2020年3月30日月曜日

銘柄を明かさない理由R315 Drive to hell(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
主要登場人物は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。
無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。

無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
無敗の大物相場師キング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
通称"天使の笑顔をもつ男"、無敗の若き相場師エース(A)こと、アマネ オトヤ。
「銘柄を明かさない理由R」も暴落相場の真っ最中だが、実相場はそれ以上である。

「ベイビーワールドエンド編」で、主要な役割を演じた英国人女性のエイダ・ラブレス。
彼女の父親で詩人のバイロンは、現在の状況を予言するような言葉を残している。
彼が残した言葉とは、「事実は小説より奇なり」。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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銘柄を明かさない理由R315 Drive to hell(前編)

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ。
平日の午後、証券会社から離れた車道に、1台の大型トレーラーが停車していた。
外から見ると、どこにでもある貨物用の大型トレーラーだった。
だが、内部は電子機器で埋め尽くされ、武装した数人の男たちがいた。

連邦捜査局(FBI)の特殊部隊"SWAT"の指揮官、コスナーがマイクに向かっていう。
「こちらはコスナーだ、犯人の様子を知らせろ」
「GP&LA(犯人は人質の頭に銃を突きつけて、外の様子を伺っています)」
スピーカーから、証券会社近くのビルの屋上にいるローランドの声が聞こえた。

「狙撃は可能か」、コスナーが聞く。
「AP(いつでも可能です)」、ローランドがいう。
コスナーは、ローランドが見ている風景が映し出されているモニターを見た。
モニターには、犯人が立て篭もっている証券会社のビルが映っていた。

今朝早く、暴落相場で多額の損失を出した個人投資家が、証券会社に乗り込んだ。
証券会社の素気ない対応に、多額の損失を出した個人投資家はぶち切れた。
ぶち切れた個人投資家は、持っていた銃を担当者に向け、発砲した。
担当者は撃たれたが、急所は外れていたようで、まだ生きているらしい。

発砲した個人投資家は、他の男性社員を人質にすると立て篭もった。
投降するよう説得を試みる警察に、発砲した個人投資家は要求を出した。
発砲した個人投資家の要求は、逃走用の車両と新たな人質の女性だった。
モニターには、新たな人質の女性警官を乗せた逃走用の車両が映っていた。

逃走用の車両は、ゆっくりと証券会社の前に向かっていた。
やがて、逃走用の車両は証券会社の前に停車、運転手は遠くへ逃げていった。
しばらくすると、証券会社のドアが開いた。
男性社員の頭に銃を突きつけた個人投資家が現れた。

逃走用の車両の後部座席には、新たな人質の女性警官がいた。
個人投資家の男は、男性社員に手錠を渡すと、女性警官を拘束するよう命じた。
個人投資家から渡された手錠を、男性社員は女性警官の後ろ手にかけた。
「まだだ」、個人投資家の男は男性社員に、用意していたロープを渡した。

男性社員は女性警官にロープを回し、上半身の身動きが取れないようにした。
「ご苦労さん」、個人投資家の男はいうと、男性社員を背後から撃った。
個人投資家の男は、男性社員を逃走用車両から引きずりおろすと、女性警官にいった。
「さあ、地獄へのドライブを始めようか」

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