2016年の年間のTOPIXの推移だ。
後半9月頃から大きく上昇し、年末には年初の水準を超えたのである。
自身は今年は2016年と同じ相場になるとみている、よって来月に仕込むのであるw

2018年7月28日土曜日

銘柄を明かさない理由R193 Goodbye Chicago

自身のオリジナル小説「銘柄を明かさない理由R」。
自身は小説を書くときには、音楽を聴きながら書くことが多い。
今回、よく聴いていたのは、DA P○MPの「U.S.A.」。
なぜなら「C'mon, baby アメリカ♪」などの歌詞が、物語にマッチしていたからだw

しかし、何度も聴いているうちに思った。
反対に「U.S.A.」からのinspired(インスピレーションを受けた)かもしれないと。
先日、自身は今年初めてとなる半年ぶりの売りを行なった。
今回の売りも「U.S.A.」からのinspiredかもしれないw

今年、最大の買い場となると見ている8月になるまで、あと数日である。
8月になると外国人投資家の多くがバカンスに出かけ、相場の出来高が少なくなる。
自身は8月に仕込み、彼らが相場に帰ってきたときには仕込み終えてやる所存だ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第193話 Goodbye Chicago

ウィリス・タワー(Willis Tower)は、イリノイ州シカゴにある。
シカゴで最も高く、アメリカで2番目に高い超高層ビルである。
ワールドトレードセンターにその座を明け渡すまで、アメリカで最高層のビルだった。
103階にある展望室「スカイデッキ・シカゴ」に、2人の男がいた。

1人は天使の笑顔をもつ男こと、無敗のA(エース)だった。
もう1人は、精悍な顔つきをした日系人カトウだった。
地下1階での戦いが終わったあと、2人は103階にある展望室に来ていた。
2人の眼下には、シカゴの街並みが広がっていた。

天使の笑顔をもつ男が、カトウにいう。
「BABYが都市伝説でないことがわかっただけで収穫だったよ。
ニューヨークに帰ろうとか思っている。
君さえよければ、僕のボディーガードとして一緒に来てもらえないかな」

しばらく黙っていたカトウが、口を開いた。
「アリゴトウゴザイマス、デモ、カナシミヲオイテイケナイ」
「そういうと思ったよ、こちらこそありがとう」、天使の笑顔をもつ男がカトウにいう。
2人は眼下に広がるシカゴの街並みを無言で見続けた。

カトウが、天使の笑顔をもつ男とウィリス・タワーで別れてから、数時間後。
シカゴの安いホテルの1室に、カトウがいた。
カトウは、鏡の前の椅子に座ると、おもむろに首筋に手を当てた。
カトウが手を引き上げていくと、顔を覆っていたマスクがめくれ始めた。

マスクの下から現れた顔は、年齢不詳の男こと、JOKERだった。
JOKERは、戦前から存在する日本の国益を守る組織の一員だった。
数ヶ月前、組織からJOKERに、BABYのことを調べるよう指令があった。
ある日、組織が監視対象としている相場師、無敗のA(エース)に動きがあった。

米国にいる無敗のAが、BABYを探すため、シカゴへ行くという情報だった。
組織から情報を受けたJOKERは、会社に長期休暇届を出しシカゴへ渡った。
無敗のAは、シカゴでボディーガードを募集していた。
JOKERは、無敗のAと面識があったため、特殊メイクのマスクをつけることにした。

特殊メイクのマスクをしたJOKERは、無敗のAのボディガードに応募した。
JOKERは、BABYに弟子が殺された過去をもつ架空の日系人カトウに扮した。
シカゴに来て、BABYに関するいくつかの情報を入手することができた。
あとは日本へ帰国してから詳細に分析だな、JOKERは不敵な笑みを浮かべた。

2018年7月26日木曜日

銘柄を明かさない理由R192 Welcome to BABY WORLD(後編)

第192話 Welcome to BABY WORLD(後編)

シカゴで最も高い超高層ビル、ウィリス・タワーの地下1階。
エレベーターの前に、白のスーツ姿の白人男性がいた。
白人男性は、部下の男たちが若い東洋人男性を連れてくるのを待っていた。
部下の男たちが店の中へ入って、かなりの時間が経っていた。

いくら、格闘技に秀でているボディガードがいても、2人ではどうしようもない。
部下の男たちの中には、軍の特殊部隊出身で戦場での実戦経験もある者もいる。
戦場での実戦経験は、スポーツの格闘技とは比べ物にならない。
そろそろ終わる頃だな、白のスーツ姿の白人男性は舌を出して赤い唇を舐めた。

店のドアが開き、部下の1人の男が出てきた。
出てきた男は前のめりになると、受け身をとることもなく通路に倒れこんだ。
続いてドアから出てきたのは、ボディガードの日系人男性カトウだった。
カトウに続いて、若い東洋人男性も出てきた。

カトウは、白のスーツ姿の白人男性を見据えるといった。
「Are you the next opponent?(次の相手はお前か)」
スーツ姿の白人男性は、振り返るとエレベーターのボタンを押した。
「Are you BABY?(お前がベイビーか)」、近づいてくるカトウの声が聞こえた。

エレベーターの到着を知らせる音が鳴った。
エレベーターのドアが開くと、中から大勢の中国人団体客が降りてきた。
「餐厅在哪里?(食堂はどこ?)」、「我很饿(腹ペコだ)」
「自助餐厅就在那里(食堂はすぐそこです)」、男性ガイドが叫びながら案内する。

中国人団体客が降りると、白のスーツ姿の白人男性はエレベーターに飛び乗った。
カトウと天使の笑顔をもつ男は、エレベーターへ向かって駆け出そうとした。
だが、前から来る中国人団体客に阻まれ、前へ進めなかった。
白のスーツ姿の白人男性を乗せたエレベーターのドアが閉まり始めた。

エレベーターの中から、白のスーツ姿の白人男性がカトウを指差した。
指差した手を自分の喉の前に持ってくると、指先を伸ばしナイフの形にした。
ドアが閉まる直前、白のスーツ姿の白人男性は喉の前の手を真横に引いた。
カトウと天使の笑顔をもつ男の前で、エレベーターのドアは閉じられた。

「振り出しに戻ったようだね」、天使の笑顔をもつ男がカトウにいう。
「ザンネンデス」、カトウが店の方向を振り向きながらいった。
中国人団体客が、通路に倒れている男にお構いなしに、さっきの店に入るのが見えた。
やがて、店内から、中国人団体客の驚く声が聞こえてきた。

【現在の株式評価額】20180726~今年の初売りは500万円超え~

Yファンド株式(特定預り)
・取得額合計:0円
・評価額合計:15,231,000円
・損益額合計:15,231,000円(損益率#DIV/0!)
・保有銘柄数:3銘柄

子どもファンド株式(特定預り)
・取得額合計:0円
・評価額合計:2,759,200円
・損益額合計:2,759,200円(損益率#DIV/0!)
・保有銘柄数:1銘柄

Yファンドは今年になってから、統合される地方銀行の株を仕込んだ。
地方銀行は、4月に7321 ㈱関西みらいフィナンシャルグループに統合された。
もともと下落相場の間の中期投資であったことから、7321の全株を売った。
保有していた5,700株を売り、500万円を超える現金に換えたのであるw

7321には、配当と譲渡益で儲けさせてもらい、感謝する次第である。
以前から書いているが、来月、今年最大の買い場が訪れるだろう。
自身は7321を売った金と貯めている金を元手に、来月、買いを入れる予定だ。
そのときまで、今年の株のテーマ曲を聴きながら過ごすとしようw

そうそう、くれぐれも投資は自己責任でお願いするw

2018年7月25日水曜日

銘柄を明かさない理由R191 Welcome to BABY WORLD(中編)

自身はゲームとして、「銘柄を明かさない理由R」を書いている。
自身の本業は会社員で、マネーゲームとして株式投資を行っている。
自身は基本、定時に会社を出て、残業はしない。
はっきりいって、仕事が遅い人が残業するのだと思っているw

自身は株式投資を始めてから、出世欲がなくなった。
理由は、譲渡益や配当という収入を得る術を知ったからだ。
譲渡益も配当も、ある意味、不労所得である。
自分が働かなくても、株を売買するだけで得られる収入だw

今、自身は保有株の配当で、週3万円の生活費を賄っている。
先月の給与や夏の賞与には手をつけていないので、口座残高は増え続けている。
仕事もそうだが、今の自身は人生をゲームとして楽しんでいるのかもしれない。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第191話  Welcome to BABY WORLD(中編)

シカゴで最も高い超高層ビル、ウィリス・タワーの地下1階。
日系人男性カトウと天使の笑顔をもつ男は、慎重に通路を進んでいた。
最初の誰もいない飲食店を通り過ぎ、次の飲食店を覗いた。
次の飲食店、その次の飲食店にも、客や店員の姿はなかった。

「この店も誰もいないな、何かあったのかな」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「Don’t think, feel.(考えるな、感じろ)」、カトウがいった。
カトウは振り返り、後方のエレベーターを見た。
エレベーターが到着する音がし、静かにドアが開いた。

屈強な男たちを引き連れた白のスーツ姿の白人男性がエレベーターから降りてきた。
白のスーツ姿の白人男性の頬には傷があり、やけに赤い唇は爬虫類をイメージさせた。
2人を見つけた白のスーツ姿の白人男性が、目を見開いて叫んだ。
「Welcome to BABY WORLD!!!(ようこそ、ベイビーワールドへ!!!)」。

