2015年9月22日火曜日

「銭の戦争」完結に寄せて

愛読していた「銭の戦争」が、遂に完結した。
以下は、「銭の戦争 第一巻 魔王誕生」の紹介文である。

三井銀行で出世街道を歩む井深雄之介の次男として、
明治二十一年に誕生した享介は、両親でさえ恐れを抱く怜悧な若者に育った。
一高では同級生・九鬼周造と共に勉学に励み、吉原にも出入りしていた享介。
父に投機家としての才能を見出され、相場師の道を歩み出した彼の行く手には、
天国と地獄が待ち受けていた…。
角川春樹が発掘した超大型新人!
日露戦争を背景に、魔王と呼ばれた天才相場師を描く歴史ロマン。

主人公は、明治から大正、昭和の、激動の相場を生き抜いていく。
著者の波多野 聖氏は、元カリスマファンドマネージャー。
実際の相場や、実在した個性的な相場師達の描写には、圧倒的な迫力がある。
2012年の刊行から3年、今回の「銭の戦争 第十巻 魔王復活」で遂に完結である。

株の入門書を読むよりは、よほど、ためになる小説である。
読書の秋、何か面白い本がないか探している方には、オススメの本である。
内容については、ここでは、あえて詳しくは紹介しない。
サブタイトルを列記するので、面白そうだなと思った方は、一読して欲しい。
「銭の戦争 第一巻 魔王誕生」
「銭の戦争 第ニ巻 北浜の悪党たち」
「銭の戦争 第三巻 天国と地獄」
「銭の戦争 第四巻 闇の帝王」
「銭の戦争 第五巻 世界大戦勃発」
「銭の戦争 第六巻 恋と革命と大相場」
「銭の戦争 第七巻 紐育の怪物たち」
「銭の戦争 第八巻 欧州の金鉱」
「銭の戦争 第九巻 世界壊滅計画」
「銭の戦争 第十巻 魔王復活」

全十巻で完結だが、第十巻には続編への伏線らしき描写が多くある。
ファンとしては、続編を心待ちにしている。