2020年10月31日土曜日

【エッセイ】初対面の女性から質問攻めにあった話

先日、自身が加入している生命保険会社の女性から、連絡があった。
新しく担当することになったので、挨拶に伺いたいとのことだった。
ちょうど、保険の内容で確認したいことがあったので、会うことにした。
確認したい内容を伝えると、「それも含め、30分ほどで済みます」とのことだったw

家に伺うといったが、1人暮らしの男の家に来るのは、抵抗があるだろうと思った。
よって、家の近くの喫茶店で、会うことにした。
喫茶店で待っていると、新しく担当になったという若い女性が現れた。
挨拶した後、「細いですね」といわれたので、「よくいわれます」と答えておいたw

確認したかった説明が終わると、シングルマザーだという女性が自身の近況を聞いてきた。
自身は、昨年まで娘と2人暮らしだったが、今は1人暮らしであること。
会社員を辞めて、失業給付待ちの状態であること。
現在のタワマンは家賃が高いので、いつか引っ越しする予定であることなどを伝えたw

ふと、気づくと、自身を見る女性から笑顔が消え、真顔になっていた。
女性から、会社員を辞めた理由、現在の家賃、今後の生活など、多くの質問をされた。
全ての質問に答え終わったとき、2時間近く経っており、近日中に連絡するといわれた。
ひょっとすると、自身のような人用の保険があることを思い出したのかもしれないw

2020年10月30日金曜日

【エッセイ】エントリーシートが通過してしまった話~その後~

自身は会社員を辞めて、今は雇用保険の失業給付待ちの状態である。
失業給付を貰ったことがある方は、ご存じだろうが、貰うには条件がある。
最も大事なのは、就職や起業する意思があるかで、証拠として求職実績が求められる。
単に、求人検索するだけでは求職実績にはカウントされないw

先日、ある大手企業の求人があった。
絶対に受からないと思ったので、求職実績を作るために応募した。
履歴書を作成、短時間で初めて作ったエントリーシートと合わせて、送信した。
すると、面接と筆記試験に来るようにとの通知が来てしまったw

自身は個人事業主になる予定なので、誰かに雇用されるつもりはない。
だが、失業給付に影響するかもしれないので、仕方なく面接と筆記試験を受けてきた。
応募者が多かったらしく、筆記試験後の面接待合室である会議室には多くの男女がいた。
担当からリラックスするよういわれたが、自身以外は誰もリラックスしていなかったw

しばらくすると、面接に呼ばれて、複数の面接官から質問された。
志望動機、今までの職務内容、採用後の職務で必要なスキルの有無などなど。
途中、このままでは受かるかもと思ったので、あえて、テンションを落とした。
おそらく、面接官は、こいつ何しに来たんだと思ったことだろうw

2020年10月29日木曜日

【エッセイ】金融機関の無責任なアドバイスに驚いた話

先日、ある金融機関に用事があり、訪れた。
自身の前にいた同年代らしき女性が、窓口の担当に相談していた。
どうやら、女性の親が意思表示できる状態ではないらしい。
親の口座から、現金を引き出すには、どうしたらよいかの相談だったw

窓口の担当は、成年後見制度を利用するようアドバイスしていた。
担当は、家庭裁判所で手続きができると伝えていた。
相談者の女性は、納得した様子で、嬉しそうに帰っていった。
自身は相談者の女性が、成年後見制度を使わなければよいがと見送ったw

成年後見制度とは、広義には日本における意思決定支援法制である。
本人の判断を他の者が補うことによって、本人を法律的に支援するための制度。
本人の判断を補う他の者は、家庭裁判所が選任する。
問題なのは、必ずしも親族が選任されるとは限らないことであるw

親族が選任されない場合、司法書士や弁護士などが選任される。
ただ、選任された司法書士や弁護士による財産横領が、過去に発生している。
もちろん、選任された親族が、財産を横領しているケースもあるらしい。
これらのデメリットを伝えない、無責任なアドバイスには驚かされた次第であるw

2020年10月28日水曜日

【エッセイ】失業給付の使い道

自身は会社員を辞めて、今は失業給付待ちの状態である。
会社員を辞めるにあたって、失業給付について調べた。
調べたところ、自身の場合、数か月間、結構な額がもらえることがわかった。
失業給付の申し込みに行った際、担当より自身の方が失業給付に詳しかったほどであるw

自身の生活費は、株の配当で賄えている。
また、今年度の家賃や光熱費は、今年に入ってからの株の譲渡益で用意できている。
失業給付は、求職中の生活費を心配しなくてよいように支給される。
自身は生活費には困っていないが、受給資格ありと認定してもらえているw

自身は求職実績を作るために活動しているが、求職活動に必要な経費は微々たるものだ。
したがって、失業給付の大半は、貯蓄できる予定だ。
貯蓄していても増えないので、株の購入資金にしようかと考えたが、面白みがない。
自身にとっては、定額給付金のような臨時収入なので、楽しみに使いたいw

いろいろ考えた結果、使い道を決めた。
自身は個人事業主なので、個人事業主の事務所(仕事部屋)開設費用にするのである。
事務所開設費用といっても、個人事務所なので、失業給付の範囲内で賄えるはずだ。
どのような事務所にするか、自身は考え中であるw

2020年10月27日火曜日

【エッセイ】自分の心配をしてほしいと思った話

先日、近くで用事があったので、実家に立ち寄った。
母親に、会社員を辞めて、個人事業主になったと伝えた。
母親からは、会社員を辞めるなんて信じられない、といわれた。
個人事業主で生活できるから、といっても、理解されなかったw

母親は、収入がなくなれば、減り続けるだけなので、心配だと言う。
ある程度の資産があり、株の収入や、大家としての家賃収入もあると説明した。
ところが、株の収入はあぶく銭で当てにならない、と言われた。
自身の考えは、母親には一生、理解できないだろうなと思ったw

