2020年2月24日月曜日

銘柄を明かさない理由R303 魔都の秘密結社(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
主要登場人物は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。
無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。

無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
あと無敗の大物相場師キング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
第24章は無敗の若き相場師エース(A)こと、アマネ オトヤが登場する。
また、彼のパートナーであるウィッグの女こと、キサラギ ミレイも登場する。

「銘柄を明かさない理由R」は、あらかじめ筋書きを決めて書いていない。
第24章の「RED & BLACK」は、ふと頭に浮かんだフレーズだ。
「RED & BLACK」の意味するところは何なのか、自身も楽しみである。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第303話 魔都の秘密結社(前編)

"青幇(ちんぱん)"は、中国の秘密結社である。
元々は中国に広がる大運河の水運業ギルドだったが、一部が秘密結社になった。
その一部は、上海を支配しアヘン、賭博、売春を主な資金源とした。
その中でもアヘンを最大の資金源とし、一時は中国全土の取引を支配した。

清は、海禁政策を採っており江南地方から北京へ米を運ぶのに大運河を使用していた。
船で米を運ぶ水夫たちは、その道中の困難さから必然的に団結し、結社をつくった。
結社は"青幇"と呼ばれ、愛国的であり、清朝政府に協力的であることを標榜していた。
だが、当時の中国清朝は結社を禁止しており、清朝政府は警戒していた。

結社は、北京に米を運んだ後、帰りの空船に禁制品である塩やアヘンを詰め込んだ。
塩やアヘンを密売しては、結社は巨額の利益を得ていた。
アヘン戦争後、上海経由で物資が海上輸送されるようになり、水夫たちは職を失った。
こうした状況に対処するために組織を維持し、上海に進出していく。

一方で上海は、列強諸国の租界が誕生し商工業が急速に発展した。
中国各地から移民、流民が押し寄せ、彼らが出身地ごとに団結し組織を結成した。
組織は統合が進み、"洪門"と"青幇"が残り、地下社会を支配するようになった。
当時の上海の人口300万人の内、25%が両組織に属し、上海は"魔都"と称されていた。

"青幇"は、フランス租界の娯楽施設「大世界」の一帯を本拠地にしていた。
当時の"青幇"には、最も若年の顔役である杜月笙(と げっしょう)がいた。
1925年に、彼は大公司を設立、アヘン市場の独占を図った
1930年代には事実上、中国全土のアヘン流通を支配していた。

杜月笙は、国民党が北伐を開始した1927年に、司令官の蒋介石と共闘戦線を組んだ。
4月12日の上海クーデターでは、多数の共産党員を処罰した。
杜月笙は、この功績から4月18日の南京国民政府成立時に将軍の地位を与えられた。
1929年には銀行を設立し、フランス租界内の莫大な資金を一手に吸い上げた。

1937年の日本軍の上海占領が起こると、杜月笙は蒋介石に従い、上海を脱出した。
1945年、杜月笙は上海に戻ったが、1949年に台湾や香港に脱出した。
杜月笙と一緒に香港に到着した"青幇"も、1951年に彼が死ぬと力を失った。
その後、"青幇"は、1950年代半ばには消滅したといわれている。

なお、"青幇"は組織としては消滅したといわれている。
だが、現在の香港や台北の地下社会には、"青幇"の要素が色濃く残っている。
このことから、"青幇"は残存するという説も、一部の研究者の間で考えられている。
実際に、華僑の中にも、そのような証言が見られる。
(Wikipediaより)

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