2019年12月24日火曜日

銘柄を明かさない理由R292 無敗の個人投資家たち~ヨドヤ コウヘイの場合~(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
そして彼らを取り巻く人々の物語でもある。
もちろん、素人が書いた小説なので、プロの方が書いた小説の足元にも及ばないw

主要登場人物は、無敗の天然こと10(テン)、無敗の相場師J、無敗のクイーンことQ。
無敗の大物相場師キングことK、無敗の若き相場師エースことAである。
彼らを取り巻く1人に、"浪花の相場師"と呼ばれている無敗の相場師がいる。
"浪花の相場師"は、自身の友人をベースに創作したオリジナルキャラだw

ちなみに、"浪花の相場師"を登場させるにあたって、友人の承諾を得てはいない。
なぜなら、友人は"浪花の相場師"とは異なり、株をしたことがない。
友人と"浪花の相場師"との唯一の共通点は、関西在住だけだからである。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第292話 無敗の個人投資家たち~ヨドヤ コウヘイの場合~(前編)

江戸時代、大阪に淀屋と呼ばれた豪商がいた。
淀屋は、全国の米相場の基準となる米市を設立し、米市で莫大な富を得た。
淀屋の米市で行われた米取引は、世界の先物取引の起源とされている。
やがて淀屋の財力を恐れた幕府により、淀屋は財産を没収された。

だが、あらかじめ暖簾分けをしていたことで、大阪の地での再興に成功する。
幕末になると、淀屋は討幕運動に積極的に加担する。
その後、ほとんどの財産を自ら朝廷に献上して、淀屋は表舞台から姿を消した。
大阪にある淀屋橋は、淀屋に由来していることは広く知られている。

淀屋の一族は、明治、大正、昭和の激動の時代をひっそりと生き抜いてきた。
商才により莫大な富を得た一族は、全国の土地を買い付けた。
今や、淀屋の一族は全国の主要都市に多くの土地を所有していた。
一族が所有する土地の評価額は、日本の国家予算に匹敵するともいわれている。

その男、ヨドヤ コウヘイは淀屋の一族だった。
ヨドヤは、幕府に財産没収された初代本家で、第13代目当主となる男だった。
ヨドヤは生まれつき、商才に秀でていた。
ヨドヤは、学生時代に会社を起業し、財をなした。

やがて、会社経営に飽きたヨドヤは、同業他社に惜しげもなく会社を売り渡した。
会社経営に飽きたヨドヤは、もっと楽に金を儲けることはできないかと考えた。
ヨドヤが目をつけたのは、相場だった。
ヨドヤの資金力を持ってすれば、相場で儲けることは容易かった。

やがて、ヨドヤは資金繰りに困っている中小企業への融資を行うようになった。
自分には有り余る資金がある、世のため、人のために役立てるのも悪くないと思った。
貸し渋りする金融機関の株を売って得た利益で、中小企業に融資する。
大手企業や金融機関に媚びないヨドヤは、"浪花の相場師"と呼ばれるようになった。

かって、大阪の地での再興に成功したのは、淀屋二代目本家だった。
今の二代目本家の当主は、"難波の女帝"と呼ばれていた。
"難波の女帝"は、長きにわたり、淀屋一族の中で影響力を誇っていた
ヨドヤは第13代目当主となると、"難波の女帝"を出し抜き、全国の分家を掌握した。

ヨドヤが全国の分家を掌握した日。
これからは初代本家の時代や、二代目本家の時代は終わりや。
初代本家第13代目当主の"浪花の相場師"、ヨドヤ コウヘイは不敵な笑みを浮かべた。
二代目本家の"難波の女帝"、ヨドヤ タエの時代は終わりを告げることになった。

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