個人事業主になるにあたり、自身は綿密なシミュレーションを行っている。
シミュレーションの結果、個人事業主でやっていけると確信したのである。
例えば、国民年金については、免除申請し、その分を株で運用する。
健康保険料は、一般的には高額になる国民健康保険に、あえて加入するなどであるw

実家は会社経営しているが、新型ウイルスの影響で、売り上げが低迷しているらしい。
持続化給付金を貰ったが、今も赤字の状態らしい。
母親に、もし必要なら、会社の運転資金を貸してもいいよと伝えた。
心配してくれるのはありがたいが、自身は実家の会社の方が心配であるw

2020年10月26日月曜日

【エッセイ】母親が認知症かもしれない話

先日、近くで用事があったので、久しぶりに実家に立ち寄った。
実家には、母親が1人暮らしをしている。
母親は友達が多く、近所に自身の弟たちもいる。
悠々自適に、1人暮らしを楽しんでいると思っていた。

ところが、実家に立ち寄り、話をしている中で、多くの違和感があった。
同じことを繰り返し言う、食べた量を覚えていない、身内への暴言などなど。
今までも、母親は、身内に対して、厳しい意見をすることはあった。
だが、同じことを繰り返したり、食べた量を覚えていないということはなかった。

自身は、たまにしか実家に立ち寄ることはない。
なので、母親の変化に気づくことができた。
おそらく、友達や自身の弟たちは、母親の変化に気づいていないだろう。
自身は医療関係者ではないが、母親は認知症の初期段階ではないかと思っている。

自身の知り合いに、認知症になった人がいる。
母親の現在の様子は、知り合いの初期症状にそっくりなのである。
困ったことに、認知症になった場合、本人には自覚がない。
認知症の可能性があると教えるべきか、教えないべきか、自身は迷っている。

2020年10月24日土曜日

【投資手法】株式投資の出口戦略

偉大なる相場師の1人に、福澤 桃介氏がいる。
彼は自著の中で「預金利子を標準として売買せよ」と述べている。
彼が生きた時代の定期預金の利子は、五朱から七朱の間だった。
朱は一割の十分の一であることから、5%から7%ということになるw

配当が7%以上になれば買い、5%以下になれば売ることを推奨していた。
ただ、注意することとして、株が安全かどうかということを考えるよう述べている。
いっときの配当が多くとも、会社が潰れてしまえば、大損になるからである。
強固な会社だと思っても、不安があれば、金を銀行に預けて寝るようにとしているw

残念ながら、彼の出口戦略は、現在の低金利では使えない。
なぜなら、大半の株の配当が、定期預金の利子を上回っているからだ。
では、どのような出口戦略をとればよいか。
自身が参考にしているのは、偉大なる相場師である本多 静六氏の出口戦略であるw

すなわち、「二割利食い、十割益半分手放し」である。
彼は取引が容易であることから、引き取り期限のある先物取引をしていた。
期限の来る前に、思いがけぬ値上がりがあった場合、きっぱりと二割で利食い。
引き取った株が長い期間に二倍以上になれば、元本分を売り、タダ株にするのであるw

2020年10月23日金曜日

【現在の株式評価額】20201023~買い増し後の最高評価額更新~

Y&Kファンド(4銘柄)
・取得額合計:29,196,513円
・配当金合計:1,625,000円(配当利回り:5.57%)
・評価額合計:34,889,000円(BPS:83,448,330円)
・損益額合計:5,692,487円(損益率:19%)

Rファンド(1銘柄)
・取得額合計:1,191,522円
・配当金合計:300,000円(配当利回り:25.18%)
・評価額合計:5,109,600円(BPS:14,943,960円)
・損益額合計:3,918,078円(損益率:329%)

Mファンド(7銘柄)
・取得額合計:9,745,632円
・配当金合計:294,300円(配当利回り:3.02%)
・評価額合計:5,846,800円(BPS:14,555,204円)
・損益額合計:-3,898,832円(損益率:-40%)

Y&Kファンドの評価額が、買い増し後の最高額になっていたので記録しておく。
評価額が、買い増し後の最高額になったのは、主力株の株価上昇である。
現在のY&Kファンドの主力株は、8750 第一生命ホールディングス㈱で10,000株。
先日、できていた8750の買いサイン"ゴールデンクロス"は、本物だったようだw

先日、外資系証券会社が、8750の目標株価を発表、投資判断を"BUY(強気)"とした。
おそらく、近いうちに、8750の株価は自身の買値を上回るだろう。
なぜなら、外資系証券会社の目標株価は、自身の買値を上回っているからだ。
なお、投資はくれぐれも自己責任でお願いするw

2020年10月22日木曜日

銘柄を明かさない理由R360 疾きこと風の如く(中編)

第360話 疾きこと風の如く(中編)

大阪難波のタワーマンションの一室。
早朝、自宅兼オフィスのリビングで、1人の男がPCで相場の確認をしていた。
相場の確認をしていたのは、淀屋の初代本家第13代目当主。
"浪花の相場師"こと、ヨドヤ コウヘイだった。

なんや、ニューヨークもたいした動きなかったんやな。
暴落してから、ぱっとせん相場やで、ほんまに困ったモンや。
そのとき、PCが新しいメールの着信を知らせた。
誰からのメールかと思えば、ジツオウジはんやんけ、久しぶりやな。

ヨドヤ コウヘイは、淀屋の初代本家第13代目として生まれた。
だが、ヨドヤ コウヘイが生まれた当時、二代目本家が淀屋一族の中で勢力を誇っていた。
二代目本家の"難波の女帝"こと、ヨドヤ タエが多大なる影響力をもっていた。
お家騒動ともいえる状況を打破すべく、1人の男がヨドヤ コウヘイの元に現れた。

