2020年3月31日火曜日

銘柄を明かさない理由R316 Drive to hell(中編)

銘柄を明かさない理由R316 Drive to hell(中編)

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ。
個人投資家の男は、男性社員を逃走用車両から引きずりおろすと人質の女性にいった。
「さあ、地獄へのドライブを始めようか」
個人投資家の男は運転席に乗り込むと、逃走用車両を発進させた。

証券会社から離れた車道には、1台の大型トレーラーが停車していた。
外から見ると、どこにでもある貨物用の大型トレーラーだった。
だが、内部は電子機器で埋め尽くされ、武装した数人の男たちがいた。
連邦捜査局(FBI)の特殊部隊"SWAT"の指揮官、コスナーに声が聞こえた。

「SR(犯人は逃走開始)」
スピーカーから、証券会社近くのビルの屋上にいるローランドの声が聞こえた。
チーム"ベータ"のリーダー、ローランドは続けていった。
「AS(シミュレーションどおり)、あとは任せた、チーム"アルファ"」

人質の女性警官を乗せた逃走用車両、白のセダンはシカゴの街中を疾走していた。
主要な幹線道路は、警官隊により一般車両は入れなくなっていた。
運転する男、マーフィーは暴落相場で多額の損失を出した個人投資家だった。
自暴自棄になったマーフィーに、失うものは何もなかった。

マーフィーは、従業員数人の小さな町工場を経営していた。
ある日、マーフィーは取引先の銀行に、設備投資のための追加融資を頼んだ。
取引先の銀行の担当者は、マーフィーにある提案をしてきた。
追加融資をするが、一部を運用に回してはどうかという提案だった。

マーフィーは生まれてから、今まで運用をしたことがなかった。
損をしないのか、と聞くマーフィーに、取引先の銀行の担当者は答えた。
「もし、あなたが損をしたら、当行は貸し付けた資金を回収できなくなります。
当行の取引先である証券会社の優秀な担当をご紹介するので、ご安心ください」

取引先の銀行から紹介された証券会社の担当は、カルヴィンという若い男だった。
真面目そうなカルヴィンを気に入ったマーフィーは、彼に勧められた銘柄を購入した。
購入した銘柄は、数ヶ月で大幅に株価が値上りした。
「売りましょう」、株価の値上りを喜んでいたマーフィーに、カルヴィンはいった。

なぜ、と問うマーフィーに、カルヴィンは「利益が出ているからですよ」といった。
カルヴィンの指示通りに売ったマーフィーは、思いがけない利益を得ることになった。
マーフィーが売ったあと、企業にバッドニュースが出て、株価は下がり続けた。
「売って正解だったでしょう」、カルヴィンは笑みを浮かべるといった。

2020年3月30日月曜日

銘柄を明かさない理由R315 Drive to hell(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
主要登場人物は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。
無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。

無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
無敗の大物相場師キング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
通称"天使の笑顔をもつ男"、無敗の若き相場師エース(A)こと、アマネ オトヤ。
「銘柄を明かさない理由R」も暴落相場の真っ最中だが、実相場はそれ以上である。

「ベイビーワールドエンド編」で、主要な役割を演じた英国人女性のエイダ・ラブレス。
彼女の父親で詩人のバイロンは、現在の状況を予言するような言葉を残している。
彼が残した言葉とは、「事実は小説より奇なり」。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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銘柄を明かさない理由R315 Drive to hell(前編)

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ。
平日の午後、証券会社から離れた車道に、1台の大型トレーラーが停車していた。
外から見ると、どこにでもある貨物用の大型トレーラーだった。
だが、内部は電子機器で埋め尽くされ、武装した数人の男たちがいた。

連邦捜査局(FBI)の特殊部隊"SWAT"の指揮官、コスナーがマイクに向かっていう。
「こちらはコスナーだ、犯人の様子を知らせろ」
「GP&LA(犯人は人質の頭に銃を突きつけて、外の様子を伺っています)」
スピーカーから、証券会社近くのビルの屋上にいるローランドの声が聞こえた。

「狙撃は可能か」、コスナーが聞く。
「AP(いつでも可能です)」、ローランドがいう。
コスナーは、ローランドが見ている風景が映し出されているモニターを見た。
モニターには、犯人が立て篭もっている証券会社のビルが映っていた。

今朝早く、暴落相場で多額の損失を出した個人投資家が、証券会社に乗り込んだ。
証券会社の素気ない対応に、多額の損失を出した個人投資家はぶち切れた。
ぶち切れた個人投資家は、持っていた銃を担当者に向け、発砲した。
担当者は撃たれたが、急所は外れていたようで、まだ生きているらしい。

発砲した個人投資家は、他の男性社員を人質にすると立て篭もった。
投降するよう説得を試みる警察に、発砲した個人投資家は要求を出した。
発砲した個人投資家の要求は、逃走用の車両と新たな人質の女性だった。
モニターには、新たな人質の女性警官を乗せた逃走用の車両が映っていた。

逃走用の車両は、ゆっくりと証券会社の前に向かっていた。
やがて、逃走用の車両は証券会社の前に停車、運転手は遠くへ逃げていった。
しばらくすると、証券会社のドアが開いた。
男性社員の頭に銃を突きつけた個人投資家が現れた。

逃走用の車両の後部座席には、新たな人質の女性警官がいた。
個人投資家の男は、男性社員に手錠を渡すと、女性警官を拘束するよう命じた。
個人投資家から渡された手錠を、男性社員は女性警官の後ろ手にかけた。
「まだだ」、個人投資家の男は男性社員に、用意していたロープを渡した。

男性社員は女性警官にロープを回し、上半身の身動きが取れないようにした。
「ご苦労さん」、個人投資家の男はいうと、男性社員を背後から撃った。
個人投資家の男は、男性社員を逃走用車両から引きずりおろすと、女性警官にいった。
「さあ、地獄へのドライブを始めようか」

2020年3月29日日曜日

【エッセイ】買い占めする高齢者は学習能力がないのかもしれない

あまり、時事ネタは書きたくないのだが、思うところがあるので書いてみる。
先週、いくつかの都府県で、自治体から外出自粛要請があった。
一昨日、仕事帰りにスーパーに立ち寄ると、食品や日用品が品薄だった。
しかも、ある高齢女性が、1人では抱えきれないほどの食品や日用品を買っていたw

店員は、その高齢女性のレジを打ち終えるのに、かなり時間を要していた。
他の店員が、数人の買い物客のレジを打ち終えるのと、ほぼ同程度の時間だった。
金を支払った高齢女性は、自転車の荷台に大量のレジ袋を載せた。
重そうな荷台の自転車に乗り、高齢女性はふらふらしながら、スーパーを後にしたw

新型ウイルスで、食品や日用品の買い占めがあったのは、先月のことである。
食品はすぐに補充され、日用品も店頭で見かけるようになった。
店頭で見かけるようになってから、自身は食品や日用品の買い置き分を購入している。
もちろん、必要な買い置き分しか、購入していないw

昨日、同じスーパーに食品を買いにいった。
店内の客はまばらで、店員は空になった食品や日用品を補充していた。
下の画像は、昨日、自身が買った食品と日用品の買い置きである。
買い占めする高齢者に、学習能力がないことだけは確かだろうw

2020年3月28日土曜日

【コラム】個人投資家の10人に1人しか利益を上げることができないらしい

野村證券株式会社に、「ノムラ個人投資家サーベイ」がある。
2015年10月号で、個人投資家1000人を対象とした投資動向調査を行っている。
通算で利益あるいは含み益となっている個人投資家は、全体の9.3%。
29.1%が損得ゼロ、損失あるいは含み損が61.6%だったことが判明しているw

日本の個人投資家で利益を上げているのは、全体の約10人に1人に過ぎない。
米国における調査では、利益を上げていた割合は11.5%。
18.5%が損得ゼロ、、残りの70%の投資家は損失を出していたらしい。
日本と同じく、米国も利益を上げる個人投資家の割合は約10人に1人に過ぎないようだw

日米とも、個人投資家の10人に1人しか利益を上げることができていない。
ウォール街には「Buy low,Sell high(安く買って、高く売れ)」という相場格言がある。
安く買って、高く売ることができる個人投資家は、約10人に1人ということになる。
中学生でもわかることが、なぜ、オトナである個人投資家の9割ができないのかw

