2021年4月18日日曜日

【特別編】銘柄を明かさない理由R アルカディアの追随

会社員時代は、出社前に、前日終値で注文することが多かった。
昨年、会社員を辞めてからは、取引時間中に注文できるようになった。
取引時間中の注文もしてみると、なかなか楽しい。
楽しかったので、先週の売り注文をネタにした小説をお届けするw

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【特別編】銘柄を明かさない理由R アルカディアの追随

兜町に、無敗のキングことジツオウジ コウゾウが創業した証券会社があった。
証券会社には資産運用部署があり、通称"アルカディア(理想郷)"と呼ばれていた。
責任者は、無敗のクイーンことクジョウ レイコ。
平時の"アルカディア"は、クジョウと無敗の天然ことテンマ リナの2名体制だった。

"アルカディア"は、全国の無敗の個人投資家の売買を参考にした運用を行っていた。
無敗の個人投資家は、58人いることが確認されていた。
58人の中には、無敗のジャックことジョウシマ ユウイチ。
通称"天使の笑顔を持つ男"と呼ばれる、無敗のエースことアマネ オトヤなどがいた。

ある日の朝、都内のタワーマンション。
長期出張の仕事を終えたジョウシマは、代休で自宅にいた。
予定もないので、PCを起動、ある保有株の寄り付き前の状況を見た。
何だ、この気配、成行買いが成行売りより多く、気配値も前日終値より高い。

この気配だと、取引開始直後に特買いとなり、寄り天(始値が高い)になるかもしれない。
念のため、ジョウシマは取引開始直前まで様子を見ることにした。
取引開始2分前、変わらない気配にジョウシマは売りを決めた。
ジョウシマは、気配値より高い指値で売り注文を出した。

兜町の証券会社にある"アルカディア"。
ジョウシマが指値で売り注文を出すと、"アルカディア"のアラートが鳴った。
「誰がどんな注文を出した」、クジョウがテンマに確認する。
「イニシャル"J"の売り注文です、追随します」、インカムをつけたテンマが答えた。

都内のタワーマンション。
取引開始時間になると特買いとなり、数分後、指値より低い株価で寄り付いた。
寄り付き後も株価は徐々に上昇、ジョウシマの指値に近づいていた。
指値に近づくと、ジョウシマの指値には多くの売り注文が出ていた。

都内にある買い方の外資系証券会社。
「上値抵抗線に大量の売り注文があります」、トレーダーがいう。
「一気に買い上げろ」、チーフトレーダーが指示する。
「了解しました」、トレーダーがいう。

次の瞬間、ジョウシマの売り注文が約定した。
約定すると、新たに大量の売り注文が出て、株価が下がり始めた。
売ったんだから、そう簡単には騰げさせないわよ。
"アルカディア"では、新たに大量の売り注文を出したテンマが微笑んでいた。

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