2024年3月16日土曜日

【これから株を始める君へ】楽観時代は思い切った勤倹貯蓄

「私は本年八十五歳になる。自分でもまず相当な年齢と思う。しかし『人生即努力・努力即幸福』といった新人生観に生きる私は、肉体的にも精神的にも何ら衰えを感ずることなく、日に新たに、日に日に新たに、ますますハリ切って毎日を働学併進に送り迎えしている。世の中をあるがまま見、避けず、恐れず、それに直面して、愉快に面白く闘いつづけ得ている。全くもって感謝しかない。
いまここに、長い過去をかえりみて、世の中には、あまりにも多く虚偽と欺瞞と御体裁が充ち満ちているのに驚かされる。私とてもまたその世界に生きてきた偽善生活者の一人、いまさらながら慚愧の感が深い。しかし、人間も八十五年の甲羅を経たとなると、そうそううそいつわり(嘘偽り)の世の中に同調ばかりもしていられない。偽善ないし偽悪の面をかなぐりすてて、真実を語り、『本当のハナシ』を話さなければならない。これが世のため、人のためでもあり、またわれわれ老人相応の役目でもあると考える。」
(本多静六氏「私の財産告白」自序より)

株式投資を教えて欲しいといわれたとき、すぐには教えないようにしている。
教えて欲しいなら、相場師が書いた本を1冊読むようにいっている。
読んで欲しい本は何冊かあるが、読むのは1冊でよいと伝えている。
なぜなら、いずれの本も基本は「安く買って、高く売る」だからであるw

読んで欲しい本の中に、本多静六氏(1866~1952年)の「私の財産告白」がある。
本多氏は貧農に生まれながら苦学して東大教授になった。
「月給四分の一天引き貯金」で貯めた金を元手に投資して巨額の利益を得た。
全財産を寄付した最晩年に執筆した本で、投資するなら一度は読んでおきたいw

例えば、投資の鉄則として以下を書いている。
「好景気、楽観時代は思い切った勤倹貯蓄(すなわち金を重しとする)」
「不景気、悲観時代には思い切った投資(すなわち物を重しとする)」
利殖の根本は「物(株式、土地など)と金」の適時交替の繰り返しだとしているw

ところが、現実は真逆のことが行われている。
楽観時代に多くの人が投資を始めるが、悲観時代になると投資を止め、貯蓄に励む。
今は楽観時代なので、思い切った勤倹貯蓄をするとき。
よく働いて、倹約して貯蓄をするときということになるw

本多氏が生きた時代と異なるので、参考にならないと思われるかもしれない。
また、積み立て投資などは続けることが大切だと思われるかもしれない。
だが、「貯蓄から投資へ」というスローガンは、この本の言葉が元になっている。
元となった言葉は「貯金から投資へ 時節(時期)を待つこと」だったりするw

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