はっきりいって、暴落相場の大底で全力買いできる個人投資家はいないだろう。
自身からすると、買ったときよりも高く売ることは、比較的、容易である。
かたや、安く買うためには、合理的な投資手法と経験が必要になる。
だが、無限ナンピン等を用いれば、安く買うことは、比較的、容易にできるのであるw

2020年3月27日金曜日

【現在の株式評価額】20200327~今後の相場が楽しみな理由~

Yファンド&Kファンド株式(特定預り)
・取得額合計:26,987,000円
・評価額合計:30,660,500円
・損益額合計:3,673,500円(損益率14%)
・保有銘柄数:5銘柄

Rファンド株式(特定預り)
・取得額合計:1,186,908円
・評価額合計:4,500,000円
・損益額合計:3,313,092円(損益率279%)
・保有銘柄数:1銘柄

Mファンド株式(特定預り)
・取得額合計:9,745,632円
・評価額合計:6,230,700円
・損益額合計:-3,514,932円(損益率-36%)
・保有銘柄数:7銘柄

3月配当権利落ち日、この日に株を保有していることが配当をゲットする条件になる。
3ファンドが保有する株の大半は、3月配当である。
本日、各ファンドが保有する株の株価が上昇した。
しかしながら、予想通り、たいした上昇ではなかったw

おそらく、来週から短期筋が売るため、相場は下落するだろう。
だが、自身にとっては想定内で、暴落してから、Rファンド以外は株を買っていない。
むしろ、長期にわたって、相場が底値で推移して欲しいと思っている。
なぜなら、下落している期間が長ければ長いほど、多くの割安株を仕込めるからだw

2020年3月26日木曜日

【現在の株式評価額】20200326~現在の株価の上昇は想定内~

Yファンド&Kファンド株式(特定預り)
・取得額合計:26,987,000円
・評価額合計:30,051,000円
・損益額合計:3,064,000円(損益率11%)
・保有銘柄数:5銘柄

Rファンド株式(特定預り)
・取得額合計:1,186,908円
・評価額合計:4,392,000円
・損益額合計:3,205,092円(損益率270%)
・保有銘柄数:1銘柄

Mファンド株式(特定預り)
・取得額合計:9,745,632円
・評価額合計:6,074,800円
・損益額合計:-3,670,832円(損益率-38%)
・保有銘柄数:7銘柄

昨日、各ファンドが保有する株の株価が大幅に上昇した。
今年初の200万円を軽く超える上昇だった。
株を教えている一期生と二期生に伝えたことがある。
暴落相場の大底が来るのは、4月以降だよとw

3月の配当権利落ち日まで、高配当株の株価はある程度、騰がるだろう。
だが、配当権利落ち日が過ぎれば、再び、株価は下がると見ている。
なぜなら、新型ウイルスへの恐怖が、クライマックスに達していないからだ。
4月以降に大底が訪れるのか、自身は冷静に観察中であるw

2020年3月24日火曜日

【投資手法】株を大底で買う方法

株を買っていない人は、相場がどれだけ変動しようが何とも思わない。
どれだけ、株価が騰がろうが、下がろうが、その人には何ら影響がないからだ。
ところが、株を買っている人は落ち着いてはいられない。
株価が騰がれば含み益を嬉しく思い、株価が下がれば含み損に意気消沈するw

個人投資家にとって、最も注意すべき局面は、保有株の株価が下がったときだ。
多くの個人投資家は、日々、増え続ける含み損に恐怖を覚える。
これ以上、株価が下がったら、含み損が○○○円になる。
結果、含み損が○○○円になる前に、損切りしようという考えに陥ることになるw

中には、ここぞとばかりに買い向かう個人投資家も少なからずいる。
彼らは、買ったときより、これだけ下がったら買うと決めている。
だが、彼らの決め事には、明確な基準がないことが多い。
明確な基準がない彼らが買った株は、さらに株価が下がり続けることが多いw

株を大底で買いたいなら、「○○○円下がっても買わない」と決めることである。
当然ながら、決めていた株価まで下がっても、買いたいとは思わない。
むしろ「ここまで下がったんだ、次は○○○円下がっても買わない」と欲が出る。
やがて、株価が下がらなくなるときがくる、その時こそが大底で買いのときであるw

【現在の株式評価額】20200324~100万円超の騰げで含み益奪還~

Yファンド&Kファンド株式(特定預り)
・取得額合計:26,987,000円
・評価額合計:28,451,000円
・損益額合計:1,464,000円(損益率5%)
・保有銘柄数:5銘柄

Rファンド株式(特定預り)
・取得額合計:1,186,908円
・評価額合計:4,209,000円
・損益額合計:3,022,092円(損益率255%)
・保有銘柄数:1銘柄

Mファンド株式(特定預り)
・取得額合計:9,745,632円
・評価額合計:5,788,900円
・損益額合計:-3,956,732円(損益率-41%)
・保有銘柄数:7銘柄

本日、Yファンドが保有する株の株価が大幅に上昇した。
今年初の100万円を軽く超える上昇だった。
100万円を軽く超える上昇で、含み損だったYファンドは含み益に転じた。
ちなみに、大半がタダ株のRファンドは暴落相場でも、常に含み益であるw

本来であれば、この局面で保有株の買い増しをする人が大半だろう。
だが、自身はこの局面で買い増しする気はさらさらない。
なぜなら、すでに今年のトレードプランを決めているからだ。
自身は、監視中の2銘柄の株価が底を打つのは、まだ先だと見ているw

2020年3月23日月曜日

【コラム】政策に売りなしを実感している話

「政策に売りなし」という相場格言がある。
国の政策に関連した業種や銘柄は、値上がりしやすいという意味らしい。
ならば、逆も真なりで、「反政策は売りあり」となる。
あまり、時事ネタは書きたくないのだが、思うところがあるので書いてみるw

昨年、国が携帯電話各社に、携帯料金の引下げを要請した。
ところが携帯電話各社は、真剣に引下げに取り組もうとしなかった。
見かけだけ安くした料金プランに、国は呆れ果てた。
某長官は「なめているのか」といったとか、いわなかったとからしいw

先日から始まった暴落相場で、某携帯電話会社の株価が暴落している。
あまりの暴落っぷりに、巷の話題を集めている。
国は株価対策として、ETFの買い入れ額を倍にしたらしい。
少し考えればわかるが、国がいうことを聞かなかった企業の株を買う訳がないw

某携帯電話会社は、急遽、自社株買いを発表、株価はストップ高となった。
だが、株の定価はBPSといい、1株当たりの純資産である。
自社株買いで純資産を減らせば、株の定価が下がるだけである。
国の政策に歯向かった某携帯電話会社に、明るい未来はないと見ているw

2020年3月22日日曜日

【コラム】暴落相場でも冷静に対処できる理由

新型ウイルスが発端となり起こった今回の暴落相場。
自身は、リーマン・ショックを上回る暴落になると見ている。
事実、自身の一日あたりの評価額も、過去最高額の下げ幅を記録した。
証券会社の画面に表示される損益額も、今まで見たことがないマイナスであるw

これだけの暴落相場の最中にも関わらず、自身は比較的、冷静でいられる。
なぜなら、自身は、恐怖と欲望をコントロールできるからである。
"The market is driven by fear and greed(市場は恐怖と欲望によって動かされる)"
上記はウォール街の相場格言だが、市場を動かすのは、恐怖と欲望だけなのであるw

つまり、恐怖と欲望をコントロールすることで、暴落相場でも冷静にいられるのである。
大多数の人は、天井で恐怖より欲望が勝り、底で欲望より恐怖が勝る。
そのため、株を高く買って安く売るという、あり得ない行動をする羽目になる。
株を安く買って高く売るには、天井で恐怖が勝り、底で欲望が勝らなくてはならないw

リーマン・ショック前の2008年9月12日、日経平均終値は12,214円だった。
ところが、1ヶ月半後の10月28日に、一時6,000円台(6,994.90円)まで暴落した。
今回の暴落相場は、2月24日から始まったので、大底は早くて4月中旬だろう。
自身は大底が来るまで、欲望が恐怖を上回らないようコントロールする所存だw

2020年3月20日金曜日

【エッセイ】Rファンド保有株数10,000株達成

自身は、娘が大学生になった5年前から、娘の資産を運用している。
運用を始めたきっかけは、娘がバイトで服代や交際費を稼ぐようになったからだ。
本来なら、学生の服代や交際費は、親である自身が負担しなければならない。
娘の取引口座「Rファンド」を開設、毎年100万円を投じて、娘名義の株を買い続けたw

