2018年7月17日火曜日

銘柄を明かさない理由R184 Sex and the City(前編)

最近は毎晩のように「銘柄を明かさない理由R」を書くことが多い。
自身は会社員だが、残業をしないので、帰宅してからも原稿を書く時間はある。
ときどき、原稿を書いていて思うことがある。
趣味で小説を書いている会社員は、どれくらいいるのだろうかとw

今回から「銘柄を明かさない理由R」は、新章となる第15章に入る。
第15章のサブタイトルは、「Welcome to BABY WORLD」だ。
第15章の舞台は、初めてとなるアメリカ合衆国(USA)である。
すでに第15章の原稿は書き終えており、主要な舞台はシカゴになるw

シカゴは、自身が若かりし頃、訪れたことのある思い出の街でもある。
訪れた当時の記憶を思い出しながら、第15章を書いてみた。
苦手な英語も含め、現在のシカゴと異なる点があっても、お許し願いたい。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第184話 Sex and the City(前編)

ニューヨーク州のマンハッタン5番街。
フィフス・アベニュー(Fifth Avenue)と呼ばれる世界最高級の商店街。
多くの高級小売店が軒を連ねる通りを、1人の東洋人の女性が歩いていた。
女性はある高級小売店に入ると、何着かのドレスを依頼した。

買い物を終えた女性は、自宅のある高級アパートメントへ向かった。
女性は、ある看板に気づき、足を止めた。
ブロードウェイで上演中の日本人俳優主演のミュージカルの看板だった。
「The King and I(王様と私)」というミュージカルは、異例のロングランだった。

東洋人の女性は、主演の日本人俳優とは顔見知りだった。
日本にいた頃、伝説の相場師キングの主催する研究会で一緒だった。
仮面の相場師、まさか、あんたまでアメリカへ来るとはね。
東洋人の女性は笑みを浮かべ、看板を後にすると、自宅へ向かった。

その日の夜、東洋人の女性はある業界団体が主催したパーティーに出席していた。
妖艶な魅力をもつ東洋人の女性は、出席していた男性たちの注目を集めた。
「Do you have any plans to spend with someone.(ご予定はおありかな)」
何人もの男性が東洋人女性に声をかけたが、女性は誘いを断った。

やがてパーティーが終わり、東洋人の女性はお抱えの運転手の運転する車で帰宅した。
帰宅した東洋人女性、ウィッグの女はウィッグを外した。
PCに向かうと、天使の笑顔をもつ男にメールを送信した。
「今回の仕手戦を仕掛けたのは、赤い竜の会社よ、懲りない連中ね」

4年前、クリスマスが迫っていた日。
ウィッグの女は天使の笑顔をもつ男こと、無敗のA(エース)とアメリカへ来た。
2人はマンハッタンの高級アパートメントを借りて、暮らし始めた。
数ヶ月前、天使の笑顔をもつ男はいった。

「ある街へ行ってくる、しばらく留守にするけど、よろしく頼むよ」
ウィッグの女は、一緒に連れて行ってくれと頼んだ。
「わるいが訳あって連れて行くことはできない、だが必ず帰ってくる」
天使の笑顔をもつ男はいい、ウィッグの女を優しく抱きしめた。

今の私に出来ることは、パーティーで掴んだ相場の情報をあの人に送り続けること。
そして、あの人の帰りを待つことだけだわ。
マンハッタンの夜景を見ながら、ウィッグの女は思った。
あの人は、どこでこのメールを読んでいるのかしら。