その言葉が合図だったのか、屈強な男たちがゆっくりと2人へ向かって歩き出した。
エレベーターホールとは反対の前方の通路からも、屈強な男たちが現れた。
「キッチンニカクレテ」、カトウは天使の笑顔をもつ男に小声でいった。
カトウは店のドアを背にして身構えると、左右から近づいてくる屈強な男たちを見た。

店に入った天使の笑顔をもつ男は、奥にある厨房に身を潜めた。
天使の笑顔をもつ男が、厨房に身を潜めたときだった。
カトウは身を翻すと、天使の笑顔をもつ男のいる店に、ドアを開けて飛び込んだ。
屈強な男たちが、カトウの後を追い、店内になだれ込んだ。

わずかな時間差だったが、明るい店内にカトウの姿はなかった。
屈強な男たちは、互いに距離をとり、慎重に明るい店内を進み始めた。
屈強な男たちが、天使の笑顔をもつ男が身を潜める厨房の手前まで進んだときだった。
1人の屈強な男が何かが動くのを感じた瞬間、店内の全ての照明が消えた。

突然、暗くなると、人はものが見えなくなる。
目が暗さに慣れて、ものが見えるようになることを「暗順応」という。
「暗順応」には、ある程度の時間を要するが、訓練により時間を短縮できる。
明るいときに目を閉じておくことで、さらなる時間短縮も可能である。

照明を消したのは、店内のテーブルの陰に潜んでいたカトウだった。
店内に飛び込んだカトウは、照明スイッチの位置を確認、素早く身を潜めた。
身を潜めると、目を閉じて屈強な男たちが店内奥まで進むのを待っていたのである。
「Welcome to the dark.(ようこそ、闇へ)」、真っ暗な店内にカトウの声が響いた。

2018年7月24日火曜日

銘柄を明かさない理由R190 Welcome to BABY WORLD(前編)

「銘柄を明かさない理由R」は自身のオリジナル小説だ。
当たり前だが、素人が書いているので、プロの方の足元にも及ばない。
「銘柄を明かさない理由R」を書いていて思うことがある。
小説を書くことは、ゲームかもしれないとw

小説を書く場合、テーマを決める。
次に、テーマに沿ったエピソードを考える。
エピソードができたら、それぞれに繋がりを持たせるための場面を考える。
繋がりを持たせる場面ができたら、それぞれの順番を考えるw

小説というゲームの相手は、いうまでもなく読者である。
勝敗の基準は、読者の意表をつけるような展開にできるか否かだと考えている。
数少ない読者の方、もし君たちの意表をつくことができたら、自身の勝ちだ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第190話 Welcome to BABY WORLD(前編)

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにあるウィリス・タワー(Willis Tower)。
シカゴで最も高く、アメリカで2番目に高い超高層ビルである。
正午前、2人の男が1階のエントランスロビーにいた。
1人は天使の笑顔をもつ男、もう1人は日系人男性のカトウだった。

「ハナレナイデクダサイ」、カトウがいう。
「わかっているよ」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「イキマショウ」
カトウがいい、2人は展望台へのエレベーターへと向かった。

平日にも関わらず、エレベーターの前には観光客の行列ができていた。
行列に並んだ2人の後ろには、男性ガイドに連れられた中国人の団体客がやってきた。
やがて、エレベーターが到着、2人の前の人たちが乗り込んでいった。
定員になったのか、2人の前でエレベーターの扉が閉じられた。

次のエレベーターが来るまで、2人はおとなしく待っていた。
ほどなく、次のエレベーターがやって来た。
エレベーターから降りてくる人を誘導すると、係員は2人に乗るよう促した。
促された2人がエレベーターに乗った瞬間、エレベーターのドアが閉じられた。

ドアの外から、乗れなかった中国人の団体客が文句をいっている声が聞こえた。
驚いた天使の笑顔をもつ男は、階数表示板を見た。
階数表示板は、エレベーターが上昇ではなく、下降中であることを表示していた。
2人を乗せたエレベーターは、地下1階で停まった。

開いたエレベーターのドアの前には誰もいなかった。
It is strange that nobody is there(誰もいない、変だ)、カトウは思った。
シカゴには、観光客向けのパンフレットには書かれていないことがあった。
シカゴには、利用する人種が決まっている飲食店があった。

ウィリス・タワーの地下1階は、白人以外の人種が利用する飲食店が集まっていた。
普段は白人以外の人種で賑わっているはずの、地下1階は静かだった。
I have no choice but to get off the elevator(降りるしかない)、カトウは思った。
「オリマショウ」、カトウは天使の笑顔をもつ男にいった。

2人がエレベーターを降りた途端、ドアが閉まり、エレベーターは上昇していった。
「ハナレナイデクダサイ」
カトウがいい、2人は地下1階の通路を慎重に進み始めた。
エレベーターに近い飲食店の中には、客の姿はおろか、店員の姿もなかった。

2018年7月23日月曜日

銘柄を明かさない理由R189  Invitation from BABY.(後編)

「銘柄を明かさない理由R」は自身のオリジナル小説だ。
第15章の後半は、シカゴのウィリス・タワーが舞台になる。
自身は若かりし頃、ウィリス・タワーを訪れたことがある。
ウィリス・タワーは、シカゴでオススメの観光スポットであるw

さて、自身は小説を書いているが、会社員兼相場師でもある。
以前に書いたが、今年の相場は2016年の相場に似ている。
2016年2月に底打ちした相場は、今の時期に上昇した。
ところが、その後は下がり、2月から半年後の8月に底を打ったのであるw

もし2016年と同じなら、現在の上昇は掉尾の一振(とうびのいっしん)である。
8月の底に向けて、最後の買いが優勢な状態なのである。
自身はかねてよりの予定通り、掉尾の一振後の8月に買いを入れる所存だ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第189話  Invitation from BABY.(後編)

ウィリス・タワー(Willis Tower)は、イリノイ州シカゴにある。
シカゴで最も高く、アメリカで2番目に高い超高層ビルである。
ワールドトレードセンターにその座を明け渡すまで、アメリカで最高層のビルだった。
以前のビル名はシアーズ・タワーだったが、2009年7月に現在の名称に改称された。

帰宅した天使の笑顔をもつ男は、BABYからの招待状にあった電話番号に電話した。
数コールで電話に出た男は、ウィリス・タワーを待合せ場所に指定してきた。
待合せは、明日の正午、103階にある展望室「スカイデッキ・シカゴ」だった。
いい終えると男は電話を終えた。

真昼間、観光客の多い展望室で待ち合わせか。
天使の笑顔をもつ男は、カトウに電話し、BABY側との電話でのやり取りを伝えた。
電話口の向こうで、カトウは黙ってBABY側とのやり取りを聞いていた。
「カシコマリマシタ」、カトウがいい電話は終わった。

天使の笑顔をもつ男こと、無敗のA(エース)は思った。
米国の相場に多大なる影響力をもつ男、BABY。
リーマンショックで大儲けしたという噂もあるが、決して表舞台には姿を見せない。
だが、無敗のキングのいうとおり、BABYはウォール街の都市伝説ではなかった。

禁酒法時代、シカゴで高級ホテルを住まい兼事務所にしていた男がいた。
男は、そこから組織を指揮し、犯罪組織を統合近代化していったことで知られている。
男の名はアル・カポネ、顔に傷があったことから「スカーフェイス」とも呼ばれていた。
アル・カポネの死後、シカゴ暗黒街のボスは次々と変わっていった。

シカゴの高級ホテルの1室。
シカゴの夜景を眺めている1人の白人男性がいた。
白人男性は頬に傷があり、その傷はアル・カポネと同じ位置にあった。
やけに唇が赤く爬虫類をイメージさせる白人男性は、ある噂を耳にしていた。

娼婦の館で、BABYのことを探している若い東洋人男性がいる。
若い東洋人男性は気前がよく、ある程度の金は持っているようだった。
いろいろ手を尽くしたが、若い東洋人男性の素性はわからなかった。
今夜、脅しのつもりで、何人かの部下を差し向けた。

ところが、若い東洋人男性には、武術に秀でたボディガードがいた。
ボディガードに倒された部下たちは、しばらくの間、入院を余儀なくされた。
若い東洋人男性が何者で、何のためにBABYを探しているかはどうでもいい。
明日、若い東洋人男性は自らの行いを後悔することになるだろう、男は思った。

2018年7月21日土曜日

銘柄を明かさない理由R188  Invitation from BABY.(中編)

「銘柄を明かさない理由R」は自身のオリジナル小説だ。
実在の相場師も出てくるが、登場人物の多くはオリジナルだ。
ただ、中にはモデルの人物がいる登場人物もいる。
映画俳優や自身の友人だったり、もしくは自分自身だw

今から45年前の7月20日。
偉大なる武術家であり映画俳優の男が、32歳でこの世を去った。
男は米国のテレビドラマや香港映画に出演、多くの人から愛された。
また、彼の思想哲学は、今でも自身を含む多くの人の生き方に影響を与えているw

第15章で、天使の笑顔をもつ男の運転手として、日系人の男が登場する。
日系人の男のモデルは、前述の偉大なる武術家であり映画俳優の男である。
第15章は、中国名が李小龍、英語名がBruce Leeの男に捧げたい。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第188話  Invitation from BABY.(中編)

天使の笑顔をもつ男の自宅へと向かう車内。
天使の笑顔をもつ男は、運転手の日系人男性との出会いを思い返していた。
天使の笑顔をもつ男はシカゴへ来てから、ボディガードを募集した。
ボディガードに応募してくれたのは、寡黙な雰囲気の日系人男性カトウだけだった。