8306 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ、1銘柄への集中投資である。
2015年は1,300株購入、2016年は2,200株買い増し、2017年は1,500株買い増し。
年末に1,000株売却、2018年は1,500株買い増し、2019年は1,700株を買い増した。
今年は1,800株を買い増し、先日までの保有株数は9,000株w

もう今年は買わない予定だったが、愚かな外国人投資家の売りにより、株価が下がった。
自身の株式投資歴15年における最安値となったので、買うことにした。
昨日、@386円で1,000株購入、保有株数を10,000株にした。
8306の株の定価(BPS)は1299.92円なので、定価の3割ほどで買ったことになるw

購入理由だが、暴落相場が大底だと、判断したからではない。
単なる配当狙いで、Rファンドの年間配当を税込250,000円にしたかったのである。
Rファンドの大半はタダ株なので、平均取得単価は89円から119円となった。
平均取得単価が高くなったが、高値掴みでないことを願っているw

2020年3月18日水曜日

銘柄を明かさない理由R314 RED & BLACK(後編)

第314話 RED & BLACK(後編)

上海市の南京路沿いにある高級ホテルの1室。
高級ホテルの1室には、若い2人の男女がいた。
「日本語の家庭教師になれって、無茶ぶりすぎるだろ」、若い男がいう。
若い男は、無敗の相場師エースこと、アマネ オトヤだった。

「無茶ぶりかもしれないけど、約束しちゃったんだから、今さら断れないわよ」
同じく無敗の相場師である"ウィッグの女"こと、キサラギ ミレイがいう。
「確かに、あらゆる手をつかって、"BABY"のことを調べてくれと頼んだ。
でも、どうして家庭教師をしなくちゃいけないんだ」、アマネ オトヤがいう。

「確かにそうね。順を追って説明するわ。
"BABY"のことを調べるため、上海のラウンジで働き始めたの。
ラウンジといっても、会員制の高級ラウンジよ。
そのラウンジで、興味深い男と知り合ったの」、キサラギ ミレイがいう。

「興味深い男って、"BABY"に関係ある男か」、アマネ オトヤがいう。
「話を聞いてよ、興味深い男の名は、劉宋明(りゅうそうめい)。
噂では、アジアの金融政策に多大なる影響力を持っているらしいわ。
彼なら、上海の"BABY"についても把握しているはずよ」、キサラギ ミレイがいう。

「なぜ、家庭教師をしなくちゃならないんだよ」、アマネ オトヤがいう。
「劉はアジアの金融政策に影響力を持つ男らしいけど、詳しいことはわかっていない。
劉の家庭に入り込むことができれば、家族から劉宋明の情報が収集できるでしょ」
キサラギ ミレイが笑いながらいう。

「劉の娘に、日本語を教えることはできるかもしれない。
だが、娘からどうやって情報を収集すればいいんだ」、アマネ オトヤがいう。
「劉の娘は学生なので、おそらくだけど、娘から情報収集はできないわ。
情報収集できるとしたら娘の母親、彼の結婚相手からよ。

劉の結婚相手は、バツイチのフランス国籍の女性で、前の夫との間に娘がいた。
彼女の名はレナール、娘の名はマチルダらしいわ」、キサラギ ミレイがいう。
「その名前、何かの小説で読んだことがあるんだけど」、アマネ オトヤがいう。
「さすがね、スタンダールの『赤と黒』に登場する女性たちと同じ名前よ。

『赤と黒』の主人公、ジュリヤン・ソレルは、2人と恋愛関係になる。
だからといって、あなたがジュリヤン・ソレルってワケじゃないからね。
もし、『赤と黒』と同じような展開になったら、承知しないわよ」
キサラギ ミレイは、ぞっとするような妖艶な笑みを浮かべた。

【エッセイ】Rファンド緊急会見

こちらは、Rファンド緊急会見の会場です。
Rファンドは、Y氏が毎年100万円ずつ追加投資し運用しているファンドです。
当初は子どもファンドとして運用、現在はイニシャルからRファンドとしています。
現在までの運用実績について、あらためて振り返ってみたいと思います。

2015年に8306 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループを1,300株購入、運用を開始。
2016年は2,200株買い増し、2017年は1,500株買い増し、年末に1,000株売却。
2018年は1,500株買い増し、2019年は1,700株を買い増し。
今年は1,800株を買い増し、現在の保有は9,000株です。

本日、Y氏からRファンド緊急会見の連絡がありました。
ただし、無観客でインターネットでの配信です。
ああーっと、今、ゴールドのド派手なスーツを着たY氏が現れました。
Y氏は鳥のくちばしのようなマスクを着用していますが、マスクまでゴールドです。

Y氏が、おもむろにスクリーンを指差しました。
スクリーンにスライドが映し出されました・・・えっ・・・。
「犬も歩けば棒に当たる」

スライドを見たY氏、慌てて舞台の袖に走っていきました。
どうやら、スライドを間違えていたようです。
いったい、何に使っているスライドなのか、気になるところです。
再び、Y氏が現れると、スライドが切り替わり、書いてあるのは・・・。
「Rファンド、1,000株買い増し決定」

な、なんと、Rファンド開始以来、初めての1年で2回目の買いです。
1,000株買い増しすれば、9,000株が10,000株になります。
Y氏は、今が暴落相場の底だと読んだのでしょうか。
Y氏がスクリーンを指差し、スライドが切り替わりました、書いてあるのは・・・。
「購入理由:配当計算が楽だからw」

2020年3月17日火曜日

銘柄を明かさない理由R313 RED & BLACK(中編)

第313話 RED & BLACK(中編)

南京路は、中華人民共和国上海市を通る道路で、沿線は繁華街として知られる。
現在の南京路は、南京東路と南京西路に分けられている。
東部に当たる南京東路は、黄浦区を外灘から上海人民公園まで走っている。
また、西部に当たる南京西路は、人民公園から静安区へ続いている。

南京東路は特に商業の発達した地域になっている。
東端はバンドの中心から始まっており、平和ホテルが有名である。
更に西には、南京路歩行者天国が広がっている。
歩行者天国と南京東路は、上海競馬場があった上海人民中央公園で終わっている。

公園を越えて西には、上海で最も古いホテル群が並び、パークホテルもこの中にある。
南京西路はここから始まり、高級商店やオフィスビルが立ち並んでいる。
過去には大きな邸宅や団地があったが、現在これらは政府により取り壊されている。
南京路は世界最長のショッピングモールであり、一日100万人もの人が訪れるという。

南京路の沿線にある高級ホテルの最上階にあるラウンジ。
最上階のラウンジは会員制で、限られた法人や個人しか利用することができなかった。
陽が落ちてから、ラウンジのドアが開き、劉宋明(りゅうそうめい)が姿を見せた。
「いらっしゃいませ、劉様」、黒服のボーイがうやうやしく頭を下げた。

劉は着ていたコートを、黒服のボーイに預けると、VIPルームへ向かった。
劉はVIPルームのドアを開けて、指定席になっているソファに座った。
ソファに座った途端、数名の艶やかな女性たちが現れた。
「いらっしゃいませ、劉様」、女性たちは劉の周りに座り、接待を始めた。

「ミレイはどうした」、不機嫌そうに劉がいう。
「ミレイさんは他のお客様を接客中です、すぐに来ますから。
劉様は、本当にミレイさんがお気に入りなんですね、嫉妬しちゃうわ」
接待していた女性の1人、リンが笑いながらいう。

しばらくすると、ノックの音がし、VIPルームのドアが開いた。
開いたドアの向こうには、黒服のボーイにエスコートされた1人の女性がいた。
「いらっしゃいませ、劉様、今日はお早いお越しだったんですね」
黒服のボーイにエスコートされた女性、ミレイが笑みを浮かべていった。

2時間後、劉は上機嫌で支払いを終えると、ラウンジを出た。
「娘の家庭教師の件、くれぐれも頼んだぞ」、見送りに出たミレイに、劉がいった。
「お嬢様の家庭教師をご紹介する件、かしこまりました」
無敗の相場師である"ウィッグの女"こと、キサラギ ミレイは妖艶な笑みを浮かべた。

2020年3月16日月曜日

銘柄を明かさない理由R312 RED & BLACK(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
主要登場人物は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。
無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。