現れたのは、"無敗のキング"こと、ジツオウジ コウゾウだった。
大学生だったヨドヤに、ジツオウジは時には優しく、時には厳しく相場を教えた。
その後、ヨドヤは初代本家第13代目として、一族を掌握することになった。
ヨドヤが一族を掌握すると、ジツオウジとはメールでやりとりすることが多くなった。

ヨドヤは、ジツオウジからのメールを開くと読み始めた。
舞台のタイトルが"ないんどらごんあいず"やからって、どうしてん。
別に不思議でも何でもないやろうに、気にしすぎちゃうか。
けど、万が一ってこともあるさかいな、姐さんには教えとくか。

ヨドヤはスマホを手に取ると、ある番号に電話をかけた。
「朝っぱらから何の用や」、電話が繋がった瞬間、相手がいった。
「まあまあ姐さん、落ち着いてえな」、ヨドヤがいう。
「ウチはいつでも落ちついとるがな」、電話の相手、"難波の女帝"ことヨドヤ タエがいう。

「実は、"無敗のキング"って呼ばれとるジツオウジはんから、メールがきたんや。
ニューヨークで行われる舞台"ないんどらごんあいず"が、変らしいって」
「そのメールなら、ウチのとこにもきてるわ」、"難波の女帝"ことヨドヤ タエがいう。
「えっ、姐さんのとこにも、何で姐さんのとこにもきてんの」、ヨドヤが驚いて聞く。

「あんたにはいうてなかったかな、ウチとジツオウジは旧知の仲や。
ジツオウジは"最後の相場師"に指導を受けた同期で、腐れ縁の仲や。
あの男は好かんが、情報の精度は高い、今回の情報も無視できへんで」
"難波の女帝"こと、ヨドヤ タエは一方的にいうと、電話を終えた。

2020年10月21日水曜日

銘柄を明かさない理由R359 疾きこと風の如く(前編)

第359話 疾きこと風の如く(前編)

"仮面の相場師"こと、アンザイ カズマはジツオウジにメールを送信した。
都内にある重厚な門構えの木造家屋の居間。
"無敗のキング"こと、ジツオウジ コウゾウは朝食を終え、経済新聞を読んでいた。
居間のドアをノックする音がした。

ジツオウジが「入れ」というと、ドアを開けて、男性秘書が入ってきた。
「おはようございます、朝早くから申し訳ありません」、男性秘書がいう。
「構わん、用件は何だ」、ジツオウジが聞く。
「先ほど、米国にいるアンザイ様から、このようなメールが届きました」

男性秘書はプリントアウトしたメールを、ジツオウジに手渡した。
ジツオウジは経済新聞を傍らに置くと、メールを読み始めた。
男性秘書は、直立不動のまま、ジツオウジが読み終わるのを待っていた。
「確かに妙だな」、読み終えたジツオウジがつぶやいた。

「いつものメンバーに、このことを伝えろ」、ジツオウジは男性秘書に命じた。
「会長である証券会社にも、お伝えした方がよろしいでしょうか」、男性秘書がいう。
「そうだな、アルカディアの連中にも伝えておいてくれ」、ジツオウジがいう。
「かしこまりました」、男性秘書は頭を下げると、居間から退室した。

同日の午後、都内のある大学の学生寮の一室。
"21世紀少年"こと、キミシマ ユウトは、午前の講義を受けて帰ってきた。
キミシマは大学生だが、無料の株式投資セミナーを主催する個人投資家でもあった。
午後は講義がないので、次回のセミナーの準備をするため、PCを起動させた。

受信トレイに、師である"無敗のキング"こと、ジツオウジからのメールが届いていた。
珍しいな、何だろう、キミシマはメールを開くと、読み始めた。
メールを読み進めるキミシマの、メガネの奥の眼が輝き始めた。
多くの企業が協賛する謎の舞台「Nine dragon eyes(ナインドラゴンアイズ)」か。

これは調べてみる価値がありそうだな。
キミシマは、自作の解析プログラム"ペーガサス(天馬)"を起動した。
起動すると、検索ワードに「Nine dragon eyes」と打ち込んだ。
検索条件を、関連する全ての情報を検索する「高度」に設定した。

「行け、ペーガサス」、キミシマはネット世界に"ペーガサス"を放った。
不意に、キミシマは、以前、同じような検索をしたことを思い出した。
確か・・・そのときに検索したワードは・・・「クーロンズ・アイ」。
「クーロンズ・アイ」は、九龍の眼・・・「Nine dragon eyes」じゃないか。

2020年10月19日月曜日

銘柄を明かさない理由R358 怪物たちの創造主(後編)

第358話 怪物たちの創造主(後編)

ニューヨークのマンハッタンにある高級アパートメントの一室。
"仮面の相場師"こと、アンザイ カズマは、舞台俳優の傍ら、相場を張る相場師だった。
アンザイは、リビングのソファで新しい舞台の台本「Nine dragon eyes」を読み終えた。
「Nine dragon eyes」は、1960年代からのドイツを舞台にしていた。

1945年5月8日、第二次世界大戦でドイツは無条件降伏した。
同年7月、ベルリン郊外のポツダムで、戦勝国による会談が行われた。
このときのポツダム協定で、ドイツは戦勝国により分割占領されることになった。
首都ベルリンも戦勝国により、それぞれの管理地区に分割されることが決まった。

だが、戦勝国であるソ連と米英仏の対立は、深まっていった。
1948年6月24日、ソ連が、米英仏のベルリンの管理地区と西ドイツとの陸路を封鎖した。
ソ連の「ベルリン封鎖」に対し、米国は生活物資の空輸「ベルリン大空輸」で対抗した。
1949年5月12日、ソ連はベルリン封鎖を解除、「ベルリン封鎖」は失敗に終わった。

この対立で、ドイツは、ドイツ民主共和国とドイツ連邦共和国の東西ドイツに別れた。
冷戦時代に入ってから、東ベルリンから西ベルリンへの人口流出が後を絶たなかった。
危機感を抱いたソ連と東ドイツは、1961年8月13日午前0時に、西ベルリンを包囲した。
西ベルリンと東ドイツの境界線に、巨大な「ベルリンの壁」を建設した。