他に応募者がいなかったので、天使の笑顔をもつ男はカトウを採用するしかなかった。
「BABYという男を探している、だがBABYがどのような奴かわからない。
この先、自分の身に危険が迫ったときに守ってもらえないだろうか」
募集理由を聞いたカトウは、黙ってうなずいた。

天使の笑顔をもつ男の自宅へと向かう車内。
天使の笑顔をもつ男が、カトウにいった。
「さっきはありがとう。君はあれだけの格闘術をどうやって身につけたんだい。
よければ、君のことをもう少し教えてくれないかな」

カトウは無言で運転を続けた。
前方には、シカゴの摩天楼が見えてきた。
「わるかった、今の質問はなかったことにしてくれ」
沈黙しているカトウに、天使の笑顔をもつ男がいう。

「オナジトオモイマシタ」、カトウが口を開いた。
「何が同じだと思ったんだい」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「アナタ、カナシミヲシッテイル」
天使の笑顔をもつ男の自宅へ運転を続けながら、カトウがいう。

「なぜ悲しみを知っていると思ったんだい」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「ミレバ、ワカリマス」、カトウがいう。
「君も悲しみを知っているのかい」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「キュウショハ、ハズシテイマス」、カトウがいう。

車は天使の笑顔をもつ男の自宅である、高級アパートメント前に着いた。
「カクトウジュツ、オシエテイマシタ。
アルヒ、デシタチ、ハンザイノゲンバヲミマシタ。
デシタチ、タチムカッタソウデス。

デシタチハ、コロサレマシタ。
デシタチ、コロシタヤツユルサナイ。
ベイビーガ、デシタチコロシタ。
ベイビーノ、キュウショハハズシマセン」、カトウがいった。

2018年7月20日金曜日

銘柄を明かさない理由R187  Invitation from BABY.(前編)

「銘柄を明かさない理由R」は自身のオリジナル小説だ。
趣味として小説を書くことを楽しんでいる。
自身には他にもいくつかの趣味がある。
もちろん、最大の趣味は実益を兼ねた株式投資だw

自身は住宅ローンを一括完済するため、株式投資を始めた。
住宅ローンを一括完済してから、株式投資が趣味になった。
今の自身にとって、株式投資はマネーゲームに過ぎない。
配当で貯蓄できた金を再投資することで、タダ株を増やしていくゲームだw

自身には、いつまでに、いくら資産を増やしたいなどの目標はない。
生涯、株式投資というマネーゲームを楽しみたいと考えている。
自身は基本、長期投資で時間があるため、趣味として小説を書いているのである。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第187話 Invitation from BABY.(前編)

若い東洋人男性、天使の笑顔をもつ男を乗せた車は自宅のある市街地へ向かっていた。
突如、前方の横の道路から車が飛び出してきた。
日系人の運転手が急ブレーキをかけて、車を停めた。
天使の笑顔をもつ男は視線を感じ、リアウィンドウから後方を見た。

後方には、別の車がヘッドライトを点けたまま停車していた。
「デナイデクダサイ」
運転手の日系人男性はいうと、運転席のドアを開けて車を降りた。
車を降りた日系人男性は、なぜか前方ではなく後方の車へ向かって歩き出した。

後方に停まっていた車のドアが開き、3人の巨体の男が降りてきた。
日系人男性は3人の男に近づくと、無言のまま手前の男の顔を蹴り上げた。
瞬時に身をかがめた日系人男性は、後ろの男2人に猛然と襲い掛かった。
後ろにいた男の前で身体を回転させると、顔面に鮮やかな回し蹴りを食らわせた。

日系人男性は、回し蹴りの勢いを活かし、隣の男の首に手刀を叩き込んだ。
天使の笑顔をもつ男が見る中、全てが一瞬の間に終わった。
後方の車の3人の男は、路上に叩きのめされていた。
ダメージが大きいのか、3人の男は路上に横たわったまま動かなかった。

日系人男性は後方に停まっていた車の運転席のドアを開けた。
ヘッドライトを消した日系人男性は、ゆっくりと振り返った。
街路灯に照らされた日系人男性は、息一つ切らしていなかった。
日系人男性は、前方に停まっている車に向かって、ゆっくりと歩き始めた。

天使の笑顔をもつ男が前方の車を見ると、助手席のウィンドウが下がるのが見えた。
やがて少し開いたウィンドウから、1枚の紙が落とされた。
紙を落とした前方の車は、エンジンをかけると走り去った。
走り去る車を見送った日系人男性は、落とされた紙を拾い上げた。

ちらりと紙を見た日系人男性は車に戻ってくると、運転席に乗り込んだ。
日系人男性は、天使の笑顔をもつ男に落ちていた紙を差し出しながらいった。
「It is an invitation from BABY.、ベイビーカラノショウタイデス」
天使の笑顔をもつ男は、日系人男性から紙を受け取った、

天使の笑顔をもつ音は、受け取った紙を確認した。
紙には、「B」の文字と電話番号が記されていた。
「そのようだね、自宅へ向かってくれるかな」天使の笑顔をもつ男がいう。
「カシコマリマシタ」日系人男性がいい、2人の乗った車は再び走り始めた。

2018年7月19日木曜日

銘柄を明かさない理由R186 Sex and the City(後編)

自身の週の生活費(食費、日用品など)は、3万円。
今月と来月は、先月の株の配当でまかなっている。
考えてみれば、12月と1月の生活費も株の配当でまかなえる。
12ヶ月中4ヶ月、年の3分の1の生活費を株の配当でまかなっていることになるw

配当は、真の不労所得である。
配当は、企業の株を買い保有するだけで、決まった時期になれば送られてくる。
投資している企業の収益の一部が、配当として株主に還元される。
株主は働かなくても、所得を手にすることができるのであるw

「銘柄を明かさない理由R」第15章の主要人物は、天使の笑顔をもつ男。
またの名を、無敗のA(エース)という若き無敗の相場師だ。
彼は若くして、株主が資本主義では最強であることを知った男でもある。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第186話 Sex and the City(後編)

若い東洋人男性は高級な娼婦の館を出た。
待たせておいた車に乗り込むと、自宅のある市街地へ向かうよう運転手に命じた。
運転手は、精悍な顔つきをした日系人男性だった。
走り始めた車内で若い東洋人男性、天使の笑顔をもつ男は4年前の回想にふけった。

4年前、天使の笑顔をもつ男は米国へ来た。
日本で、天使の笑顔をもつ男は、無敗のA(エース)と呼ばれていた。
無敗のキングから、最後の相場師の後継者になれといわれたが断った。
米国へ来た目的は、ウォール街初の日本人成功者になるためだった。

米国へは、無敗のキングから命ぜられたウィッグの女も一緒だった。
米国へ来て、2人はウォール街に近いマンハッタンの高級アパートメントに住んだ。
天使の笑顔をもつ男は、無敗のキングから口座が開設できたら知らせろといわれていた。
口座を開設した天使の笑顔をもつ男は、口座名を無敗のキングにメールで伝えた。

数日後、無敗のキングから天使の笑顔をもつ男にメールが届いた。
内容は、口座に資金を移動したので必ず増やせ、というものだった。
語学を身につけるまでの間、天使の笑顔をもつ男はウォール街に頻繁に出かけた。
やがて、天使の笑顔をもつ男は、ある男の噂を耳にするようになった。

その男は、BABY(ベイビー)と呼ばれていた。
BABYは、ウォール街に多大な影響力を持っているという噂だった。
噂では、BABYはリーマンショックで大儲けしたともいわれていた。
BABYは決して表舞台には姿を見せず、正体を知っている者はいないという噂だった。

天使の笑顔をもつ男は、BABYは都市伝説の1つかもしれないと思った。
無敗のキングに、ウォール街にBABYという男の都市伝説があることを伝えた。
だが、無敗のキングからの返信は「BABYは都市伝説ではない」だった。
天使の笑顔をもつ男は、BABYの正体を突き止めることにした。

そんなある日、天使の笑顔をもつ男は、BABYに関する情報を入手した。
「BABY is a Chicago whore favorite.(ベイビーはシカゴの娼婦がお気に入り)」
ウィッグの女に「ある街へ行ってくる」と告げ、高級アパートメントを出た。
情報を入手した天使の笑顔をもつ男は、シカゴへ拠点を移した。

天使の笑顔をもつ男は、相場を張りながら、BABYの正体を追い求め続けた。
シカゴの高級な娼婦の館に通い、娼婦たちにBABYの情報を依頼し続けた。
天使の笑顔をもつ男は思った、おそらく娼婦たちからの連絡は来ない。
だが、大金を使い探している自分のことを、BABYは必ず知りたいと思うはずだ。

2018年7月18日水曜日

銘柄を明かさない理由R185 Sex and the City(中編)

自身には何人かの女友達がいる。
女友達には自身のブログを教えており、今もブログを読んでいるかもしれない。
ちなみに、自身の娘にもブログを教えている。
娘ネタを書くと、ときおり文句をいわれるので、娘は読んでいるようだw

なぜ、このような書き出しになったか理由を書いておく。
昨日から「銘柄を明かさない理由R」は、新章となる第15章が始まった。
第15章の舞台は、初めてとなるアメリカ合衆国(USA)のシカゴ。
若かりし頃に訪れた当時の記憶を思い出しながら、第15章を書いたとお伝えしたw

