2019年10月18日金曜日

銘柄を明かさない理由R279 迷宮都市(後編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
そして彼らを取り巻く人々の物語でもある。
もちろん、素人が書いた小説なので、プロの方が書いた小説の足元にも及ばないw

素人が書いている小説にも関わらず、拍手してくれる読者がいる。
読者に拍手していただけるのは、作者冥利に尽きる。
「銘柄を明かさない理由R」は将来、自費出版したいと考えている。
男友達には高値で売りつけるが、女友達と拍手をいただいた読者には無償で配布したいw

「銘柄を明かさない理由R」には、これまでもアクションシーンがあった。
これから始まるアクションシーンは、もちろんフィクションだ。
自身の思い描いたシーンが、映像として読者に伝わることを願っている。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第279話 迷宮都市(後編)

新宿歌舞伎町の裏通り、21世紀少年は、逃走経路らしきルートを走っていた。
背後からは、3人の無表情の男が追ってきていた。
目の前に、酒の空瓶を漁っている長髪で痩せたホームレスらしき男がいた。
ホームレスらしき男は、左手で酒の空瓶を高く掲げると、大きく口を開けた。

空瓶に残っていた酒が数滴、ホームレスらしき男の口に落ちた。
21世紀少年は、ホームレスらしき男の横を駆け抜けた。
3人の無表情の男は、21世紀少年の後を追っていた。
先頭の男が、ホームレスらしき男の横を駆け抜けようとした。

ホームレスらしき男は、酒瓶を右手に持ちかえると、先頭の男の顔面に叩きつけた。
酒瓶は砕け、先頭の男は地面に転がり、動かなくなった。
「あ~あ、せっかくの酒が台無しだ、弁償してもらわないとな」
ホームレスらしき男は、割れた酒瓶を投げ捨てると、立ち止まった2人の前で身構えた。

「弁償だよ、弁償、日本語わかるか、まさか、わかんねえんじゃねえだろうな」
ホームレスらしき男の隙のない構えに、2人は身を翻して逃げ出した。
「2人逃げたが、1人は確保した、早く"回収"に来い」
ホームレスらしき男は、長髪に隠れたハンズフリーフォンの通話相手にいった。

歌舞伎町にある居酒屋。
数週間前に採用された太った中年男性のアルバイト店員は、店長の悩みのタネだった。
「スマホを見る暇があるなら、仕事しろ」
年下の店長に怒られても、アルバイト店員はヒマさえあると、スマホを見ていた。

ある日、スマホを見ていたアルバイト店員が、店長にいった。
「生ビールのサーバーが空になったので、外に出しておきます」
店長はようやく、アルバイト店員がやる気になったのかと思った。
「気が利くじゃないか、頼むわ」、店長はいった。

アルバイト店員は、店の裏通りに円筒形の生ビールのサーバーを両手で運び出した。
そのとき、こちらへ駆けてくる足音が聞こえた。
足音がする方向を見ると、無表情の2人の男がこちらに向かってきていた。
1人目の男がアルバイト店員の横を通り過ぎ、2人目の男が通り過ぎようとした。

アルバイト店員は力を込めると、生ビールのサーバーを下から斜めに振り上げた。
斜めに振り上げたサーバーは、2人目の男の顔面を強打、男は倒れて動かなくなった。
変形した生ビールのサーバーからは、大量に残っていた生ビールが噴き出していた。
アルバイト店員はサーバーを置くと、スマホに「"回収"よろしく」と打ち込み送信した。

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