以後、東ベルリン市民の西ベルリンへの通行は不可能となった。
多くの人々が、家族や友人たちと、不意に引き裂かれることになった。
そして、「ベルリンの壁」を越えようとした人が、射殺されるなどの悲劇が生まれた。
「Nine dragon eyes」は、「ベルリンの壁」に翻弄された人々の物語だった。

「ベルリンの壁」を越えようとした人々と、それを支援した人々が主人公だった。
アンザイの役は、支援の中心的な役割を担った日系2世の米国軍人役だった。
アクションあり、ロマンスありの、万人受けしそうな話だと、アンザイは思った。
だが、「Nine dragon eyes」には、違和感があった。

なぜ、この物語が「Nine dragon eyes(ナインドラゴンアイズ)」なんだ。
確かに、登場人物の1人が「ナインドラゴンアイズのように!」と叫ぶ場面はある。
だが、「Nine dragon eyes」が出てくるのは、その場面だけだ。
通常なら、「ベルリンの壁」に関連したタイトルにすべきだ。

誰かが、何らかの目的で「Nine dragon eyes」のタイトルにしたとしか思えない。
「Nine dragon eyes」に、多くの企業が協賛していることも腑に落ちない。
アンザイは、テーブルにあるノートPCを引き寄せると、起動させた。
アンザイは、自分を怪物にしたジツオウジ コウゾウへ向けたメールを打ち始めた。

2020年10月18日日曜日

【エッセイ】不動産を買い続けた両親に思うこと

地方に住む自身の両親が現役だった時代は、不動産イコール資産の時代だった。
当時、不動産価格は上昇を続けており、売る時の方が高く売れる時代だった。
自身の両親は、持ち家を手に入れた後、不動産を買い続けた。
中古の戸建て、区分マンション、山奥の別荘地などなどw

数十年経った今、全ての売値が買値を下回っている。
しかも、戸建ての一部は空き家、山奥の別荘地に建物が建ったことは一度もない。
地方なので、固定資産税などは少額だが、収入がないため、完全な赤字である。
売るようにいったことがあるが、損を認めたくないのか売却する予定はないようだw

だが、このままだと、いずれ子どもたちが、これらの不動産を相続しなくてはならない。
収入の得られない不動産であっても、税金はかかるため、払い続けなくてはならない。
また、管理状態がよくなく、他人に迷惑をかけた場合、損害賠償請求されるかもしれない。
このような不動産は負の遺産であり、まさしく、負動産でしかないw

自身は区分マンションを所有している。
住宅ローンは完済しており、今は人に貸して、家賃を得ている黒字物件だ。
だが、いつか頃合いをみて売却、売却した金で株を買いたいと思っている。
なぜなら、自身の子どもには、不動産ではなく、株を残したいからであるw

2020年10月17日土曜日

【エッセイ】我が家は恵まれている家族かもしれない

先日、社会人になってから、1人暮らしをしている娘から電話があった。
話題は、お互いの近況や今後の予定などである。
娘からは、仕事や私生活の報告が大半だった。
自身は、受からないだろうと提出したエントリーシートが通過して、困っている話をしたw

娘の話の中に、奨学金を返済している友達が多いという話があった。
また、別れてはいないが、両親の仲がよくないらしい友達の話があった。
我が家はシングルインカムだが、娘に奨学金を借りさせることはなかった。
むしろ、毎年、娘名義の株を買うことで、娘の資産を作ったほどであるw

自身は10年以上、娘と2人暮らしをした。
2人暮らしすることになった原因は、嫁の体調不良である。
あいかわらず、嫁の体調は芳しくなく、同居できない状態である。
同居できなければ、喧嘩もできないため、夫婦仲がよくないということもないw

我が家は、他の家族とは異なっており、恵まれた家族ではないと思っていた。
だが、我が家は住宅ローンを完済したが、同世代でも完済できていない人は多い。
老後に2000万円以上、必要だといわれているが、我が家は準備できている。
他の家族の話を聞いていると、我が家は恵まれている家族かもしれないと思い始めたw

2020年10月16日金曜日

【エッセイ】初めて作ったエントリーシートが通過してしまった話

自身は会社員を辞めて、今は雇用保険の失業給付待ちの状態である。
失業給付を貰ったことがある方は、ご存じだろうが、貰うには条件がある。
最も大事なのは、就職や起業する意思があるかで、証拠として求職実績が求められる。
単に、求人検索するだけでは求職実績にはカウントされないw

先日、ある大手企業の求人があった。
絶対に受からないと思ったので、求職実績を作るために応募した。
履歴書を作成、短時間で初めて作ったエントリーシートと合わせて、送信した。
すると、面接と筆記試験に来るようにとの通知が来てしまったw

自身は個人事業主として生きていくので、誰かに雇用される気はない。
今さら、求職実績を作るため、応募しましたともいえない。
時間に遅れていくことも考えたが、失業給付に影響するかもしれない。
まさか、短時間で作ったエントリーシートが通過するとは思わなかったw

以前、知人から、昇格試験で絶対に合格しない方法を教えてもらったことがある。
事実、この方法で、知人は責任が重くなる管理職に昇格することはなかった。
この方法は、今回の求職活動にも応用できるので、使おうかと検討している。
その方法とは、面接は受けるが、筆記試験で氏名を書き忘れるのであるw

2020年10月15日木曜日

【エッセイ】2年後の確定申告が待ち遠しい理由

自身は会社員だったが、大家業を始めた数年前から確定申告を行っている。
確定申告では、会社員の給与と大家業での所得を合算して申告する。
大家業での経費や減価償却費など、初年度の申告はかなり時間を要した。
だが、一度、行えば、後は繰り返しの単純作業なので、そんなに時間はかからないw