第15章では、シカゴにある娼婦の館が出てくる。
娼婦の館は想像の産物で、自身はシカゴで娼婦の館を訪れたことはない。
誤解されないよういっておくが、その手の場所を訪れたのはシカゴ以外の街だ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第185話 Sex and the City(中編)

イリノイ州のシカゴ。
米国ではニューヨーク、カリフォルニアに次ぐ人口を有する都市。
1929年の世界大恐慌で、市の財政は大幅な赤字になった。
聖バレンタインデーの虐殺を契機に、ギャングが台頭した過去を持つ都市だった。

シカゴの郊外には、知る人ぞ知る高級な娼婦の館があった。
政財界の要人やスポーツ界や芸能界の有名人たちが、ご用達の店だった。
全米一の数を誇る娼婦たちは、容姿端麗で類稀なる知性をもつ女性ばかりだった。
その料金は高額で、庶民に払えるようなレベルの金額ではなかった。

ある若い東洋人男性が、数ヶ月前から頻繁にその館を利用するようになった。
若い東洋人男性は、数日に一度はその館を訪れた。
その館を訪れた若い東洋人男性は、日によって指名する女性を替えた。
若い東洋人男性は、羽振りがよいという噂だった。

若い東洋人男性は、出迎えのボーイや受付スタッフにまで、気前よくチップを弾んだ。
若い東洋人男性の天使のような笑顔に、多くのスタッフが男の虜になった。
またたく間に、若い東洋人男性は常連客の中で、最もファンの多い男になった。
若い東洋人男性からの指名を、娼婦たちも心待ちにするようになった。

ある日のこと、娼婦の館の新人女性に、若い東洋人男性から指名が入った。
新人女性は、先輩たちから、若い東洋人男性のことを聞いていた。
「The time to spend with him is great.(彼と過ごす時間は最高よ)」
新人女性は期待に胸を弾ませながら、部屋で若い東洋人男性が来るのを待った。

ノックのあと、タキシード姿の若い東洋人男性が部屋に入ってきた。
期待に胸を弾ませる新人女性に、東洋人男性は天使のような笑みを浮かべた。
若い東洋人男性はベッドの端に座ると、立ったままの新人女性にいった。
「It's hard to talk, so please sit down.(話しにくいから、座りなよ)」

新人女性はおそるおそる、若い東洋人男性の隣に座った。
若い東洋人男性は、懐から無造作に100ドル札の束を取り出した。
驚く新人女性に100ドル札の束を手渡すと、東洋人男性はいった。
「If you know about BABY contact me.(ベイビーについてわかったら連絡を)」

若い東洋人男性、無敗のA(エース)は連絡先を書いたメモを渡すと部屋を出た。
部屋には、新人女性と連絡先を書いたメモ、100ドル札の束が取り残された。
「The time to spend with him is great.(彼と過ごす時間は最高よ)」。
新人女性は、先輩たちから聞いた若い東洋人男性への言葉の真の意味を理解した。

2018年7月17日火曜日

銘柄を明かさない理由R184 Sex and the City(前編)

最近は毎晩のように「銘柄を明かさない理由R」を書くことが多い。
自身は会社員だが、残業をしないので、帰宅してからも原稿を書く時間はある。
ときどき、原稿を書いていて思うことがある。
趣味で小説を書いている会社員は、どれくらいいるのだろうかとw

今回から「銘柄を明かさない理由R」は、新章となる第15章に入る。
第15章のサブタイトルは、「Welcome to BABY WORLD」だ。
第15章の舞台は、初めてとなるアメリカ合衆国(USA)である。
すでに第15章の原稿は書き終えており、主要な舞台はシカゴになるw

シカゴは、自身が若かりし頃、訪れたことのある思い出の街でもある。
訪れた当時の記憶を思い出しながら、第15章を書いてみた。
苦手な英語も含め、現在のシカゴと異なる点があっても、お許し願いたい。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第184話 Sex and the City(前編)

ニューヨーク州のマンハッタン5番街。
フィフス・アベニュー(Fifth Avenue)と呼ばれる世界最高級の商店街。
多くの高級小売店が軒を連ねる通りを、1人の東洋人の女性が歩いていた。
女性はある高級小売店に入ると、何着かのドレスを依頼した。

買い物を終えた女性は、自宅のある高級アパートメントへ向かった。
女性は、ある看板に気づき、足を止めた。
ブロードウェイで上演中の日本人俳優主演のミュージカルの看板だった。
「The King and I(王様と私)」というミュージカルは、異例のロングランだった。

東洋人の女性は、主演の日本人俳優とは顔見知りだった。
日本にいた頃、伝説の相場師キングの主催する研究会で一緒だった。
仮面の相場師、まさか、あんたまでアメリカへ来るとはね。
東洋人の女性は笑みを浮かべ、看板を後にすると、自宅へ向かった。

その日の夜、東洋人の女性はある業界団体が主催したパーティーに出席していた。
妖艶な魅力をもつ東洋人の女性は、出席していた男性たちの注目を集めた。
「Do you have any plans to spend with someone.(ご予定はおありかな)」
何人もの男性が東洋人女性に声をかけたが、女性は誘いを断った。

やがてパーティーが終わり、東洋人の女性はお抱えの運転手の運転する車で帰宅した。
帰宅した東洋人女性、ウィッグの女はウィッグを外した。
PCに向かうと、天使の笑顔をもつ男にメールを送信した。
「今回の仕手戦を仕掛けたのは、赤い竜の会社よ、懲りない連中ね」

4年前、クリスマスが迫っていた日。
ウィッグの女は天使の笑顔をもつ男こと、無敗のA(エース)とアメリカへ来た。
2人はマンハッタンの高級アパートメントを借りて、暮らし始めた。
数ヶ月前、天使の笑顔をもつ男はいった。

「ある街へ行ってくる、しばらく留守にするけど、よろしく頼むよ」
ウィッグの女は、一緒に連れて行ってくれと頼んだ。
「わるいが訳あって連れて行くことはできない、だが必ず帰ってくる」
天使の笑顔をもつ男はいい、ウィッグの女を優しく抱きしめた。

今の私に出来ることは、パーティーで掴んだ相場の情報をあの人に送り続けること。
そして、あの人の帰りを待つことだけだわ。
マンハッタンの夜景を見ながら、ウィッグの女は思った。
あの人は、どこでこのメールを読んでいるのかしら。

2018年7月16日月曜日

【投資手法】銘柄選びで大切なこと

銘柄選びは、数多くある投資手法の1つにすぎない。
にも関わらず、株では銘柄選びが最も大切だといわれている。
事実、巷には騰がる銘柄情報があふれている。
しかも、騰がる銘柄情報の根拠は、短期的な情報だけであることが多いw

「投資」とは、将来、有望な投資先に、長期的に資金を投じることをいう。
銘柄選びにあたっては、長期的な視点で検討することが大切なのである。
東証に上場している業種は、33業種である。
すなわち、長期的な視点で、その業種が買いなのかを見極めるのであるw

具体的には、長期チャートで株価指標とその業種の株価推移を比較する。
その業種の株価が、すでにバブル期の水準を上回っていたら買わない。
その業種の株価が、バブル期の水準まで回復してなければ検討の余地ありだ。
その業種が衰退業種でなければ、出遅れ業種である可能性が極めて高いw

方法は簡単で、東京証券取引所のホームページで確認することができる。
下図はTOPIX(東証株価指数)のチャートに、精密機器と銀行業を落とし込んでいる。
精密機器は、すでにバブル期の水準を大きく上回っている。
銀行業は衰退業種でないにも関わらず、バブル期の水準まで回復していないのであるw

2018年7月15日日曜日

【エッセイ】探偵はBARにいるが、相場師もBARにいる

自身はアルコールを嗜む。
アルコールといっても工業用ではなく飲料用、すなわち酒だ。
たまに飲めない人がいるが、人生の愉しみの1つを失っていると思う。
自身にとって、人生の愉しみである酒について書いてみるw

学生時代は居酒屋で飲むことが多く、ビールやチューハイを飲んでいた。
金が無い学生にとっては、居酒屋で飲むのが精一杯だったのである。
会社員になると、スナックで水割りを飲むことが多くなった。
たまに、連れて行ってもらったクラブで飲むこともあったw

相場師になってからは、外で飲む機会はめっきり減り、家飲みが多くなった。
安い居酒屋で飲みたいと思わないし、スナックで女性相手に飲みたいとも思わない。
たまに外で飲むことがあるとしたら、BARで飲むことが多い。
ちなみに、都内では日本で最初にできたBARがお気に入りだw

出張で地方に行くことがあるが、地方にもお気に入りのBARがある。
ある港町にある隠れ家風のBARで、一度、仕事で女性を連れて行ったことがある。
ところが、その後、その女性に好意を持たれてしまい困った思い出がある。
それ以来、そのBARへは女性を連れていかないようにしているw





2018年7月14日土曜日

銘柄を明かさない理由R183 アルカディアの魔女たち

「銘柄を明かさない理由R」は、自宅のあるタワマンで書いている。
タワマンに移り住んでから、自身はクーラーを使わなくなった。
風通しがよいので、窓を開けておくだけで涼しいからだ。
本日も暑くなるらしいが、クーラーを使わなくても快適に過ごせているw

クーラーを使わないので、夏の光熱費が1年で最も安くなる。
夏の間の生活費は配当で賄っているため、給与を生活費に使うことはない。
物欲がないので、賞与は全額が口座に残っている。
自身にとって夏は資金が用意できるため、株を仕込むことが多い季節でもあるw

