2020年2月3日月曜日

銘柄を明かさない理由R302 無敗の個人投資家たち~スプリングベルの場合~(後編)

第302話 無敗の個人投資家たち~スプリングベルの場合~(後編)

スイス銀行とは、スイスを拠点とした銀行の総称、もしくは通称である。
スイス銀行法は1934年銀行法で知られ、中世以来銀行秘密を認めていた。
だが、UBSやクレディ・スイスの脱税幇助で修正された。
これら2大銀行は、資産管理額で、国内の預金の半分以上を管理している。

スイスのプライベートバンクは、ナンバーズアカウントを開設できるスイス銀行である。
口座名義までが契約者の任意の番号で管理され、匿名口座は守秘性が非常に高い。
プライベートバンクは個人銀行家、プライベートバンカーが経営している銀行である。
世界の富豪に愛用されてきた長い伝統と実績、および高い守秘義務の規定がある。

口座の顧客の身元を知っているのは、担当者とごく一部の上層部に限られている。
仮に、口座番号が漏れたとしても。そこから身元を割り出すことはできない。
口座番号さえわかれば、誰でも振り込みをすることはできる。
だが、口座番号を間違えると、守秘義務により、振り込んだ金は返ってこない。

プライベートバンクは、担当以外の従業員との接触を避ける仕組みになっている。
顧客は来訪の前に申請し、必ず決められた時間に来訪しなければならない。
エレベーターは担当者が待つ階にしか停止しないようになっており、施錠されている。
口座維持費が必要なので、最低でも常に1,000万円以上の残高を要する。

ジュネーヴはスイス西部、レマン湖の南西岸に位置するジュネーヴ州の州都である。
2011年の人口は約19万人、面積は15.93平方キロメートル、標高は375メートル。
チューリッヒに次ぐ、スイス第2の都市。
サレーヴ山、ジュラ山脈等に囲まれ、市内をアルヴ川、ローヌ川が流れている。

由緒あるプライベートバンクの本店が、ジュネーヴには集中している。
第二次世界大戦前には、国際連盟の本部が置かれたことでも知られている。
国際連合の専門機関など多くの国際機関が所在している国際都市である。
現在も、さまざまな条約の作成や国際会議が行われている。(wikipediaより)

昼下がりのジュネーブ某所。
個人銀行家であるプライベートバンカーの極秘会議が行われていた。
中世に建造された建物の薄暗い部屋には、数名の男女が集まっていた。
卓上のほのかな蝋燭の光が、集まった男女の顔をゆらぎながら照らしていた。

議長役の初老の男性が口を開いた。
「お忙しい中、会議に参集いただき感謝する。
早速だが、本日の討議を始めることにする。
提案者はスプリングベル、議題は"クーロンズ・アイ(九龍の眼)"」

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