自身は会社員を辞めたが、大家業の所得があるため、確定申告を行わなくてはならない。
来年は、今年の会社員給与もあるので、そこそこの所得を申告することになるだろう。
だが、2年後の確定申告で申告する所得は激減する。
所得を元に算出される国民健康保険料は、生活保護レベルの金額になるだろうw

なぜなら、今後の自身の収入のメインとなる株の配当や譲渡益の収入。
自身は、株の取引口座を、特定口座の源泉徴収ありにしている。
特定口座の源泉徴収ありにしていれば、証券会社が税金を控除して、収めてくれる。
よって、株の収入を確定申告で申告するか否かは、任意なのであるw

自身に大家業の収入がなければ、確定申告の必要はない。
ところが、大家業の収入があるため、2年後も確定申告しなくてはならない。
これだけの収入でどうやって生活してるんだと、税務署は不思議に思うかもしれない。
だが、あとで株の収入があることがわかれば、納得してくれるだろうw

2020年10月14日水曜日

銘柄を明かさない理由R357 怪物たちの創造主(中編)

第357話 怪物たちの創造主(中編)

ニューヨークのマンハッタンにある高級アパートメントの一室。
"仮面の相場師"こと、アンザイ カズマは、舞台俳優の傍ら、相場を張る相場師だった。
アンザイは、自分を相場師にした、ある男との出会いを思い返していた。
ある男とは、"無敗のキング"こと、ジツオウジ コウゾウだった。

ある日の夜、アンザイは、下北沢の路地裏に横たわって、雨に打たれていた。
身体の節々が痛むし、ぶつかった相手に殴られたのか、片方の眼は塞がっていた。
地面に横たわって見上げる世界は、今まで見たことがない世界だと、アンザイは思った。
気づくと、傘を差し、コートを着た巨躯の男が、傍に立っていた。

「夢は何だ」、コート姿の巨躯の男が、アンザイを見下ろしながら聞く。
「日本一、いや、世界一の舞台俳優になりたい」、アンザイが答える。
「なぜ、世界一の舞台俳優になりたい」
コート姿の巨躯の男、"無敗のキング"こと、ジツオウジ コウゾウが聞いた。

なぜ、世界一の舞台俳優になりたいかだと、アンザイは思った。
だが、すぐに理由が思い浮かばなかった。
若手たちから尊敬されたいからか、いや、違う。
なぜ、世界一の舞台俳優になりたいなんて、いったんだ。

黙っているアンザイに、ジツオウジがいった。
「世界一の舞台俳優になりたい理由は、金が欲しいからだ。
もし、金が欲しいのなら、ここに来い」
ジツオウジは手帳に走り書きすると、ページを破り、アンザイに渡した。

後日、アンザイは、渡されたメモの日時に、指定されたホテルの会場に行った。
そこには、様々な世代の20名ほどの男女がいた。
その中には、当時は中学生で、"21世紀少年"と呼ばれていたキミシマ ユウト。
銀座のクラブホステスで、"ウィッグの女"と呼ばれていたキサラギ ミレイなどがいた。

やがて、ジツオウジが姿を現すと、相場で勝ち続けるための講義が始まった。
その後、数ヶ月にわたって行われた講義は、経済から心理学まで多岐に及んだ。
講義が終わったとき、アンザイは相場で勝ち続ける知識を身につけていた。
おそらく、ジツオウジの講義を受けた全員が同じ知識を身につけた怪物になったはずだ。

ジツオウジからは、ときおり連絡が来ることがある。
他の者たちの消息は知らないが、おそらく、ジツオウジからの連絡は来ているだろう。
いかんな、雨の夜は、ジツオウジと出会った日のことを思い出してしまう。
アンザイは、新しい舞台の台本「Nine dragon eyes」を手に取ると、読み始めた。

2020年10月13日火曜日

【現在の株式評価額】20201013~買い増し後の最高評価額に思うこと~

Y&Kファンド(4銘柄)
・取得額合計:29,196,513円
・配当金合計:1,625,000円(配当利回り:5.57%)
・評価額合計:34,396,000円(BPS:83,448,330円)
・損益額合計:5,199,487円(損益率:18%)

Rファンド(1銘柄)
・取得額合計:1,191,522円
・配当金合計:300,000円(配当利回り:25.18%)
・評価額合計:5,131,200円(BPS:14,943,960円)
・損益額合計:3,939,678円(損益率:331%)

Mファンド(7銘柄)
・取得額合計:9,745,632円
・配当金合計:294,300円(配当利回り:3.02%)
・評価額合計:5,874,000円(BPS:14,555,204円)
・損益額合計:-3,871,632円(損益率:-40%)

Y&Kファンドの評価額が、買い増し後の最高額になっていたので記録しておく。
評価額が、買い増し後の最高額になったのは、主力株の株価上昇である。
現在のY&Kファンドの主力株は、8750 第一生命ホールディングス㈱。
8750のチャートを確認すると、短期の買いサイン"ゴールデンクロス"ができていたw

おそらく、年末へ向けて、各ファンドの評価額は増え続けるだろう。
なぜなら、各ファンドが保有するメガバンク株が、かってない割安水準のままだからだ。
各ファンドは、8306 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループを保有している。
現在の8306の配当利回りは5.85%、預金とは比べ物にならない利回りだからであるw

2020年10月12日月曜日

銘柄を明かさない理由R356 怪物たちの創造主(前編)

第356話 怪物たちの創造主(前編)

ニューヨークのマンハッタンにある高級アパートメントの一室。
"仮面の相場師"こと、アンザイ カズマはシャワーを終えた。
アンザイは、舞台で鍛えたスリムで筋肉質な身体に残った水滴を、バスタオルで拭った。
全裸の上に、高級なバスローブを羽織ると、アンザイはキッチンでカクテルを作った。