「Plan your trades. Trade your plan.」というウォール街の相場格言がある。
トレードをプランし、そのプランでトレードしろという意味である。
来月に訪れる買い場に向けて、どの銘柄を何株買うかトレードをプラン中である。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第183話 アルカディアの魔女たち

無敗のキングが創業した会社には、自社の資産運用部署があった。
資産運用部署の責任者は女性で、無敗のクイーンと呼ばれていた。
容姿端麗な彼女は、底知れぬ知性と度胸を兼ね備えていた。
資産運用部署はアルカディアと呼ばれ、メンバー10名も全員、女性だった。

無敗のクイーンは、必要なときにメンバーを召集、連戦連勝の無敗だった。
メンバー10名の中には、アルカディア唯一の専属社員がいた。
専属社員は無敗の天然こと、無敗のテンと呼ばれている女性社員だった。
彼女たちは、業界関係者から「アルカディアの魔女たち」と呼ばれていた。

4年前、無敗のテンは淀屋初代本家13代目当主の淀屋と付き合い始めた。
今も、2人の交際は続いていた。
無敗のテンは、アルカディアでよく淀屋のことを話題にしていた。
今日も、アルカディアで無敗のテンによる淀屋の話が始まった。

「リーダー、聞いてくださいよ」、無敗のテンが無敗のクイーンにいう。
また、のろけ話かと思いながら、「何だ」と無敗のクイーンがたずねる。
「昨日、1日ぶりに彼から電話があったんですよ」、無敗のテンがいう。
1日ぶりって日本語がおかしいだろ、無敗のクイーンは思ったがいわなかった。

「私、1日ぶりの電話に文句をいってやったんですよ」、無敗のテンがいう。
淀屋の奴も大変だな、無敗のクイーンは思ったがいわなかった。
「そしたら、彼、なんていったと思います」、無敗のテンがいう。
そろそろ、のろけ話か、無敗のクイーンは思ったがいわなかった。

「ベイビーのことを調べている。ベイビーのことがわかったら教えて欲しいって。
まだ結婚もしていないのに、ベイビーのことを教えろっていうんですよ。
わたし、何て答えたらいいのかわからなくなって、思わず、電話切っちゃいました。
これって、プロポーズじゃないですよね」、無敗のテンがいう。

「ベイビーのことを調べているといったのか」、無敗のクイーンがいう。
「そうなんですよ、わたし、どうしようかと思って・・・」、無敗のテンがいう。
のろける無敗のテンを見ながら、無敗のクイーンは考えていた。
淀屋が調べているベイビーは、米国の相場に多大なる影響力を持っている男だ。

噂では、ベイビーはリーマンショックで、大儲けしたともいわれている。
なぜ、淀屋がベイビーのことを調べている、ベイビーが我が国の相場に来るのか。
もし来るならウエルカムだ、アルカディアの魔女たちが返り討ちにしてやる。
無敗のクイーンは優雅な笑みを浮かべた。

2018年7月13日金曜日

銘柄を明かさない理由R182 難波の女帝からの情報

「銘柄を明かさない理由R」は、自身のオリジナル小説だ。
プロの方からすると、さぞかし稚拙な小説だと思う。
だが、趣味で書いているので、そこは大目に見て欲しい。
もし出版するとしても、自費でしか出版できないのはわかっているw

「銘柄を明かさない理由R」には、多くのキャラクターが登場する。
いずれも、自身の思い入れのあるキャラクターだ。
どのキャラクターがベストかと聞かれても、答えることができない。
なぜなら、それぞれのキャラクターに感情移入してしまっているからだw

今回、登場する浪花の相場師こと淀屋と難波の女帝も感情移入しているキャラだ。
難波の女帝は女性だが、自身はオネエではない。
相場師としての彼女を見た場合、彼女は魅力的なキャラなのである。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第182話 難波の女帝からの情報

江戸時代、大阪に淀屋と呼ばれた豪商がいた。
淀屋は、全国の米相場の基準となる米市を設立し、米市で莫大な富を得た。
淀屋の米市で行われた米取引は、世界の先物取引の起源とされている。
やがて淀屋の財力を恐れた幕府により、淀屋は財産を没収された。

だが、あらかじめ暖簾分けをしていたことで、大阪の地での再興に成功する。
幕末になると、淀屋は討幕運動に積極的に加担する。
その後、ほとんどの財産を自ら朝廷に献上して、淀屋は表舞台から姿を消した。
大阪にある淀屋橋は、淀屋に由来していることは広く知られている。

淀屋の一族は、明治、大正、昭和の激動の時代をひっそりと生き抜いてきた。
商才により莫大な富を得た一族は、全国の土地を買い付けた。
今や、淀屋の一族は全国の主要都市に多くの土地を所有していた。
一族が所有する土地の評価額は、日本の国家予算に匹敵するともいわれている。

淀屋の一族には、初代本家と二代目本家と2つの本家があった。
現在の初代本家当主は、13代目である淀屋を名乗る男だった。
二代目本家当主は、女相場師として有名な難波の女帝だった。
4年前の仕手戦をきっかけに、今は初代本家が全国の分家を掌握していた。

大阪難波のタワーマンションに初代本家当主である淀屋の自宅があった。
淀屋のスマホに、二代目本家当主の難波の女帝から電話がかかってきた。
「ウチやけど、元気してんの」、難波の女帝がいう。
「久しぶりでんな、おかげさまで元気にやらせてもらってます」、淀屋がいう。

「おもろい噂を聞いたんで、教えといたろ思て電話したんや」、難波の女帝がいう。
「それはありがたいでんな、どんな噂でっか」、淀屋がいう。
「ワールド株式投資セミナーって聞いたことあるか」、難波の女帝がいう。
「聞いたことおまへんな」、淀屋がいう。

「ようある素人をカモにする株のセミナーらしいわ」、難波の女帝がいう。
「いつになっても、その手のセミナーはなくなりまへんな」、淀屋がいう。
「おもろいのは、そのセミナーの主催者や」、難波の女帝がいう。
「誰が主催してますの」、淀屋がいう。

「ベイビーと呼ばれとる外国人らしいわ、アンタ知らんか」、難波の女帝がいう。
「ベイビーでっか、赤ちゃんしか知りまへんな」、淀屋がいう。
「ベイビーについてわかったら教えてや、ほな」、難波の女帝は電話を終えた。
難波の女帝が関心をもつベイビー、これは調べる必要があるな、淀屋は思った。

2018年7月12日木曜日

銘柄を明かさない理由R181 ウォール街の都市伝説

「銘柄を明かさない理由R」の原稿は、会社から帰宅してから書いている。
自身は基本、残業せずに、定時で仕事を終える。
趣味で株式投資をしているが長期投資なので、年間の売買は数回あるかないかだ。
したがって、帰宅してからも、原稿が書けるのであるw

さて、以前にも書いたが、昨年の相場と今年の相場は大きく異なる。
昨年の相場は、年間の変動幅が比較的、小さなつまらない相場だった。
だが、今年の相場は昨年と比較すると、変動幅が大きい。
どちらかといえば、一昨年の相場と似ているのであるw

今年の買い場は、一昨年以来となる2年ぶりの買い場となる可能性が高い。
何度も書いているが、今年の買い場は来月8月だ。
我ら賢明なる投資家は、来月の買い場まで、高みの見物と洒落こもうじゃないか。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第181話 ウォール街の都市伝説

都内にある重厚な門構えの木造家屋。
敷地内には石庭があり、都会の喧騒を忘れさせる佇まいだった。
回廊に面した各部屋は、質素でありながら気品のある空間になっていた。
居間では、家主である無敗のキングが秘書からの報告を受けていた。

貧しい農家に生を受けた無敗のキングは巨躯の男だった。
無敗のキングは成功したい一心で都会へ出た。
やがて、最後の相場師と呼ばれる男に弟子入り、相場について学んだ。
相場について学んだ無敗のキングは、巨額の金を手に入れることに成功した。

最後の相場師が亡くなったあと、無敗のキングは会社を創業した。
金融情報を提供する会社だったが、後に証券会社となる会社だった。
証券会社になり全国展開を果たしたあと、無敗のキングは社長職を辞した。
後任に社長職を任せ、自分は会長職に就いたのである。

無敗のキングが、会長職に就いたのには理由があった。
無敗のキングにとって、最重要の課題があった。
最重要の課題とは、最後の相場師の後継者を探すことだった。
最後の相場師のように、自国の相場は自国の相場師が守らなくてはならない。

そのために、無敗のキングは研究会を主催、見込みのある若者を誘った。
やがて、仮面の相場師、ウィッグの女、21世紀少年などの有望な若手が集まった。
The market is driven by fear and greed(市場は恐怖と欲望によって動かされる)
恐怖と欲望を自在にコントロールできることが、後継者の条件の1つだった。

そんなある日、会長である証券会社の社長が、面白い社員がいると報告してきた。
社長が報告してきた面白い社員は、資産運用部署の責任者、無敗のクイーンだった。
無敗のキングは無敗のクイーンと会う前、その女の運用報告書を読んだ。
驚いたのは、無敗の個人投資家たちのデータを元に運用していることだった。

無敗の個人投資家たちのデータを元に運用する無敗のクイーンは興味深かった。
無敗の個人投資家たちの中に、天使のような笑顔をもつ男がいた。
4年前、無敗のキングは天使のような笑顔をもつ男に後継者にならないかと誘った。
天使のような笑顔をもつ男は、無敗のキングの誘いを断って渡米した。