無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
無敗の大物相場師キング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
通称"天使の笑顔をもつ男"、無敗の若き相場師エース(A)こと、アマネ オトヤ。
無敗の若き相場師エースこと、アマネ オトヤはイケメンの設定である。

イケメンではない自身は、イケメンの思考がわからない。
したがって、世間のイケメンとは異なる思考かもしれない。
だが、世間のイケメンと異なるイケメンがいても、自身はアリだと思っている。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第312話 RED & BLACK(前編)

米国のカリスマトレーダー、ニック・ライアン。
ニックの全面売りにより、NYダウは暴落、各国の株式市場も暴落した。
暴落後、各国の株式市場は大幅な下落と小幅の上昇を繰り返しながら、下げ続けていた。
ブラックマンデー以来の暴落相場、終わりが始まっていた。

ジョウシマ ユウイチは、無敗の個人投資家だった。
取引口座のある証券会社では、"無敗のジャック"と呼ばれている男だった。
ある日のこと、仕事帰りのジョウシマは、日本橋にある定食屋に向かっていた。
ジョウシマは定食屋ののれんをくぐり、引き戸を引いて中に入った。

「いらっしゃいませ」、厨房から女性店主の声が聞こえた。
暴落相場が始まっていたが、定食屋の客の入りは、いつもと変らなかった。
ジョウシマは空いているテーブルのイスに座り、テレビを見ていた。
やがて、女性店主が注文を取りに来た。

「誰かと思えば、久しぶりじゃない」、女性店主が笑いながらいう。
「久しぶり、"いつものやつ"を頼むよ」、ジョウシマも笑いながらいう。
やがて、女性店主が、ジョウシマの"いつものやつ"を運んできた。
"いつものやつ"は、焼酎のロックと小鉢料理数品の"晩酌セット"だった。

「ありがとう」、ジョウシマは女性店主にいうと、静かに飲み始めた。
この暴落相場は、リーマン・ショック以上の暴落相場だ。
幸いなことに、リーマン・ショックのときより備えはできており、負けることはない。
だが、どうすれば最も効率よく勝てるかだ、ジョウシマは考えをめぐらせた。

やがて、店内も落ち着いたのか、女性店主がジョウシマのテーブルにやってきた。
女性店主はジョウシマの向かいのイスに座ると、話しかけてきた。
「難しい顔して考え事して~、株が下がって困っているんでしょう。
いったい、どれくらい下がっているの」、女性店主が笑いながらいう。

「そうだな、この店の売上げ分くらい下がっているかな」、ジョウシマがいう。
「この店の売上げ分くらいなら、たいしたことないじゃない。
この店の1日の売上げは数万円、月の売上げでも数十万よ」、女性店主がいう。
「この店の数年分の売上げくらい下がっているよ」、ジョウシマが笑いながらいう。

「そんなに・・・、あの子の株も下がっているのかしら」、女性店主がいう。
「あの子って」、ジョウシマがいう。
「あなたがよく連れてきてた、天使のような笑顔のイケメンよ」、女性店主がいう。
「ああ、上海にいるアマネ オトヤか、彼はどうだろうな」、ジョウシマがいう。

【エッセイ】ナイフの落下中に買い向かう外国人投資家の愚かさ

ウォール街の相場格言に、"Don’t catch a falling knife"がある。
直訳すると、"落ちるナイフはつかむな"。
暴落時の投資は、どんなに割安な銘柄でもナイフが床に落ちるのを確認せよ。
つまり、底を打ったのを確認してから投資すべきという意味であるw

新型ウイルスをきっかけとした暴落相場の真っ最中である。
リーマン・ショックもそうだったが、暴落相場には特徴がある。
大幅に下がったかと思えば、ときおり騰がる。
大幅な下落と、小幅の上昇を繰り返しながら、下げ続けるのであるw

今回の暴落相場では、東京証券取引所も、大幅な下落と小幅の上昇を繰り返している。
東京証券取引所の半数以上は、外国人投資家らしい。
大幅な下落と小幅の上昇の原因の大半は、彼らの行動が原因だろう。
自身からいわせると、彼らは目先のことしか考えていないのではないかと思うw

今回の暴落相場は、新型ウイルスへの人々の恐怖がきっかけである。
新型ウイルスは中国から始まり、アジア圏が中心地だった。
現在、欧州に中心が移っているが、米国に中心が移るのは時間の問題だろう。
今後のことを考えずに、右往左往する外国人投資家は、愚かとしかいいようがないw

2020年3月15日日曜日

【今後の戦略】暴落相場でも変らない「黄金のサイクル」

新型ウイルスをきっかけに、暴落相場が始まった。
先日の日経平均株価は、30年ぶりの下げ幅だったらしい。
自身の株式投資歴は15年なので、初めて経験する下げ幅である。
証券会社の画面はマイナスだが、今までの譲渡益や配当益を考えると、余裕でプラスだw

いい機会なので、今後の戦略について書いてみる。
結論からいうと、今までと同じく「黄金のサイクル」を回し続ける。
自身は配当で生活費を賄っており、給与振込口座から金を引き出すことがない。
賞与は全額、月給は半額以上、貯蓄できているw

これらの金を使って、保有株の株数を増やし続ける。
すると、配当が増えるので、さらに保有株の株数を増やすことができる。
つまり、自身の勤務先と投資先の企業が倒産しない限り、回り続けるプラスの循環。
すなわち、無敵の「黄金のサイクル」であるw

自身の勤務先にも、新型ウイルスの影響はあるだろうが、軽微だとみている。
投資先の企業は5社あるが、影響の大きい2社の株はタダ株なので、永遠にプラスである。
自身の定年はまだまだ先だが、定年を迎えたときの保有株数は見当がつかない。
なぜなら、これまで当初の予測以上に、保有株数が増え続けているからだw

2020年3月14日土曜日

【コラム】新型ウイルスは神の摂理かもしれない

新型ウイルスが、日常生活に多大なる影響を及ぼしている。
自身の周りでも、マスクやトイレットペーパーなどが店頭から消えた。
だが、自身は新型ウイルスに対する反応は、ちと過剰ではないかと思っている。
新型ウイルスに対して、あまりにも過剰すぎる反応に思えてならないw

自身は、あらゆることを自粛する風潮は、高齢者の過剰反応ではないかと思っている。
新型ウイルスは、高齢者の致死率は高いが、現役世代の致死率は低いらしい。
現役世代は感染しても、入院することで、ほとんどが回復するらしい。
高齢者は現役世代より免疫力が低いので、致死率が高いのは当たり前であるw

いくら対策しても、この世から新型ウイルスがなくなることはない。
所詮、人類は新型ウイルスと共存していかなくてはならないのである。
「摂理」という言葉を、ご存知だろうか。
意味は、創造主である神による、被創造物(人間)への計画・配慮らしいw

今の日本は、いわずと知れた高齢化社会である。
現役世代より高齢者の人口がはるかに多い、いびつな人口構成になっている。
大勢の高齢者の社会保障を、高齢者より少ない現役世代が負担させられている。
新型ウイルスは、人口構成を自然な形に戻すための、神の摂理かもしれないw

2020年3月13日金曜日

【エッセイ】暴落相場で個人投資家が考えるべきこと

暴落相場になると、慌てて損切りする人がいる。
中には、ここが買い時とばかりに買い向かう人がいる。
これらの行動には、何ら根拠のないことが多い。
まさしく、恐怖と欲望の趣くままに動いているだけであるw

証券会社の取引画面には、現在、保有する株の買値と現在の株価しか反映されない。
株には、キャピタルゲイン(譲渡益)とインカムゲイン(配当益)がある。
当たり前だが、証券会社の取引画面には、これらの利益は反映されない。
つまり、利益を得ているにも関わらず、取引画面の損益だけで行動しているのであるw

仮に、取引画面の含み損が、今までに得た利益を上回っていたとしよう。
その場合、倒産しない企業の株であれば、何ら心配することはない。
株には定価であるBPS(1株当たり純資産)という指標がある。
暴落しても、いずれ株価はBPSに近づいていくし、優良企業であればBPSは増え続けるw

暴落時の買いについても、ルールを決めずに買い向かう人が多い。
自分が安いと思ったから買う等、何ら根拠のない思い込みで買い向かう人が多い。
資金が有り余っているなら、そんな買い方もアリかもしれない。
だが、半値になるたび同数を買い増す、"無限ナンピン"の方がはるかに効率がよいw

