2020年9月15日火曜日

【エッセイ】不景気、悲観時代には思い切った投資

本多静六という偉大なる相場師がいた。
彼は1866年(慶応2年)に貧農の家に生まれたが、苦学の末、東大教授になった。
「月給4分の1天引き貯金」で得た資金を元手に投資して、巨万の富を築いた。
定年を期に全財産を匿名で寄付、1952年(昭和27年)に85歳で没した。

自身は株式投資を始めた初期に、図書館で彼の著書「私の財産告白」を借りた。
帰って読み始めると、内容に引き込まれ一気読みしたことを覚えている。
その後、書店で「私の財産告白」を購入、ときおり読み返している。
彼の教えもシンプルであり、我々に数多くの教訓を残してくれている。

「貯金の問題は、要するに方法の如何ではなく、実行の如何である」
彼は通常収入の4分の1、臨時収入の全てを貯蓄し、残った費用で生活するよう努めた。
彼自身言っているが、収入の一定額貯蓄は、古来からある当たり前の貯蓄方法である。
彼の凄さは生涯、「月給4分の1天引き貯金」を実践したことである。

「二割利食い、十割益半分手放し」
彼は株で、思いがけない値上りがあった場合は二割益で利食い。
長い年月の間に、2倍以上になることがあれば、元本分を売って回収していた。
値下りした場合、いつまでも持ち続けるので、絶対に損はしないと彼はいう。

「好景気、楽観時代は思い切った勤勉貯蓄、不景気、悲観時代には思い切った投資」
不思議なことに、好景気になると投資を行い、不景気になると投資を手控える人が多い。
自身が運用するファンドでは、今年、過去最大規模となる投資を行っている最中だ。
なぜなら、彼の教えどおり、不景気、悲観時代には思い切った投資が必要だからだw

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