だが今でも、天使のような笑顔をもつ男から、不定期に連絡があった。
天使のような笑顔をもつ男、無敗のA(エース)からの連絡を秘書が伝える。
「ウォール街で、ベイビーという男が都市伝説になっているそうです」
「ベイビーは都市伝説ではないと伝えろ」、無敗のキングは即答した。

2018年7月11日水曜日

銘柄を明かさない理由R180 JOKERという男

「銘柄を明かさない理由R」の連載を再開してから、毎日が楽しい。
小説を書いたことがある方は、おわかりだろう。
小説の登場人物たちが、勝手に動き出すようになる。
「次は俺のことを書け」、「次は私のことを書いてよ」などなどw

やがて、登場人物たちが出番を待って並ぶようになる。
書き手である自身は、全体の流れで必要であれば、出番を入れ替えたりする。
当たり前だが、先送りされた登場人物は文句をいわない。
だが、後に回された登場人物はおとなしく待つことができず、勝手に動き回るw

こうして次から次へと話が生まれ、書き続けることができる。
自身の定年はまだ先で、今は会社員兼相場師だ。
定年後は、作家兼相場師になるのもいいかもしれないと思い始めている。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第180話 JOKERという男

トランプにおけるJOKER(ジョーカー)。
カードに道化師の絵が描かれていることから、ジョーカーと呼ばれる。
ジョーカーは、トランプのデッキに1〜2枚加えられることがある。
一部のゲームでは最強のカードとして扱われ、「切り札」という意味でも使われる。

第二次世界大戦で、この国は敗戦国になったといわれている。
だが、一部の男たちにとっては勝利だった。
開戦前の彼らはある危機感を持っていた。
欧米列強による東南アジアとこの国の植民地化だった。

このままでは、この国は欧米列強に包囲され、やがて植民地となる。
彼らの出した結論は、植民地となっている東南アジア各国の独立だった。
最終的にこの国は敗れる、だが包囲網を崩すことはできる。
彼らはこの国のために、欧米列強に自由の戦いを挑んだ。

敗戦国にはなったが、彼らの当初の目標は達成された。
東南アジア各国は独立、包囲網はなくなった。
次は経済発展による国力の増強だ、彼らはある組織を作ることにした。
戦後の高度成長は、その組織によるものだったといっても過言ではない。

彼らは、有望な人材に目をつけると、次々と組織の一員とした。
国内における組織のネットワークは完璧だった。
ありとあらゆる官公庁や大手企業に、彼らの組織の人間がいた。
この国に進出してくる外資系企業も例外ではなかった。

大手の外資系証券会社、赤い竜の会社に勤める年齢不詳の男も組織の一員だった。
男は赤い竜の会社に新卒で入社した。
男がその組織の一員になったのは、入社数年後のことだった。
組織は数年間、男の行動を観察した上で採用を決定したのである。

赤い竜の会社の動向を報告することが、男の主要なミッションだった。
ある日、男に組織から指令がもたらされた。
「ベイビーと呼ばれる男が、我が国の相場に多大な影響を与えようとしている。
ベイビーに関する情報を収集して知らせろ」だった。

ベイビーについては、聞いたことがある。
米国の相場に多大なる影響力を持ちながら、決して表舞台には出てこない謎の男。
ベイビーに関する情報を収集しろとは、面白い。
自宅の居間で、年齢不詳の男、ジョーカーは不敵な笑みを浮かべた。

2018年7月10日火曜日

銘柄を明かさない理由R179 ある調査会社の風景

「銘柄を明かさない理由R」の連載を再開してから、毎日が楽しい。
小説を書いたことがある方は、おわかりだろう。
あるとき、突然、ストーリーが浮かぶのである。
実は、無意識の内にストーリーを考えている思考状態になるのである。

小説を書く場合、自分が今まで見聞きしたことや体験したことがベースになる。
近未来小説の場合でも、現在、予測できる状況をベースにしている。
当たり前だが、「銘柄を明かさない理由R」は自身の知見がベースである。
最も得意とする部分は、いうまでもなく株式投資に関する部分だw

だが、自身には苦手とする部分がある。
苦手とする部分は、いうまでもなく恋愛に関する部分だ。
よって、恋愛に関する部分に関心のある方は、恋愛小説を読まれることをオススメする。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第179話 ある調査会社の風景

都内にある小さな調査会社。
その調査会社には、3人しかいなかった。
太った狸に似た社長、調査員の男、事務員の女性の3人だった。
調査員の男が外出先から戻ると、社長が近づいてきていった。

「依頼主から高額の入金があった。
どのような依頼内容だったのか、詳しく教えてくれ」
「依頼主は誰ですか」、席に座りながら調査員の男がいう。
「21世紀少年という依頼主だよ」、社長がいう。

「ああ、21世紀少年の依頼内容ですか。
21世紀少年が開催する株式投資セミナーに同業他社のスパイを入れたくない。
ついては、受講希望者の素性を調べて欲しいという依頼でした」
調査会社の男が涼しい顔で答える。

「本当にそれだけの依頼だったのか」、社長が聞く。
「本当にそれだけですよ、それが何か」、調査員の男がいう。
「その依頼内容に見合わない高額の入金だったんだよ。
当社の今までの入金額で、過去最高の入金額だ」、社長がいう。

「そもそも、21世紀少年は、どうして君に調査を依頼してきたんだ」、社長がいう。
「ある人から私を紹介されたと電話があったんですよ」、調査員の男がいう。
「そうか、ところで21世紀少年と調査費用は決めていたのか」、社長が聞く。
「あっ、そういえば最終の見積を送るの忘れてました」、調査会社の男がいう。

2人のやり取りを聞いていた事務員の女性が、我慢できずに笑いながらいった。
「ところで、あんな高額の入金ができる21世紀少年って何者なんですか」
「自分も知らなかったが、彼は大学生で無敗の個人投資家らしいよ。
彼が主催する株式投資セミナーは、すごい人気だそうだよ」、調査員の男がいう。

「21世紀少年ってイケメンですか、紹介してくださいよ」、事務員の女性がいう。
「会ったことないので、イケメンなのかはわからないな」、調査員の男がいう。
「私も紹介してもらうかな、お客様は神様だからな」、社長がいう。
「社長がいると、娘と思われるので遠慮しときます」、事務員の女性がいう。

調査会社の男、無敗の相場師J(ジャック)は知らなかった。
21世紀少年がウィッグの女に、国内の調査会社を紹介して欲しいと頼んだこと。
ウィッグの女が一緒に渡米していた天使の笑顔をもつ男にそのことを相談したこと。
天使の笑顔をもつ男、無敗のA(エース)が21世紀少年に自分を紹介したことを。

2018年7月9日月曜日

銘柄を明かさない理由R178 Boys, be ambitious in Christ(後編)

数少ない読者の方、お待たせした。
「銘柄を明かさない理由R」の連載再開だ。
某国の大統領が残した有名な言葉にちなんでいうと、下記になる。
相場師の相場師による相場師のための物語w

さて、何度もいうが、今年の買い場は来月8月に来る。
その時が来るまでは、決して買ってはいけない。
この時期、賞与や配当を手にした方も多くいると思う。
だが、ここぞとばかりに、すぐに賞与や配当で株を買ってはならないw

なぜなら、多くの人が同じことを考えるからだ。
「人の行く裏に道あり花の山」という有名な相場格言がある。
多くの人と反対のことをやった方が上手くいく、という意味だ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第178話 Boys, be ambitious in Christ(後編)

21世紀少年のメガネは、ハイテク仕様の特注品だった。
好きなときに見ている景色を、ネットで発信することができた。
発信するだけではなく、情報を受信する機能も搭載していた。
目の前の男たちに重なるように、男たちに関する情報が次々に表示され始めた。

「どうでもいいが、さっさと車に乗れ」
後部座席から降りてきた年配の男がいう。
「貴様が見ているものが、全世界へリアルタイムで発信されているだと。
そんなことは我々にとってはどうでもいいことだ、さっさと車に乗れ」

「なるほど」、21世紀少年がいった。
「何がなるほどだ、さっさと車に乗れ」、痺れをきらせた年配の男がいう。
「今、送られてきたデータで、あなたたちの素性がわかりました」
21世紀少年は、若い男と年配の男の本名を、正確に言い当てた。

凍りつく男たちに、21世紀少年はいった。
「今、自分が見ているものは、全世界へリアルタイムで発信されています。
発信された情報を見た人たちが、僕に知っている情報を送ってくれます。
彼らが送ってくれた情報は、このメガネに瞬時に映し出されるんですよ」

年配の男は、上方からの視線を感じた。
視線を感じて見ると、マンションのベランダにこちらを見ている人がいた。
他のマンションのベランダにも、こちらを見ている人がいた。
遠くからはパトカーのサイレンらしき音が聞こえてきた。

このガキ、只者じゃねえ。
このガキを拉致するのに、あの報酬じゃ割に合わねえ、年配の男は思った。
「重要な場面の撮影が、ようやく終わりましたね。
さぞかし、いいシーンになるでしょうね」、年配の男が21世紀少年にいう。

「えっ、アニキ、何をいってんすか」、若い男がいう。
「芝居は終わりだっていってんだろ、帰るぞ」、年配の男が若い男にいう。
年配の男が21世紀少年に向かっていう。
「兄さん、芝居は終わりだ、だがこれも何かの縁かもしれねえな。

もし、この先、困ったことがあれば、連絡をくれ、相談にのるぜ」
年配の男は、21世紀少年に名刺を渡すと、若い男と車で走り去った。
相談したくても、メールアドレスがないと相談できないんだよね。
年配の男に渡された名刺を見た21世紀少年は、にっこりと微笑んだ。