2020年3月12日木曜日

銘柄を明かさない理由R311 暴落のクーロンズ・アイ(後編)

第311話 暴落のクーロンズ・アイ(後編)

東京都中央区の日本橋近くの証券会社では、緊急の役員会が開かれていた。
「ニックは、すでにSEC(米国証券取引委員会)に拘束されたようです。
ただ、ひとつだけ、気になる情報があります。
SECがニックの勤務先を訪れた時、ニックは気を失っていたそうです」、大川がいう。

報告を受けた事実上の最高責任者である、ムラノ キョウスケは静かに目を閉じた。
静かに目を閉じたムラノを、役員たちは固唾をのんで見ていた。
会議室の中には、緊張した雰囲気が漂っていた。
緊張した雰囲気が永遠に続くかと思われたとき、ムラノが目を開けた。

「あらゆる可能性を考えとった。
考えた結果、今回の暴落は1人のトレーダーの仕業やあらへん。
ニックちゅう奴が売らされた原因があるはずや、徹底的に調査するんや。
あと、ウチの資産運用やけど、絶対に損失は出すなよ」、ムラノがいう。

代表執行役社長グループCEO、大川が笑みを浮かべていう。
「今回の暴落の原因を調査する件、承知しました。
当社が損失を出さない件ですが、ご心配はご無用です。
当社のチーフトレーダーである内海は、業界内で名の知れた百戦錬磨のトレーダーです」

昨夜のNYダウの暴落を受けて始まった、東京証券取引所の取引は暴落で終わった。
都内のある証券会社で、自社の資産運用を手がけている部署"アルカディア"。
"アルカディア"には、責任者のクジョウ レイコとテンマ リナがいた。
結局、クジョウはメンバーに売買の指示を出すことなく、取引時間が終わった。

取引時間が終了してから、クジョウは目を閉じて、何かを考えているようだった。
話しかけにくい雰囲気のクジョウに、テンマは備品を手に、在庫チェックを始めた。
え~と、黒のボールペンは在庫あるし、青のボールペンもOK、あと赤の・・・。
そのとき、テンマが手にしていたボールペンが床に落ちた。

ボールペンが床に落ちた音で、クジョウが目を開けた。
「す、すいません、考え事の邪魔をして」、テンマは頭を下げ、クジョウに謝った。
「いや、気にしなくていい。
それよりも、やはり今日の相場は暴落相場の始まりだと確信した」、クジョウがいう。

「どうして暴落相場の始まりだとわかったんですか」、テンマがたずねる。
「"アルカディア"は、無敗の個人投資家たちのデータを活用している。
今日の相場で彼らが動くか、チェックしていたが、彼らの誰一人として動かなかった。
私と同じで、ナイフが床に刺さる音が聞こえなかったからだろう」、クジョウがいった。

2020年3月11日水曜日

【エッセイ】クライマーズ・ハイの投資家に思うこと

2月に始まった"暴落相場"について、思うことがあるので書いてみる。
リーマン・ショック以降、東日本大震災や英国のEU離脱などがあった。
だが、自身はリーマン・ショック以外は、"暴落相場"ではなかったと思っている。
本ブログでも"暴落相場"ではなく、"急落相場"や"下落相場"という表現を用いてきたw

だが、自身は2月からの急落を、すぐに"暴落相場"だと見抜いた。
"暴落相場"だと見抜いた自身は、予定していたトレードを急遽、先送りした。
自身には、株を教えている一期生と二期生がいる。
買い増しを考えていた一期生と二期生に、自身は買い増ししないよう注意喚起したw

リーマン・ショックの際、大底を打ったのは、約1ヵ月後である。
ところが普段にはない株価の変動に、欲望にかられた多くの投資家が買い向かった。
彼らは、落下中のナイフを掴み、傷だらけになった。
その後、彼らはナイフの傷を癒すため、長い時間を要することになったw

あと、「クライマーズ・ハイ」という言葉を、ご存知だろうか。
登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のことである。
ウォール街には「市場は恐怖と欲望によって動かされる」という相場格言がある。
自身からすると、今、買い向かっている人は、恐怖感が麻痺しているとしか思えないw

【エッセイ】出るも地獄、残るも地獄の早期退職

自身が今年、予定していたトレードが3つある。
1つは、確定拠出年金の、定期預金から外国株投資信託へのスイッチング。
1つは、タダ株にしているインバウンド銘柄である仕手株の買い増し。
1つは、昨年、タダ株にした5938 ㈱LIXILグループの買い増しであるw

この時期に検討に入る予定だったが、暴落相場により変更を余儀なくされた。
1つ目の、確定拠出年金のスイッチングは、早くても8月頃までは様子見だろう。
2つ目の、仕手株の買い増しだが、株価が平均取得単価まで下がるまで待つことにした。
3つ目の、5938の買い増しだが、困ったことに、これが最も先が見えないw

5938は早期退職を募集しており、先日、結果が発表された。
応募者は約500人で、特別退職金等で約55億円の関連費用を計上するらしい。
どうやら、応募者一人当たり、1100万円ほどの特別退職金をもらえるようだ。
だが、5938は新型コ○ナの影響で、製造に必要な部品が海外から入ってこないらしいw

早期退職に応じずに残った社員は、年収ダウンなどの地獄を見るかもしれない
だが、もっと悲惨なのは、今回、早期退職に応募した社員である。
1100万円ほどの特別退職金は、再就職しなければ、数年で無くなるだろう。
これからの世界経済を考えると、彼らの再就職先が数年で見つかるとは思えないw

2020年3月10日火曜日

銘柄を明かさない理由R310 暴落のクーロンズ・アイ(中編)

第310話 暴落のクーロンズ・アイ(中編)

クジョウ レイコとメンバーが、モニターの株価を注視していた頃。
東京都中央区の日本橋近くの証券会社では、緊急の役員会が開かれていた。
その証券会社は、1925年(大正14年)に大阪府大阪市に設立された。
創業者の名は、野村財閥二代目の野村徳七で、日本一の株屋と呼ばれていた。

日本一の株屋は、高い情報収集能力と「ノルマ証券」といわれる営業力が武器だった。
昨年、大阪支店長のムラノ キョウスケが、日本一の株屋の取締役に抜擢された。
ムラノは、高級ブランドの銀縁メガネをかけた細身の男だった。
ムラノの表向きの肩書きは平取締役だが、事実上の最高責任者だった。

緊急の役員会が開かれたのは、昨夜のNYダウの暴落がきっかけだった。
会議室では、取締役兼大阪支店長のムラノが、役員から報告を受けていた。
「もうええ、言い訳は聞きとうもない」、明らかにイラついた様子のムラノがいう。
ムラノがいうと、役員は報告を止めて、席に戻った。

「ワテも含め、誰も今回の暴落を、事前に把握できんかった。
ええか、今回の暴落を仕掛けた奴を、何があっても探しだすんや。
ホンマ、日本一の株屋も舐められたもんやで、必ずやり返したるからな。
で、今の状況はどうなっとる」、ムラノがいう。

「私から報告させていただきます」、代表執行役社長グループCEO、大川がいう。
「昨夜のNYダウの暴落を受け、AIによる売買を全て手動売買に切り替えました。
現在、トレーダーたちは、東京証券取引所の状況を静観しています。
チーフトレーダーの内海によると、今のところ、損失は出ていないとのことです。

あと、米国駐在の調査班から、最新情報を入手しました。
昨夜のNYダウ暴落の仕掛け人が、判明したそうです。
仕掛けたのは、米国のニック・ライアンというカリスマトレーダーです。
ニックは大手証券会社に勤務しており、暴落の発端はニックの売り注文のようです。

ニックは、"レッドブル(赤い雄牛)ファンド"のファンドマネージャーです。
"レッドブルファンド"は、これまで大きな売りをしたことがないファンドでした。
ニックは取引開始と同時に、"レッドブルファンド"のほぼ全ての売り注文を出しました。
"レッドブルファンド"の売り注文を感知したAIの売りが、暴落の原因のようです」

「ほんで、そのニックとかいう奴は、どうしとるんや」、ムラノがいう。
「ニックは、すでにSEC(米国証券取引委員会)に拘束されたようです。
ただ、ひとつだけ、気になる情報があります。
SECがニックの勤務先を訪れた時、ニックは気を失っていたそうです」、大川がいう。

2020年3月9日月曜日

銘柄を明かさない理由R309 暴落のクーロンズ・アイ(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
主要登場人物は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。
無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。

