2018年10月14日日曜日

銘柄を明かさない理由R227 ベイビー抹殺作戦(後編)

第227話 ベイビー抹殺作戦(後編)

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにあるウィリス・タワーの地下3階。
チームアルファの4人は、防火シャッターに穴を開け、中に潜入した。
4人の目の前には、次の防火シャッターがあった。
「悪あがきしても無駄なんだよ」、エディが再び、電動カッターで穴を開け始めた。

「厄介な事態です」、アンディが腕時計を見ながらいう。
「どういうことだ」、チームアルファのリーダーであるアランが聞く。
「エディが防火シャッターに穴を開ける時間が10分。
ベイビーのいる場所まで、あと3つ防火シャッターがあります。

計5つの防火シャッターに移動、穴を開けるために必要な時間は約50分。
非常階段を降りるのに、1分近くかかっています。
脱出する時間を5分と考えると、余裕は全くありません」、アンディがいう。
「うるせえんだよ、やるしかねえんだ、黙ってろ」、エディがいう。

アラン、サンドラ、アンディが見守る中、2つ目の防火シャッターに穴が開いた。
「行くぞ」、エディが穴の中へ入り、アラン、サンドラ、アンディが穴の中に入った。
エディは3つ目の防火シャッターに電動カッターを当てた。
しばらくすると、3つ目の防火シャッターに穴が開いた。

そのとき、アンディが身につけていた大気計が異変を知らせた。
アンディが大気計を見ながら、アラン、サンドラ、エディにいう。
「酸素濃度が低下しています、全員、酸素マスクを着用してください」
チームアルファの4人は、携行していた酸素マスクを着用した。

4人は気づいてなかったが、天井の換気口から無臭の可燃性ガスが供給されていた。
エディが穴の中へ入り、アラン、サンドラ、アンディが穴の中に入った。
「あと2つだ」、エディは4つ目の防火シャッターに電動カッターを当てた。
火花が散った次の瞬間、大音響と共に爆発が起こり、防火シャッターが吹き飛んだ。

ウィリス・タワーが見える車道に停車する大型トレーラー。
ウィリス・タワーの地下通路の様子を映していたモニターの画面がブラックアウトした。
ウィリス・タワーの方角から、連続した2つの大きな爆発音が聞こえてきた。
「チームアルファ、チームベータ、応答せよ」、コスナーがマイクに向かっていう。

いくら呼びかけても、スピーカーからは何の応答もなかった。
やがて、パトカーと消防車のサイレンが聞こえてきた。
「ウィリス・タワーへの送電が再開されました」、部下がコスナーにいう。
モニターに映った大型サーバー"ベイビー"は、不規則な点滅を繰り返していた。

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