アンザイはカクテルを手に、マンハッタンの夜景を一望できるリビングのソファに座った。
カクテルを飲みながら、窓越しにマンハッタンの夜景を見ると、雨が降っていた。
街のネオンはぼやけて、色の塊にしか見えない。
アンザイは、"無敗のキング"こと、ジツオウジ コウゾウと出会った日のことを思い出した。

アンザイの家は、父親は地方都市の会社員、母親は専業主婦、弟が1人の平凡な家庭だった。
何不自由なく育てられたアンザイは、都内の大学に入学、演劇サークルに入った。
演劇サークルに入った理由は、先輩たちに美男美女が多かったという単純なものだった。
だが、その演劇サークルで、アンザイは演劇の虜(とりこ)になった。

アンザイが、演技で怒りを露(あらわ)にしたり、悲しむと、観客が感情移入してくれた。
やがて、先輩たちは演劇以外の道を選択、演劇サークルを卒業していった。
同期生の就職先が次々と決まる中、就職先が決まっていないのは、アンザイだけだった。
俺は演劇で生きていく、卒業したアンザイは、親の反対を押し切り、小さな劇団に入った。

小さな劇団だったので、すぐに役を与えられたが、劇団での収入は少なかった。
バイトで生活費を稼ぐ日々だったが、好きな演劇ができるだけで、幸せだった。
気づくと、小さな劇団で古株になっており、団長以外は年下ばかりになっていた。
ある日のこと、アンザイは、下北沢の居酒屋で、劇団の若手数人と飲んでいた。

演劇論を語るアンザイに、若手の1人が「あんたの演劇論は古いんだよ」といって笑った。
頭にきたアンザイは、自分の飲み代をテーブルに叩きつけると、居酒屋を後にした。
誰かと肩がぶつかったところまでは覚えている。
気がつけば、路地裏に横たわって、雨に打たれていた。

身体の節々が痛むし、殴られたのか片方の眼は塞がっている。
たぶん、肩がぶつかった相手に殴られたのだろう。
地面に横たわって見上げる世界は、今まで見たことがない世界だと、アンザイは思った。
気づくと、傘を差し、コートを着た巨躯の男が、傍に立っていた。

「夢は何だ」、コート姿の巨躯の男が、アンザイを見下ろしながら聞く。
「日本一、いや、世界一の舞台俳優になりたい」、アンザイが答える。
「なぜ、世界一の舞台俳優になりたい」
コート姿の巨躯の男、"無敗のキング"こと、ジツオウジ コウゾウが聞いた。

2020年10月11日日曜日

【エッセイ】口座を「貯まるくん」にする話

自身が主に利用している口座は、3口座である。
1つは、給与振込口座だった口座で、家賃や光熱費、通信費などを引き落としている。
1つは、大家業の専用口座で、家賃が振り込まれ、管理費や税金などを引き落としている。
大家業の収支はプラスで、貯まる一方のため、自身は「貯まるくん」と名づけているw

あと1つは、株の配当金専用口座で、食費などの生活費を引き出す口座である。
現在の自身の税抜き配当は、月額10万円超である。
自身は、酒やタバコを嗜むが、さすがに生活費で10万円も使うことはない。
よって、株の配当金専用口座も、口座残高が増え続ける「貯まるくん」であるw

自身は会社員を辞めたので、この先、給与が振り込まれることはない。
よって、給与振込口座の口座残高は、このままでは目減りする一方である。
家賃や光熱費、通信費などを引き落とされるので、このままでは口座残高がなくなる。
だが、自身は一向に心配していないw

株には、配当(インカムゲイン)と、譲渡益(キャピタルゲイン)がある。
自身は頻繁に売り買いしない中長期投資だが、毎年のように譲渡益を得ている。
年間の譲渡益を平均すると、年間の家賃や光熱費、通信費などを賄える額である。
自身は、給与振込口座を譲渡益専用口座にして、「貯まるくん」にしようと考えているw

2020年10月10日土曜日

【エッセイ】誰のために時間を使うか

自身は会社員を辞めて、個人投資家(個人事業主)になった。
自身は、頻繁に売り買いしない中長期投資なので、基本、ヒマである。
自身の資産は多くはないが、株の配当や家賃などの収入がある。
贅沢さえしなければ、これから先、会社員として働かなくても生活はできる予定だw

娘が社会人になるまでは、学費を稼ぐため、会社員として働いた。
言い換えれば、娘のために時間を使っていたともいえる。
だが、昨年、娘は社会人になって、自立した。
今の自身は、時間が有り余っている状態であるw

自身は女友達の伴侶がいなくなれば、近くに住むのもアリかなと思っている。
女友達の近くに住み、男友達の一人として、遊び相手になるのである。
だが、女友達は皆、伴侶が健在らしいので、近くに住むわけにもいかない。
仮に、伴侶がいなくなっても、女友達からは来ないでくれといわれるかもしれないw

自身の親は、高齢で1人暮らしをしている。
だが、近くに親戚や友達がおり、親も健康らしいので、同居の必要もないだろう。
嫁の体調は相変わらず芳しくないが、義父母が健在なので、自身は必要ないだろう。
自身はこれから先、誰のために時間を使うか、考え中であるw

2020年10月6日火曜日

【エッセイ】行政の人も大変だと思った話

自身は会社員を辞めて、個人投資家(個人事業主)になった。
自身と同じように、会社員を辞めて、個人事業主になった方はおわかりだろう。
会社員を辞めると、様々な手続きを自らがしなくてはならない。
会社の健康保険から国民健康保険への切り替え、国民年金への切り替え、などなどw

自身は、これらの手続きを終えたが、行政の人も大変だと思った。
なぜなら、新型ウイルスの影響なのか、これらの手続きで行政を訪れている人が多かった。
手続きを終えるのに、長時間の待ち時間は当たり前。
どれくらい長時間かというと、某人気テーマパークのかっての待ち時間ほどだったw