2018年7月7日土曜日

銘柄を明かさない理由R177 Boys, be ambitious in Christ(中編)

「銘柄を明かさない理由R」の連載を再開して、5日目になる。
自身は、土曜日は家事を済ませたり、プールへ泳ぎに行くことにしている。
日曜日は身体をクールダウンし、何もしない安息日と決めている。
よって、日曜日にブログは更新しても、連載は休ませていただく予定だw

「銘柄を明かさない理由R」は、完全なオリジナル小説だ。
ストーリーのいくつかは自身の実体験を基にしている。
モデルになった人物はいるが、登場人物も架空の人物である。
もし、知っている方に似ていると思ったら、偶然であるw

そんな奴いないだろうと、ツッコミながら読んでもいい。
登場人物に知っている人を重ね合わせて、読んでもらっても構わない。
今後の参考に、楽しめた話には拍手をしてもらえたら助かる。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第177話 Boys, be ambitious in Christ(中編)

ある日のこと、無料の株式投資セミナーが開催された。
セミナーの主催者は、無敗の相場師こと21世紀少年と呼ばれる大学生だった。
投資手法に特化したセミナーは、大勢の受講者を集める人気のセミナーになった。
やがて、そのセミナーは、数ヶ月先でないと受講できないセミナーになっていった。

同業他社は、21世紀少年のセミナーにスパイを送り込むことにした。
ところが、同業他社のスパイはセミナー会場に入ることができなかった。
会場の受付で、屈強な身体のスーツ姿の男がいう。
「当方の手違いでお招きしてしまいました、今回はお引取りください」

株式投資セミナーを行なう会場のレンタル費用。
同業他社のスパイなのか、そうでないのか確認する調査会社の費用。
屈強な身体のスーツ姿の男を雇う費用。
それらの費用全てを21世紀少年が負担、つまり21世紀少年の自腹だった。

業を煮やした同業他社の1社が、非合法な手段を使うことを決めた。
21世紀少年を拉致、無料の株式投資セミナーを開催させないというものだった。
ある日の夜、21世紀少年は帰宅するべく、駅から徒歩で自宅へ向かっていた。
閑静な住宅街、後方から近づいてきた1台の車が、21世紀少年の横で停まった。

後部座席から降りてきた年配の男がいった。
「手荒いことはしたくない、おとなしく車に乗ってくれ」
助手席から降りてきた若い男がいった。
「何もしないから乗れっていってんだろ」

21世紀少年は思った。
こいつら、天文学的なバカだと。
「何もしないから乗れっていってんだろ」
待ち伏せされて、何もしないって言葉を信じるわけないだろう。

業を煮やした同業他社の1社が、非合法な手段を使うことを決めた。
こちらは既にその情報を入手している。
同業他社さんには、本当に申し訳ないと思うけどね。
でも、どんな非合法な手段を使ってくるか、こちらは楽しみにしていたんだよ。

21世紀少年は、メガネの角度を調節しながらいった。
「このメガネは、ウェブカメラ搭載のメガネです。
今、自分が見ているものは、全世界へリアルタイムで発信されていますよ」
21世紀少年は、にっこりとした笑顔で微笑んだ。

2018年7月6日金曜日

銘柄を明かさない理由R176 Boys, be ambitious in Christ(前編)

「銘柄を明かさない理由R」の連載を再開して、4日目になる。
連載を再開した「銘柄を明かさない理由R」は、第14章から始まる。
第14章のサブタイトルは「4年後」だ。
つまり、前回の「第13章 レッドドラゴン」から、4年後の物語になるw

「銘柄を明かさない理由R」を、楽しんでいただくコツをお教えしよう。
最初から読んでいただければ、理解は深まるかもしれない。
だが、「銘柄を明かさない理由R」は、数多くのエピソードから成り立っている。
つまり、どこから読んでもいいように構成しているつもりだw

読者の方は、その日の物語を読むだけでいい。
物語を読んで興味を持ったなら、過去の物語を読めばよい。
過去の物語を読んで面白いと思ったら、最初から読めばよい。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第176話 Boys, be ambitious in Christ(前編)

「Boys, be ambitious」は「Boys, be ambitious like this old man」ともいう。
意味は「この老人のように、あなたたち若い人も野心的であれ」
だが、本当は「Boys, be ambitious in Christ.」だという説もある。
意味は「青年よ、野心を燃やすことなく、人間の本分をなすべく大望を抱け」になる。

メガネをかけた若い男性、21世紀少年は、高級ホテルの会議室を出た。
エントランスロビーを抜け、高級ホテルから外に出ると、近くの公園に向かった。
平日の昼間にも関わらず、公園には多くの人がいた。
空いているベンチに座ると、21世紀少年は4年前のことを回想した。

4年前、21世紀少年は中学生だった。
母親の再婚相手に暴力を振るわれているのを見かねた祖父母に引き取られた。
やがて、株を教えてくれた祖父が亡くなり、祖母と一緒に暮らしていた。
ある日、祖父宛に研究会への誘いが届き、興味本位から研究会に参加した。

そこで研究会を主催する無敗の相場師キングと初めて出会った。
研究会では、仮面の相場師と呼ばれる舞台俳優のおじさんに親切にしてもらった。
今はアメリカにいるウィッグのお姉さんにも親切にしてもらった。
中学からの帰り道、再婚相手の男に待ち伏せされ、殴られそうになった。

殴られそうになったとき、ある証券会社の情報システムの男の人が助けてくれた。
その時、助けてくれた情報システムの男の人と、外資系証券会社に戦いを挑んだ。
戦いが終わったあと、ウィッグのお姉さんが母親に一緒に暮らすよう頼んでくれた。
再婚相手と別れた母親は、祖父母の家に来て、親子で一緒に暮らすようになった。

4年前、多くの大人たちと知り合い、多くのことを学んだ。
世の中にはいい大人もいれば、わるい大人もいる。
あのとき、自分は絶対にいい大人になると決めた。
いい大人になることが、あの人たちから受けた恩に報いることになる。

4年前、中学生だった自分は助けがなければ、わるい大人に立ち向かえなかった。
だが、大学生になった今、1人でわるい大人に立ち向かえる。
世の中には、わるい大人がたくさんいる。
さっきの株式投資セミナーは、わるい大人たちが主催している。

有料会員になると、送られてくる銘柄情報はランダムに抽出された銘柄だ。
騰がる根拠は皆無で、騰がる銘柄と下がる銘柄の割合はほぼ同じ。
騰がった銘柄を売り、下がった銘柄を買い増ししなければ利益を出せない。
さてと、あのワールド株式投資セミナーどうしてやるかな、21世紀少年は思案した。

2018年7月5日木曜日

銘柄を明かさない理由R175 ある株式投資セミナーにて(後編)

「銘柄を明かさない理由R」の連載を再開して、3日目になる。
よく、作家が書き出すと、登場人物が勝手に動き出すという。
最初に、その話を聞いたときは、ウソだろうと思った。
だが、今は身をもって、そのことを感じているw

自身は、皆さんにお届けしている数話先の話を書いている。
不思議なことに、書き始めると勝手にストーリーが出てくる。
自身は理系出身だが、もし文系出身なら作家になろうとしていたかもしれない。
仮に文系出身で作家になれたとしても、兼業で相場師だったとは思うw

賢明なる読者の方はお気づきだろうが、今は毎年恒例の下落相場の真っ只中だ。
最大の買い場である8月が来るまで、売り買いしてはならないのでヒマなはずだ。
この「銘柄を明かさない理由R」が、ヒマつぶしの1つになれば嬉しく思う。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第175話 ある株式投資セミナーにて(後編)

「有料会員になったので、送られてきた銘柄情報どおりに買ってみました。
ところが騰がった銘柄は半分、下がった銘柄は半分でした。
下がった銘柄を更に買うことでプラスにしましたが、単に買うだけじゃ儲かりませんよ」
大学生になった21世紀少年、メガネを外した顔でにっこりと微笑んだ。

「何を仰っているのですか」
スーツ姿の女性を見かねたのか、主催者らしきスーツ姿の男性がいう。
「買うだけじゃ儲からないので、更に買うことでプラスにできた訳ですよね。
つまり、当セミナーの銘柄情報で儲けて頂いたんですよね」

会場の参加者を見回したスーツ姿の男性が満面の笑みでいう。
「先ほどの講師の説明には、言葉が足りなかったようで申し訳ございません。
ご指摘のように、銘柄情報どおりに買うだけでは儲かりません。
儲けるためには、先ほどの方のように当セミナーの投資手法を用いることが必要です」

スーツ姿の男性は、満面の笑みのままいった。
「銘柄情報でご提供する銘柄が全て騰がるとは限りません。
銘柄が下がったときに、いつ更に買えばいいかの情報もご提供させていただいています。
つまり、皆様は有料会員になるだけで、無敗の個人投資家になれるのです」

「質問があるのですが、よろしいでしょうか」
再び、メガネをかけた若い男性、21世紀少年が再び挙手をした。
「いいですよ、ご質問を仰ってください」
スーツ姿の男性は、満面に笑みを浮かべたままいった。

メガネをかけた若い男性、21世紀少年がいった。
「銘柄が下がったとき、いつ更に買えばいいかの情報は一度も来なかったのですが」
一瞬、会場内に張り詰めた空気が流れた。
張り詰めた空気を破り、スーツ姿の男性がいう。