無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
無敗の大物相場師キング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
通称"天使の笑顔をもつ男"、無敗の若き相場師エース(A)こと、アマネ オトヤ。
自身は、「銘柄を明かさない理由R」を、実相場にリンクさせたいと思っていた。

ようやく、「銘柄を明かさない理由R」が、実相場に追いついたようである。
数少ない読者の中には、初めて暴落相場を経験する方もいるかもしれない。
無敗の相場師たちの暴落相場での行動が、読者の方たちの参考になれば嬉しく思う。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第309話 暴落のクーロンズ・アイ(前編)

都内のある証券会社には、自社の資産運用を手がけている部署があった。
社内で通称"アルカディア(理想郷)"と呼ばれている部署だった。
2人のうち1人は、"アルカディア"の創設者であり責任者でもあるクジョウ レイコ。
クジョウ レイコは、容姿端麗で近寄りがたい雰囲気がある女性社員だった。

連戦連勝で無敗のクジョウ レイコは、"無敗のクイーン"と呼ばれていた。
"アルカディア"には、クジョウ レイコの部下である小柄な女性社員がいた。
小柄な女性社員の名はテンマ リナといい、"無敗のテン"と呼ばれていた。
普段の"アルカディア"は2人だけで、状況に応じて他部署のメンバーを招集していた。

平日の早朝、"アルカディア"には"無敗のクイーン"こと、クジョウ レイコがいた。
日本時間の深夜に始まったNYダウの暴落を、クジョウ レイコは調べていた。
リーマン・ショック以来の暴落かもしれない。
クジョウ レイコは内線を取り上げると、社長室秘書に依頼した。

「私だ、"アルカディア"メンバーを招集しろ」
「かしこまりました」、社長室秘書が即答し、通話は終わった。
出勤途上の"アルカディア"メンバーに、社長室秘書から召集メールが発信された。
「出社後、"アルカディア"にお集まりください」

2時間後、東京証券取引所の取引開始時間が迫っていた。
"アルカディア"では、取引開始前のミーティングが行われていた。
ミーティングには、総勢10名の女性社員からなるメンバーが揃っていた。
"アルカディア"の創設者であり責任者でもあるクジョウ レイコがいう。

「昨夜のNYダウの暴落は、リーマン・ショック以来の暴落である可能性が高い。
本来なら、少しでも損失を少なくするべく、売り逃げするところだ。
だが、私の指示があるまで、一切の売買を禁止する。
今回の暴落が、リーマン・ショック級の暴落なのか見極める」

やがて、東京証券取引所の取引開始時間になった。
昨夜のNYダウの暴落を受け、売り注文が殺到しており、全面安のスタートだった。
この相場は、リーマン・ショック級の暴落相場なのか。
クジョウ レイコとメンバーは、モニターの株価を注視していた。

テンマ リナが、"アルカディア"に異動したのは、リーマン・ショック後だった。
モニターの株価を注視しているクジョウの横顔を見ながら、テンマは思った。
あんなに険しい表情をしたリーダーを見たのは初めてだわ。
ホントに、リーマン・ショック級の暴落相場が来たのかもしれない。

2020年3月8日日曜日

【エッセイ】リーマン・ショック以来の暴落相場に思うこと

自身は2005年に、住宅ローンを一括完済するために株を始めた。
2008年から2009年のリーマン・ショックでは、数百万円の含み損だった。
だが継続的に買い続けたので、後の上昇相場で大きく資産を殖やすことができた。
住宅ローンを一括完済後も投資を続け、現在の保有株の年間配当は150万円超であるw

当分の間、暴落相場は来ないだろうと思っていた。
特に、今年は東京オリンピック開催の年なので、早くても年末だろうと思っていた。
ところが、新型ウイルスの影響により、早くも暴落相場が始まった。
リーマン・ショック以来の暴落相場で、自身の資産は大きく殖えることだろうw

株価は景気を先取りするといわれている。
今の株価の暴落は、今後の不景気を先取りしているのである。
工場の生産停止やイベント自粛等により、不景気になることは、中学生でもわかる。
不景気でも、自身のような安定収入のある会社員は、投資を続けることができるw

リーマン・ショックの時には、住宅ローンを抱えていたが、今はない。
保有株の年間配当も数十万円ほどしかなかった。
自身の場合、現在の方が投資環境はよくなっている。
暴落相場後の上昇相場でどれだけ資産が殖えるのか、今から実に楽しみであるw

銘柄を明かさない理由R308 クーロンズ・アイ始動(後編)

第308話 クーロンズ・アイ始動(後編)

ニューヨーク証券取引所の取引開始時間(core trading session)。
取引開始時間は、日本の取引開始より10時間前の、東部標準時9:30だった。
やがて、売りが殺到しているニューヨーク証券取引所での取引が始まった。
その日、ニューヨーク証券取引所の終わりが始まった。

ニューヨーク証券取引所の暴落が始まった数時間後。
東京都中央区日本橋兜町にある、深夜の東京証券取引所(TSE)は静かだった。
そこへ黒のコートを着て、リュックを背負った東洋人の男がやって来た。
東洋人の男は、TSEの前で立ち止まると、周囲を注意深く観察した。

周囲に誰もいないことを確認した男は、口元に笑みを浮かべた。
男はリュックから、ダンボールでできた折りたたんだ型紙とスプレーを取り出した。
男は身をかがめると、左手で型紙を広げ、右手でスプレーを軽く振った。
TSEの外壁に型紙を押し当てると、男は型紙に向けて、黒いスプレーを噴射した。

男は、黒いスプレーを噴射し終えると、型紙とスプレーをリュックにしまった。
立ち上がった男は、リュックを背負うと、来た方向に歩き出した。
歩き出した男は、ある曲を口ずさみだした。
口ずさんだ曲は、ベートーヴェンの交響曲第9番「歓喜の歌」だった。

同時刻、東京証券取引所内にある警備員詰所に、警備会社の社員である大八木がいた。
大八木は監視カメラで、東洋人の男の行動の一部始終を監視していた。
大八木は警備会社の社員だが、日本を守る名のない組織の一員でもあった。
東洋人の男が立ち去ると、大八木は東洋人の男の特徴をPCに打ち込み送信した。

TSEの外壁にスプレーを噴射した東洋人の男は、帰り道にあるコンビニに立ち寄った。
深夜のコンビニに客の姿はなく、若い茶髪の男性店員が、レジにいるだけだった。
「いらっしゃいまっせぇ~」、男をチラ見した若い茶髪の男性店員がいう。
若い茶髪の男性店員は、手元のスマホから顔を上げようとしなかった。

なんて店員だ、東洋人の男は思ったが、印象づけたくなかったので注意しなかった。
東洋人の男はホットコーヒーを買うと、イートインコーナーで飲み始めた。
しばらくすると、「上杉」という名札の若い茶髪の男性店員がやって来た。
「すいません、レジで打ち忘れがありました、足りない分をお支払い頂けますか」

「足りないのはいくらだい」、東洋人の男が懐から、財布を取り出しながらたずねた。
「お客様が、東京証券取引所で行われた行為は、刑法第261条に抵触します。
刑法第261条の器物損壊罪は、3年以下の懲役または30万以下の罰金になります」
名のない組織に属する若い茶髪の男性店員、上杉が告げると、東洋人の男は絶句した。

2020年3月7日土曜日

【エッセイ】人生における最も大切な投資とは

投資(investment)とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない商業活動はこれに含まない)。広義では、自己研鑽や人間関係においても使われる語である。
(Wikipediaより)

投資と聞くと、株式投資というイメージを持つ方がほとんどだろう。
自身は、人生における最も大切な投資とは、健康に対する投資だと思っている。
いくら資本(資産)を増加させても、早くにお迎えがきたら、使い切ることができない。
早くにお迎えが来て、遺族に争いが起こったりすれば、末代までの恥であるw

自身は数年前、数年ぶりに人間ドックを受診した。
人間ドックの結果、主治医に「何があっても、おかしくない数値です」といわれた。
以来、主治医に継続的に、投薬治療をしてもらっている。
投薬治療のおかげで、数値は基準値以内に収まっているw

主治医は、定期的に血液検査や超音波検査を行ってくれている。
近頃の医療機器の精度は高く、自身の血管径をミリ単位で計測してくれている。
これらの検査には健康保険が適用されるため、自身の負担額は微々たるものである。
自身は酒やタバコを嗜むが、同世代の人より早くにお迎えが来ることはなさそうであるw