行政は、ソーシャルディスタンスにより、座席の間隔を空けたりしていた。
ところが、手続き待ちの人が多すぎるため、フロア内は見事な3密状態だった。
自身は新型ウイルスの流行が始まったときに、体調がよくなかったことがある。
翌日には回復したので免疫があると思っているが、そんな自身でもやばいと思うほどだw

順番が来ると、アクリル板越しに、担当者が対応してくれる。
彼らの説明は、一様に早口で、自身には冒頭の説明しか聞き取れないことが多かった。
以前の自身であれば、「早すぎて、何いってんのか、わかんねえよ」といっただろう。
だが、行政の人も大変だと思ったので、丁寧に聞き返すことで、手続きを終えたw

2020年10月5日月曜日

【エッセイ】退職祝いに娘にねだった物

自身は会社員を辞め、個人投資家(個人事業主)になった。
辞めた後、会社では様々な動きが起きているらしい。
たとえば、自身がいた部署の大幅増員、どうやら、自身の抜けた穴は大きかったようだ。
あと、自身の退職を止めることができなかった人が、異動になったらしいw

退職は自身の意思なので、異動になった人には申し訳なく思う。
自身は、何度か転職をしているが、ある会社では、自身が辞めた後、3人増員された。
3人増員ということは、自身は3人分の仕事をする能力があったということである。
逆にいえば、自身の3分の1の仕事しかできない社員しかいなかったということでもあるw

今回の退職にあたり、娘から退職祝いに、一緒に旅行しようといわれた。
だが、自身は出張やプライベートで、旅行を多くしており、特に行きたいところも無い。
そこで、娘に退職祝いをしてくれるなら、ある物を買ってくれといった。
買ってくれといったのは、以前、日本橋の百貨店で見かけた下記のような和服であるw

自身は着る物には拘りなく、何年も同じ服を着続けるので、女友達には呆れられている。
そんな自身が、日本橋の百貨店で気に入った和服だが、いまだに買えずにいる。
娘からは、欲しい和服が決まったら、画像を送れといわれている。
だが、欲しい和服は○十万円なので、なかなか画像を送ることができないでいるw

2020年10月4日日曜日

銘柄を明かさない理由R355 反撃の狼煙(後編)

第355話 反撃の狼煙(後編)

内海が"名のない組織"のWEBサイトに、"反撃の狼煙"について入力した数週間後。
スイスで最も美しい教会があるといわれる街。
街の外れには、スプリングベルが所有する豪邸があった。
豪邸には多くの執事がおり、彼らを取り仕切っているのが、秘書のアレックスだった。

アレックスは、ドイツのケルンで生まれ育った金髪で青い眼を持つアーリア人だった。
また、はるか昔から聖杯を守る「ケルンの騎士団」の一員でもあった。
アレックスが、スプリングベルの秘書になったのには理由があった。
「ケルンの騎士団」から、聖杯とスプリングベルを守るよう指示を受けていたからだった。

休日の夜、豪邸内にある自室で、アレックスはPCに向かっていた。
PCの受信トレイに、「ケルンの騎士団」からのメールが届いていた。
「ケルンの騎士団」は、聖杯を守るだけでなく、ドイツを守る活動も行っていた。
メールには、近日中に「ケルンの騎士団」が起こす、ある奇妙な行動が記されていた。

歴史ある「ケルンの騎士団」は、各国の組織とつながりを持っていた。
特に親しい関係にあるのは、第二次大戦の同盟国だった日本とイタリアの組織だった。
今回の行動の依頼主は、日本の組織である"名のない組織"らしかった。
この奇妙な行動の目的は何なんだろう、アレックスには目的がわからなかった。

同時刻、アメリカ合衆国ニューヨーク州を南北に走るブロードウェイ(Broadway)。
ブロードウェイのタイムズスクエア付近では、その周辺に劇場街が広がっている。
日本人舞台俳優でスリムな長髪の男は、その日の公演を終え、楽屋に戻ってきた。
男は、"仮面の相場師"こと、アンザイ カズマだった。

アンザイは"無敗のキング"ことジツオウジ コウゾウから、相場の英才教育を受けていた。
舞台俳優の収入よりも、相場での稼ぎの方が多い兼業相場師でもあった。
楽屋に戻ってきたアンザイを、マネージャーであるエリックが待っていた。
エリックは、アンザイをねぎらうと、次の作品のオファーがあったと伝えた。

エリックは、次の作品のアンザイの出演料が、過去最高額であること。
近日中に、大々的な宣伝活動が行われることを伝えた。
俺の出演料が過去最高ということは、エリックに入る金も過去最高なんだろ・・・。
嬉しそうに話すエリックを見て、アンザイは笑みを浮かべた。

「多くの企業が協賛してくれるらしい、新作らしいが成功間違いなしだ」
エリックは、次の台本をテーブルに置くと、笑いながら退室した。
多くの企業が協賛する新作って、どんな作品なんだ、アンザイは台本を手に取った。
手に取った台本のタイトルは「Nine dragon eyes(ナインドラゴンアイズ)」だった。

2020年10月3日土曜日

銘柄を明かさない理由R354 反撃の狼煙(中編)

第354話 反撃の狼煙(中編)

休日の夜、家族が寝静まった都内のマンション。
書斎部屋で、内海はPCに向かい、メールの受信トレイを確認していた。
"反撃の狼煙(のろし)"か、内海はわずかに笑みを浮かべた。
内海は、どのように劉宋明への"反撃の狼煙"をあげるべきか、思考をめぐらせた。

目には目を、歯には歯を・・・、アナログにはアナログ、だな。
内海は、受信トレイにある1通のダイレクトメールを開いた。
開いたメールは、あるファーストフード店からのダイレクトメールだった。
内容は、今だけ限定の新商品や、割引クーポンのお知らせなどだった。

