第047話 バリュー投資同好会(中編)
ウォーレンこと魚沼会長によるバリュー投資同好会の説明は以下だった。
・昨年、魚沼会長と青柳副会長が発足させた大学非公認の同好会で、会員はいない。
・目的は、バリュー投資という割安株投資の研究ならびに実践。
・年会費はなく、毎週火曜と水曜にハンバーガーショップに集まっている。
「毎週火曜と水曜になってるけど、来れないときは事前に連絡してくれればOK。
事前に連絡できないときは、連絡くれなくてもOKだから」、ウォーレンがいう。
いくら入会して欲しいからって、さすがにユルすぎでしょ、チャーリーは思った。
「アマネ君から何か聞きたいことはありますか」、ウォーレンがいう。
「お二人の呼び名のウォーレンとチャーリーの由来を知りたいです。
魚沼さんがウォーレンと呼ばれるのは、なんとなくわかります。
青柳さんがチャーリーと呼ばれる理由がわからなくて」、オトヤがいう。
「いい質問だね、バリュー投資で有名な投資家の名前が由来だよ。
ウォーレンは、今世紀最高の投資家といわれているウォーレン・バフェット氏。
チャーリーは、バフェット氏の盟友であるチャーリー・マンガー氏。
2人の偉大なる投資家の名前を借りてるってわけさ」、ウォーレンがいう。
僕は一字も合ってないからね、チャーリーは思った。
「あと、場所がハンバーガーショップなのは理由があるんですか」、オトヤがいう。
「バフェット氏の好物がハンバーガーなんだよ」、ウォーレンがいう。
「なるほど、そういう理由なんですね」、オトヤがいう。
本当の理由は安いからなんだけどね、チャーリーは思った。
「アマネ君はウチ以外の説明会に参加したりしたの」、ウォーレンが聞く。
「ここが初めてなので、これから参加しようかなと思っています」、オトヤがいう。
「わるいことはいわないから、止めといた方がいい。
ウチ以外は不純異性交遊が目的の同好会ばかりだ。
奴らは会費を集めては、山だ、海だといって、女の子と遊んでばかりいる。
ある同好会なんて、クリスマスに女の子を集めて、朝までパーティーしてたんだぞ。
羨ましいを通り越して、潰れてしまえと思っている」、ウォーレンがいう。
隣の女子高生が肩震わせて笑うの我慢してるし、チャーリーは思った。
「確かによくないですね、他は参加しないことにします」、オトヤがいう。
「アマネ君はウチに入会するべきだ、いい返事を期待しているよ」、ウォーレンがいう。
「前向きに検討させてもらいます、本日はありがとうございました」、オトヤがいう。
えっ、えっ、まさかの展開、隣の女子高生も固まってるし、チャーリーは思った。
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