「それはおかしいですね。事務局の手違いがあったのかもしれません。
お客様の手を煩わせることになり、誠に申し訳ございませんでした。
今後はそのようなことがなきよう、再発防止に努めさせていただきます」
スーツ姿の男性が、メガネをかけた若い男性、21世紀少年に深々と頭を下げた。

「つまり、今は再発防止が必要なセミナーってことですね。
早く再発防止の必要がないセミナーにしてくださいね。
このセミナーの将来に期待していますよ」
メガネをかけた若い男性、21世紀少年はいうと、席を立った。

2018年7月4日水曜日

銘柄を明かさない理由R174 ある株式投資セミナーにて(中編)

昨日から連載を再開した「銘柄を明かさない理由R」。
主人公は5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュ。
あと、彼らを取り巻く人たちの物語でもある。
21世紀少年や仮面の相場師、ウィッグの女、ジョーカーの男などなどw

この「銘柄を明かさない理由R」。
何度か書いたが、将来は自費出版したいと考えている。
女友達には無償で配布、要らないといっても送りつける予定だ。
男友達には定価をはるかに上回る高額で売りつける予定だw

ありがたいことに早速、拍手をいただいた。
拍手をいただいた女性の方には、自費出版したら無償で配布したいと考えている。
拍手をいただいた男性の方には、自費出版したら定価で販売したいと考えている。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第174話 ある株式投資セミナーにて(中編)

都内の高級ホテルの会議室で開かれている株式投資セミナー。
「あの~、質問があるのですが、よろしいでしょうか」参加者の中の1人が挙手した。
挙手したのは、メガネをかけた若い男性だった。
「どのような、ご質問でしょうか」20代とおぼしきスーツ姿の女性がいう。

メガネをかけた若い男性は、座ったまま質問した。
「銘柄情報は定期的にいただけるのでしょうか。
あと、銘柄情報を元にした投資とは、具体的にどのような投資でしょうか。
銘柄情報を元に投資すれば、本当に儲けることができるのでしょうか」

スーツ姿の女は思った。
よく見ると、メガネをかけた若い男性が着ている服は、高級そうなブランド品だった。
ひょっとすると、どこかの金持ちの子どもかもしれない。
若いが、親が金を持っており、いいカモになるかもしれない。

スーツ姿の女は笑みを浮かべると、メガネをかけた若い男性にいった。
「有料会員の方には、毎月、銘柄情報をお届けします。
銘柄情報は買いを推奨する銘柄ばかりですので、あとは買っていただくだけです。
銘柄情報を元に買うだけで、簡単に儲けていただくことができますよ」

質問をしたメガネをかけた若い男性は、不思議そうな顔をした。
「何かご不審な点がおありでしょうか」、スーツ姿の女が尋ねる。
「銘柄情報どおりに買うだけじゃ、簡単に儲からないんですよね」
若い男性はメガネを外すとうつむき、曇り拭きでメガネを拭きながら答えた。

スーツ姿の女は笑みを浮かべたまま、メガネを拭いている若い男性にいった。
「疑いたくなるお気持ちはわかりますが、銘柄情報通りに買うだけで儲かりますよ」
「でも、銘柄情報どおりに買うだけじゃ、儲からなかったんだよね」
いうと、メガネを拭いていた若い男性は顔を上げ、スーツ姿の女を見た。

メガネを外した若い男性の顔を見た瞬間、スーツ姿の女は思い出した。
若い男性は、半年前のセミナー参加者の1人だった。
セミナー後、気弱そうな男性に、有料会員になるよう勧誘した。
セミナー後の勧誘が効を奏したのか、男性はその場で有料会員になってくれた。

「有料会員になったので、送られてきた銘柄情報どおりに買ってみました。
ところが騰がった銘柄は半分、下がった銘柄は半分でした。
下がった銘柄を更に買うことでプラスにしましたが、単に買うだけじゃ儲かりませんよ」
大学生になった21世紀少年は、メガネを外した顔でにっこりと微笑んだ。

2018年7月3日火曜日

銘柄を明かさない理由R173 ある株式投資セミナーにて(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説がある。
全13章からなる「銘柄を明かさない理由R」だ。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
もちろん、素人が書いた小説なので、プロの方が書いた小説の足元にも及ばないw

さて、この「銘柄を明かさない理由R」。
今でも時間があれば、読み返している。
誤字の多さやストーリーの整合性の無さに、修正しなくてはと思っている。
だが、何度も読み返しているうちに、続きを書きたくなってきたw

ある程度の構想がまとまったら、ブログで連載を再開したいと考えていた。
ようやく、ある程度の構想がまとまった、だが全てのストーリーは決まっていない。
だが書き出せば、あとは登場人物たちがストーリーを作ってくれるはずだ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第173話 ある株式投資セミナーにて(前編)

都内の高級ホテルの会議室、大勢の参加者を前に、スーツ姿の男が話していた。
「株式投資は、客観的な情報に裏付けされた合理的な行為でなければなりません。
しかしながら、個人投資家の多くはこれらの行為を行なうことができません。
理由は、個人投資家の多くは決断に際して、何かに拠りどころを求めるからです」

会議室の後方に座る男女にさりげなく目をやると、スーツ姿の男は話を続けた。
「その拠りどころとなるのが、今、皆さんが参加されているセミナーなのです。
当セミナーには、経験豊富な優秀な講師陣が揃っています。
株式投資が始めての皆様に、当セミナーが拠りどころとなることをお約束します」

会議室の後方で、20代とおぼしきスーツ姿の女性が立ち上がった。
女性は話していた男に向かって歩いていき、話していた男からマイクを受け取った。
「では、今から当セミナーの詳細について、講師の私からご説明させていただきます。
あっ、メモをとらなくても大丈夫ですよ、後で詳しい資料をお渡ししますからね」

スーツ姿の女性は笑みを浮かべると、話を続けた。
「当セミナーでは、有料会員になっていただいた方に銘柄情報をお届けします。
経験豊富な私たちが、客観的な情報を元に騰がると確信した銘柄情報です。
この銘柄情報を元に投資していただくだけで、皆様は資産を増やすことができます」

スーツ姿の女性は、スクリーンのスライドを切り替えると話を続けた。
「例えば、会社員のAさん、この方は株式投資を初めてされた方です。
Aさんは当セミナーの銘柄情報を元に投資を続けられました。
その結果、どうなったと思います。

このAさん、昨年、株式投資で得た利益が会社の所得を上回ったのです。
Aさんは、株式投資で得た利益が会社の所得を上回りました。
ですが、Aさんは運がよかった訳でも、特別な才能があったわけでもありません。
Aさんは、当セミナーの銘柄情報を元に投資を続けただけなのです」

スーツ姿の女性は、再びスクリーンのスライドを切り替えると話を続けた。
「次に、定年退職されたBさん、この方も株式投資を初めてされた方です。
Bさんは年金だけでは、老後が不安だということで、当セミナーを受講されました。
BさんはAさんと同じく、当セミナーの銘柄情報を元に投資を続けられました。

Bさんは資産を大きく増やし、今は悠々自適の生活を送っていらっしゃいます。
お二方の成功事例はほんの一部で、他にも多くの方が成功されています」
参加者の中の1人が挙手した。
「あの~、質問があるのですが、よろしいでしょうか」

2018年7月2日月曜日

【エッセイ】我が家の子どもへのお金の教育について

自身は娘と2人暮らしを初めて10年以上になる。
娘も大学生になり、順調にいけば来年は社会人になる。
おそらく、我が家だけだと思うお金の教育方法がある。
そのことについて書いてみるw

自身もそうだったが、親や学校から本当のお金の教育を受けることはない。
生きていく上で、お金は必要不可欠であるにも関わらずだ。
親や学校は、真面目に働いてお金を手に入れ、貯蓄しましょうという。
昔ならそれでよかったかもしれない、だが今の低金利時代にそれはないw

自身が行なったお金の教育は2つだ。
1.子どもの為に貰った祝い金は、全額、子どもに渡して自由に使わせる。
2.子どもがバイトで稼いだ金と同額を出資、株式投資で運用して殖やす。
基本の考え方は、娘が得た金は娘の金という考え方であるw

祝い金もバイト代もそうだが、本来は子どもが稼いだ金である。
だが、バイト代は、本来は親が出さなくてはならない金だ。
自身はバイトで稼いだ金と同額を出資、株式投資で運用して殖やしてきた。
先日、娘が得た配当は31,874円、大学卒業までには、もう少し殖やしてやる予定だw

2018年7月1日日曜日

【今後の戦略】配当生活入りした休日に思うこと

自身は1週間の生活費を3万円迄と決めている。
内訳は、食費と日用品および嗜好品(アルコール、タバコ)である。
普段は週末にATMに行き、給与振込口座から3万円を引き出している。
だが、配当がある月は、配当で生活費を賄っているw

先月、届いた配当は30万円ほどになる。
よって、今月と来月の生活費は配当で賄える。
生活費を配当で賄える間は、ATMに行くことはない。
給与振込口座には自然と金が残ることになるw

以前から書いているが、今年の最大の買い場は8月である。
配当を使い終わった頃、今年最大の買い場が訪れることになる。
賞与と配当生活で残った金等で、自身は買いを入れる予定だ。
もちろん、自身が運用する子どもファンドの買いも同時に入れる予定だw

自身の中では、今年最大の買い場までのカウントダウンが始まった。
夏は外国人どもがバカンスに出かけ、国内相場の参加者が少なくなる。
その間、相場は底を打ち、今年最大の買い場が訪れると見ている。
外国人たちが馬○ンスから戻ってきた頃には、自身は仕込み終えている予定だw