一見すると、ファーストフード店からのメールに見える。
だが、メールの本文中に、内海が属する、ある組織を表す言葉があった。
組織の暗号表を使って読めば、メールから、あるWEBサイトのアドレスが解読できる。
内海は、机の引き出しから暗号表を取り出すと、複合暗号の解読に取り掛かった。

暗号の起源は古く、数千年の歴史を持つ。
戦時下においては軍事技術の一つとして発達してきた。
1900年代、エニグマ暗号機のような複雑な電気機械式の暗号が発明された。
ついで電子式機械による、より複雑な暗号機が導入された。

第二次世界大戦中、日本の外務省や海軍は、エニグマ暗号機を過信していた。
だが、コードブックの秘匿維持を怠ったため、連合国に早期に破られてしまった。
対して、陸軍は換字式暗号を併用した複合暗号を使用した。
これら複合暗号の完全な解読は終戦まで出来なかった。

ほどなく、内海は、あるWEBサイトのアドレスの解読を終えた。
内海は、WEBサイトのアドレスを打ち込むと、WEBサイトにアクセスした。
真っ白な画面の中央に、ログインIDとパスワードの入力欄があった。
内海は、ログインIDを入力すると、ENTERキーを押した

すぐに、内海のスマホにメールの着信があった。
内海が、スマホのメールを開くと、パスワードが届いていた。
内海はスマホに届いたパスワードを、WEBサイトのパスワード欄に打ち込んだ。
内海が、ENTERキーを押すと、WEBサイトの画面が切り替わった。

内海は、日本一の株屋のチーフトレーダーだが、財務省にも属している。
だが、内海には、あと一つ、属している組織があった。
組織は、年齢不詳の男"JOKER"も属している、日本を守り続けてきた"名のない組織"。
内海は"名のない組織"のWEBサイトに、"反撃の狼煙"についての入力を始めた。

【エッセイ】会社員の引き際について

自身が退職した会社の人と飲む機会があった。
退職した会社も、新型ウィルスの影響で、業績はよくないらしい。
退職した会社では、世代交代が行われているらしい。
具体的には、一定の年齢になれば、地位を剥奪する"役職定年"の導入であるw

自身がいた頃は、"役職定年"はなく、定年までに地位を剥奪されることは少なかった。
ところが、今は一定の年齢になれば、地位を剥奪、それに伴い給与も減らされるらしい。
一定の年齢になれば、管理職という立場から、管理される側にシフトする。
今まで、管理していた年下の部下に、ある日から、管理されるようになるのであるw

今回、"役職定年"になった人の中には、2通りの人がいるそうだ。
ある人は、部下を育てることを心がけていたため、今でも部下に慕われているらしい。
ある人は、部下を管理することが仕事だと思っており、部下に厳しく接していた。
その結果、かっての部下たちから無視され、誰からも相手にされない状態らしいw

自身は退職する数年前から、部下を育てることを心がけていた。
いつか、自身はいなくなる、ならば、部下を育てることが自身の役目だと思っていた。
会社員には、いつかは世代交代のとき、引き際が訪れる。
引き際に備え、部下を育てた自身のことを、部下は今でも懐かしがってくれているらしいw

2020年10月1日木曜日

銘柄を明かさない理由R353 反撃の狼煙(前編)

第353話 反撃の狼煙(前編)

休日の夜、家族が寝静まった都内のマンション。
書斎部屋で、1人の男がPCに向かい、メールの受信トレイを確認していた。
男の名は内海、日本一の株屋のチーフトレーダー。
だが、財務省にも属している日本証券界の守護者(ガーディアン)でもあった。

内海の受信トレイに、いくつかの新しいメールがあった。
新規メールの大半は、ダイレクトメールだったが、1通はダイレクトメールではなかった。
内海は、ダイレクトメールではないメールを開いた。
送信者は、"無敗のジャック"こと、ジョウシマ ユウイチだった。

先日、内海はジョウシマにあることを依頼しており、メールはその回答だった。
劉宋明(りゅうそうめい)が、何らかの方法を用いて、全市場を暴落させた。
方法がわからなかった内海は、ジョウシマに方法を調べるよう依頼していた。
メールには、劉宋明が暴落させた方法が書かれており、証拠の画像が添付されていた。

劉宋明は、自らのネットワークを用いて、各国の証券取引所にドラゴンの絵を描かせた。
描かせたドラゴンの絵は、"SELL(売れ)"という英単語で描かれていた。
カリスマトレーダーのニック・ライアンを含む各国のトレーダーは、その絵を見た。
絵を見たトレーダーたちは、無意識の内に売らされ、全市場が暴落した・・・。

内海は、ジョウシマのメールに添付されていた画像を確認した。
画像は、各国の証券取引所に黒で描かれていた9匹のドラゴンの絵だった。
9匹のドラゴンは、こちらを睨みつけており、迫力のある構図だった。
画像を拡大すると、たしかに絵は、"SELL"という英単語で描かれていた。

デジタルな情報化社会に、あえてアナログな手段を使った訳か、内海は思った。
米国にある証券取引を監督・監視する証券取引委員会(SEC)。
今回の暴落後、SECを含む各国機関は、暴落の原因を調査したが、いまだに掴めていない。
このようなアナログな手段では、どこの機関もわからないはずだ。

ジョウシマからのメールの最後には、あるお願いが書いてあった。
今回の真相を突き止めたのは、ジョウシマではないこと。
突き止めたのは、"無敗のクイーン"と呼ばれる女性で、彼女にお礼をしたいこと。
"反撃の狼煙(のろし)"があがったら、知らせて欲しいという内容だった。

"反撃の狼煙"か、内海はわずかに笑みを浮かべた。
内海は、どのように劉宋明への"反撃の狼煙"をあげるべきか、思考をめぐらせた。
目には目を、歯には歯を・・・、アナログにはアナログ、だな。
内海は、受信トレイにある1通のダイレクトメールを開いた。