【エッセイ】一期生と二期生に伝えた暴落相場の対処法

自身には、株を教えている一期生と二期生がいる。
一期生は、自身の息子くらいの年齢で、イケメンの独身である。
二期生は、若い女性で、すでに結婚していてもおかしくない独身女性である。
一期生に株を教えたのは2018年の夏で、二期生に教えたのは、2019年の冬であるw

今回の暴落相場は、2人にとって、初めて経験する暴落相場になる。
株を教えた以上、暴落相場の対処法を伝えておく必要があると考えた。
2人にメールで、今後の予定を聞くと「指値で買い増しする予定です」と返信があった。
2人には、メールで暴落相場の対処法を伝えたw

「今回の相場は、リーマン・ショックと同じ暴落相場だ。
リーマン・ショックは、1ヵ月後に大底を打ったので、大底は3月下旬だろう。
だが、その後、企業の業績不振により、数年間、株価は低迷した。
したがって、暴落相場への対処法は、数年がかりの長期戦になる。

暴落相場では、多くの投資家が、すぐに買い増ししようとする。
すぐに買い増しすると、底で買えなくなるので、今、買い増ししてはいけない。
2月に信用取引で買い向かった投資家の返済期限は、半年後の8月だ。
よって、例年通り、8月に買うので、それまで貯蓄に励むようにw」

2020年3月6日金曜日

銘柄を明かさない理由R307 クーロンズ・アイ始動(中編)

第307話 クーロンズ・アイ始動(中編)

カリスマトレーダーのニックが、九匹のドラゴンのカードを見た数日後。
ニューヨークにある世界最大の証券取引所であるニューヨーク証券取引所(NYSE)。
深夜、黒のフードパーカーを着て、リュックを背負った東洋人の男がやって来た。
東洋人の男は、NYSEの前で立ち止まると、周囲を注意深く観察した。

周囲に誰もいないことを確認した男は、口元に薄ら笑いを浮かべた。
男はリュックから、ダンボールでできた折りたたんだ型紙とスプレーを取り出した。
男は身をかがめると、左手で型紙を広げ、右手でスプレーを軽く振った。
NYSEの外壁に型紙を押し当てると、男は型紙に向けて、黒いスプレーを噴射した。

男は、黒いスプレーを噴射し終えると、型紙とスプレーをリュックにしまった。
立ち上がった男は、リュックを背負うと、来た方向に歩き出した。
歩き出した男は、ある曲を口ずさみだした。
口ずさんだ曲は、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」だった。

翌朝、ニックはマンハッタンにある高級アパートメントの自宅で、朝食をとっていた。
ニックがテレビを見ていると、あるニュースが報じられた。
ニューヨーク証券取引所の外壁に、いたずら描きされたというニュースだった。
作風から、人気の覆面アーティストの作品かもしれないという内容だった。

人騒がせな奴もいるもんだ、ニックが見ていると、いたずら描きが大写しになった。
いたずら描きは、九匹のドラゴンで、黒のスプレーで描かれていた。
映し出された九匹の黒いドラゴンを見たニックの動きが止まった。
「Sell、Sell、Sell(売れ、売れ、売れ)・・・」、ニックはつぶやき始めた。

「あなた、どうしたの、大丈夫」、心配した妻のレイチェルが声をかけた。
「ああ、大丈夫だよ、少し疲れているのかもしれないな」、ニックは笑顔で答えた。
ニックは朝食を食べ終えると、勤め先である大手証券会社へ出かけた。
通勤途上、ニックは「Sell、Sell、Sell・・・」と、つぶやき続けていた。

出社したニックは、配下のトレーダーや関係先に、全面売りの指示を発信した。
カリスマトレーダーであるニックが動かせる額だけでも、相当な売りだった。
さらに、配下のトレーダーや関係先が動かせる額を加えると、恐ろしい売りだった。
取引が始まるまで、ニックは「Sell、Sell、Sell・・・」と、つぶやき続けていた。

ニューヨーク証券取引所の取引開始時間(core trading session)。
取引開始時間は、日本の取引開始より10時間前の、東部標準時9:30だった。
やがて、売りが殺到しているニューヨーク証券取引所での取引が始まった。
その日、ニューヨーク証券取引所の終わりが始まった。

2020年3月5日木曜日

【エッセイ】買い占めする高齢者は哀れである

世間では、トイレットペーパーなどの生活必需品が品薄になっている。
生活必需品の品薄は、情報弱者による買い占めが原因らしい。
マスコミが、生活必需品が品薄になっていると報道する。
その報道を見た情報弱者が、我先にとばかりに買い占めしているらしいw

マスコミの報道で、買い占めしている人へのインタビューを見ることがある。
その多くは、裕福には見えない高齢者で、買って嬉しそうにしている。
だが、裕福ではない高齢者がマスコミに踊らされ、買わされているだけである。
マスコミは、意図的に裕福でない高齢者を、報道しているのではないかとさえ思うw

情報化社会の現代。
店頭に並んで、入荷待ちをしているのは、高齢者と転売屋くらいである。
ネットで注文できるのに、ヒマつぶしかもしれないが、ご苦労なことである。
現役世代の自身からすると、高齢者には、もっと有意義に年金を使って欲しいと思うw

今の高齢者は、高度成長期に懸命に働いてきた世代である。
ならば、生活必需品の買い占めではなく、今までできなかったことに金を使うべきだ。
現役時代にできなかった旅行やグルメ、いくらでも金の使い道はあるだろうと思う。
お迎えが来たときに、生活必需品が山のように残っている光景は哀れであるw

2020年3月4日水曜日

【エッセイ】暴落相場は株を教えている一期生の卒業試験

自身には、株を教えている一期生と二期生がいる。
一期生は、自身の息子くらいの年齢で、イケメンの独身である。
二期生は、若い女性で、すでに結婚していてもおかしくない独身女性である。
もちろん、自身は金に困っていないので、2人には無償で株を教えているw

一期生に初めて株を教えたのは、2018年の夏だった。
二期生に初めて株を教えたのは、2019年の冬だった。
初めて株を購入してから、株価が下がったので、一期生は長らく含み損だった。
だが、平均取得単価を下げるナンピンにより、先日までは含み益だったw

先日、一期生と話をする機会があった。
一期生いわく、「含み損が増えていますが、配当月なのでチャンスですよね。
そろそろ、買い増ししてやろうかと考えています」。
自身はいった、「俺も同じことを考えているよ」とw

一期生にはいわなかったが、自身はまだ買い増しするつもりはない。
なぜなら、今の相場は一期生が経験してきた下落相場とは異なる暴落相場だからだ。
暴落相場から生還する唯一の方法は、長期にわたる集中投資"無限ナンピン"しかない。
今の暴落相場は、株を教えている一期生の卒業試験かもしれないw

2020年3月3日火曜日

銘柄を明かさない理由R306 クーロンズ・アイ始動(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
主要登場人物は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。
無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。

無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
無敗の大物相場師キング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
通称"天使の笑顔をもつ男"、無敗の若き相場師エース(A)こと、アマネ オトヤ。
いよいよ、サブタイトルでもある"クーロンズ・アイ"の正体が明らかになる。

「銘柄を明かさない理由R」は、実相場にリンクさせたいと思っている。
実相場では暴落相場が始まっているが、すぐに実相場に追いつくだろう。
なぜなら、暴落相場は始まったばかりだからだ。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第306話 クーロンズ・アイ始動(前編)

上海ワールドフィナンシャルセンターのオフィスフロアの1室。
40代後半のオールバックでスーツ姿の男、劉宋明がいた。
劉は内線を取り上げると、番号をプッシュし、通話相手に短く告げた。
「"クーロンズ・アイ(九龍の眼)"を始動しろ」

その後、世界各地へ向けて、"クーロンズ・アイ始動"の指令が発信された。
米国の大手企業に勤務する会社員は、オフィスのPCで指令を受信した。
英国に駐在する外交官は、大使館のPCで指令を受信した。
日本の官公庁に勤務する非正規職員は、官公庁のPCで指令を受信した。

ウォール街は、ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタンの南端部に位置する。
ブロードウェイから東へイースト・リバーに下る場所にある。
現在では周辺の区域も含めて、世界の金融センター「ウォール街」として定着している。
ニューヨーク証券取引所をはじめ、米国の金融史とゆかりのある地区である。

