2019年12月1日日曜日

銘柄を明かさない理由R286 無敗の個人投資家たち~キミシマ ユウトの場合~(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
そして彼らを取り巻く人々の物語でもある。
もちろん、素人が書いた小説なので、プロの方が書いた小説の足元にも及ばないw

自身は、比較的、趣味が多いほうではないかと思っている。
マネーゲームの株式投資、ブログの小説、プールでの水泳などなど。
自身は現在、無借金で、いつまでにいくら貯めるなどの目標がない。
したがって、会社員としての本業も、自身にとっては道楽のようなものであるw

さて、「銘柄を明かさない理由R」の新たな章が始まる。
「銘柄を明かさない理由R」の登場人物は多いが、本名を明かしている人物は少ない。
新たな章では、登場人物たちが本名を明かすかもしれない。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第286話 無敗の個人投資家たち~キミシマ ユウトの場合~(前編)

都内にあるマンションの一室。
その一室は、外資系証券会社に勤務する組織の男、通称"ジョーカー"の自宅だった。
男は組織のデータベースで、ある少年の素性を調べ終えたところだった。
少年の名はキミシマ ユウト、都内にある学生寮に住む大学生。

通称"21世紀少年"とも呼ばれている無敗の個人投資家。
キミシマが小学生のときに両親が離婚、その後、母親に引き取られたが母親は再婚した。
やがて再婚相手の虐待が始まり、キミシマは祖父母の元で育てられることになった。
祖父亡き後、祖母と2人暮らしだったが、母親は再婚相手と別れ実家に戻っているらしい。

都内の大学に合格したキミシマは、都内にある学生寮に入寮した。
昨年、キミシマは参加費無料の株式投資セミナーを始めた。
投資手法に特化した株式投資セミナーは盛況で、数ヶ月待ちの人気セミナーらしい。
セミナーの内容を確認したが、詐欺まがいのセミナーではなかった。

詐欺グループの広告塔にされているような資金の流れも確認できなかった。
セミナーを開催するには、小規模な会場でも1回あたり数十万円は必要だ。
いくら資産があるとはいえ、キミシマはなぜ無料のセミナーを開催しているのか。
組織が監視していた店へ来店したことと、何か関係があるのか。

数日後の夜、都内にあるホテルの会議室。
"21世紀少年"ことキミシマは、参加費無料の株式投資セミナーを終えたところだった。
セミナーの参加者を見送ったキミシマは、ホテル近くのカフェへ向かおうとした。
「本当にお1人で大丈夫ですか、何なら、ご一緒しますが」、背後で声がした。

キミシマが声の主を見ると、いつも会場の警備を頼んでいる警備会社の男だった。
「参加費無料のセミナーを開催しているあなたのことをよく思わない人は多い。
もし私が連中の立場だったら、あらゆる手を使って、セミナーを妨害しますよ。
いくらテレビ局の人間だからって、安易にお1人で会われない方がよいと思います」

キミシマはにっこりと微笑むと、スーツ姿が窮屈そうな警備会社の男にいった。
「心配してくれて、ありがとう。
無料のセミナーを始めれば、僕のことをよく思わない人が出てくるのはわかっていたよ。
セミナーを始めた目的は、ある相手に勝つためなんだ。

24時間、誰かに守ってもらわないといけないのでは、相手に勝ったことにならない。
僕は正義は必ず勝つと信じているんだ」
しばらく沈黙したあと、警備会社の男はいった。
「わかりました。近くにいるので、もしものときはいつでも連絡ください」

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