ウォール街の大手証券会社には、カリスマトレーダーのニックがいた。
ある日の朝、ニックが出社すると、デスクの上に1通の封筒が置いてあった。
宛名はニックだが、差出人の名前はなかった。
誰が置いていったんだ、ニックはペーパーナイフで封を開くと、中身を確認した。

封筒の中には、1枚のカードが入っており、一言「Sell(売れ)」と書かれていた。
何だ、このカード、ニックがカードを裏返すと、裏には9匹のドラゴンが描かれていた。
黒一色で描かれているドラゴンたちの眼を、ニックはしばらく見つめていた。
「おはようございます」、ニックが顔を上げると、若い女性秘書のミランダがいた。

ニックはドラゴンのカードを胸ポケットに入れると、「おはよう」といった。
「今日は月に一度の定例会議の日ですよ」、ミランダが笑顔でいった。
午後になって、月に一度の定例会議が始まった。
虚ろな目をしたニックに、何人かのトレーダーは違和感を感じた。

定例会議が終わったニックは、胸ポケットに1枚のカードがあることに気づいた。
取り出すと、表裏とも真っ白な見覚えのないカードだった。
何だ、このカード、ニックは女性秘書のミランダにカードを廃棄するよう命じた。
ミランダは、ニックからカードを受け取ると、シュレッダーへ向かった。

カードのドラゴンや文字は、時間が経てば消える特殊なインクで描かれていた。
9匹のドラゴンの眼は、深層心理に「Sell」を刷り込むように配置されていた。
次に同じドラゴンを目にしたとき、彼は「Sell」を実行することになるわ。
劉宋明からの指令を受信していたミランダは、カードをシュレッダーにかけた。

2020年3月2日月曜日

銘柄を明かさない理由R305 魔都の秘密結社(後編)

第305話 魔都の秘密結社(後編)

上海ワールドフィナンシャルセンターのオフィスフロアの1室。
40代後半のオールバックでスーツ姿の男がいた。
中国の武器である青龍刀を思わせる男の名は、劉宋明(りゅうそうめい)といった。
古びた1枚の写真を見ながら、劉は自分の生まれ育った町を思い返していた。

劉宋明は「九龍城砦(くーろんじょうさい)」で生まれ育った。
「九龍城砦」の始まりは、宋(960年 - 1279年)時代に遡る。
かつて香港や九龍半島には、香木や塩を輸出するための港が開かれた。
しかし香港付近の海域には当時しばしば海賊が現れ、周囲の治安を脅かしていた。

このため現在の九龍城地区に軍事要塞が作られることになった。
砦として、1668年に九龍烽火台が設置された。
英国は1898年に、深圳河以南の新界地区や島々を99年間の期限付きで租借した。
この時、英清両国で取り決めた租借条約により、「九龍城砦」は租借地から除外された。

「九龍城砦」には、英国の香港防衛を妨げないという条件で、清国役人が常駐した。
1911年の辛亥革命に端を発し、翌1912年1月には中華民国が樹立した。
1912年2月に宣統帝(愛新覚羅溥儀)の退位により中国政府としての清朝は滅亡した。
この時点で「九龍城砦」の本来の機能は終了していた。

1941年12月に日本軍が香港を占領した際、「九龍城砦」の城壁が取り壊された。
1945年8月、日本の敗戦により、香港は再び英国の植民地となった。
だが、経済や治安など生活上全ての面で、香港自体が不安定な状況にあった。
1949年10月に中華人民共和国が樹立したが、多くの難民が「九龍城砦」になだれ込んだ。

城壁が取り壊されたことで、跡地には難民のバラックが建ち始めた。
1950年代後半から1960年代前半においても、難民の流入は止まらなかった。
1960年代後半にプロレタリア文化大革命が始まり、人口流入は更に激しくなった。
過度の居住人口により、次第に無計画な増築によるスラムが出来上がっていった。

1970年代にかけて、鉄筋コンクリート(RC造)のペンシルビルに建て変わった。
しかし、無計画な建設のために「九龍城砦」の街路は、迷路と化した。
また、売春に薬物売買や賭博など、あらゆる違法行為が行われる無法地帯と化した。
1990年代の取り壊し前には、人口密度は約190万人/k㎡と世界で最も高い地区であった。
(Wikipediaより)

劉は「九龍城砦」で、生きるために必要な全てのことを学んだ。
劉には年の離れた妹、春鈴(シュンリン)がいたが、母親は金と引き換えに妹を売った。
春鈴が売られる前日、劉はなけなしの金で、知人に春鈴の写真を撮ってもらった。
妹との唯一の思い出の写真を、劉は机の引き出しに大事にしまった。

2020年3月1日日曜日

【エッセイ】買い占めする人は家計管理ができていない人

あまり時事ネタは書きたくないのだが、思うところがあるので書いてみる。
マスクが品薄になったかと思えば、次はトイレットペーパーが品薄らしい。
自身が近くのスーパーに行くと、見事なまでに売り切れていた。
さすがに食料品は売り切れていなかったが、普段よりは品薄だったw

東日本大震災の時も思ったが、買い占めする人は家計管理ができていない人だと思う。
自身は食料品や生活必需品は、常に買い置きしている。
買うのは特売日で、当たり前だが、普段より価格が安いときである。
トイレットペーパーだけでなく、家電品も買い置きしているw

自身からすると、買い占める人は、自ら普段より高い価格で買っている人にすぎない。
マスクは使用頻度が多くなるため、需要に供給が追いつかず、品薄になるのはわかる。
だが、トイレットペーパーの使用頻度は変らない。
すなわち、需要に見合うだけの供給量は、確保されているのであるw

ちなみに、自身はマスクは買い置きしていなかったが、一向に困っちゃいない。
なぜなら、自身の身体の免疫力は、同年代の連中よりは高いからだ。
それが証拠に、今年も毎週、プールへ泳ぎに行っているが、寝込んだことはない。
酒やタバコも嗜む自身の体内は、ウイルスにとって居心地がよくないのだろうw

【コラム】リーマン・ショックで消えた投資家に共通すること

リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehman Brothers Holdings Inc.)が経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ通称である。
2007年のアメリカ合衆国の住宅バブル崩壊をきっかけとして、サブプライム住宅ローン危機を始め、プライムローン、オークション・レート証券、カードローン関連債券など多分野にわたる資産価格の暴落が起こっていた。日経平均株価も大暴落を起こし、9月12日(金曜日)の終値は12,214円だったが、10月28日には一時は6,000円台(6,994.90円)まで下落し、1982年(昭和57年)10月以来、26年ぶりの安値を記録した。
日本は長引く不景気から、サブプライムローン関連債権などにはあまり手を出していなかったため、金融会社では大和生命保険が倒産したり農林中央金庫が大幅な評価損を被ったものの、直接的な影響は当初は軽微であった。しかし、リーマン・ショックを境に世界的な経済の冷え込みから消費の落ち込み、金融不安で各種通貨から急速なアメリカ合衆国ドルの下落が進み、アメリカ合衆国の経済への依存が強い輸出産業から大きなダメージが広がり、結果的に日本経済の大幅な景気後退へも繋がっていった。(Wikipediaより)

自身は、リーマン・ショックから無傷で生還した数少ない個人投資家の1人だ。
当時、多くの個人投資家のブログがあったが、多くの個人投資家が消息不明となった。
消えた個人投資家に共通していたのは、兼業ではない専業投資家だったことだ。
彼らは、日経平均株価が暴落する過程で買い向かったw

ところが、彼らが買ったときは、まだ大底ではなかった。
すなわち、落ちるナイフは床に刺さっておらず、落下中だったのである。
彼らはロスカットを繰り返しながら、損失を取り返そうと、さらに買い向かった。
資金が不足した者には、証券会社の信用取引で、借金してまで買い向かう者もいたw

だが、資金がなくなり、途中で退場を余儀なくされる者が続出した。
やがて、誰も買い向かわなくなったとき、ようやく大底が訪れたのである。
ところが、リーマン・ショックの日本への影響は、それで終わりではなかった。
世界的な経済の冷え込みから、その後の日本経済は大幅に景気後退することになったw

一向に回復しない日経平均株価に、専業投資家の収入は激減した。
働きたくても、求人すらない状況が続いた。
彼らのブログは更新されなくなり、いつしかブログは消えていた。
今回の暴落で、また多くの個人投資家が消息不明にならないことを願っているw