2024年1月10日水曜日

【小説】まとめ屋~vol.363~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Yは来ていないのか
Z:さっきまでいたわよ
X:あのバカ、俺を避けてんな
Z:wwwwwwwwww
X:ところで検察の取り調べって決まったのか
Z:ま~だ~な~の~よ
X:忘れた頃にあるのかもな
Z:警察からも同じこといわれたわw
X:ところでYの個人の相手ってどうなってんだ
Z:動きがあったみたいよ
X:何の動きだ
Z:訴えられてる人から連絡があったんだって
X:何の連絡があったんだ
Z:協力依頼らしいわw
X:裁判とかに出たりすんのか
Z:必要なら証人として出て欲しいってw
X:裁判とか好きだからな、あのバカ
Z:wwwwwwwwww
B:おつかれ
X:いたのか
B:連絡は訴えられた人の弁護士からあったんだけど
B:Yが知っている弁護士だったらしいよ
X:過去にYを訴えた弁護士なのか
Z:wwwwwwwwww
B:以前、別の事件で関りがあったみたいだよ
X:あのバカ、弁護士に知り合い多いからな
Z:私の相手の弁護士も知っているっていってたわw
B:いってたw
X:つきあいきれねえな、さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ~
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Zの相手から問い合わせがあるようですよ」、声をかけた男がいう。
「何の問い合わせだ」、声をかけられた男がいう。
「Zがいつ起訴されるかの確認だそうです」、声をかけた男がいう。
「よほど気になるんだろうな」、声をかけられた男がいう。
「頻繁に問い合わせしてくるそうです」、声をかけた男がいう。
「気持ちはわかるがな」、声をかけられた男がいう。
「焦っているんでしょうね」、声をかけた男がいう。
「かもな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

民事裁判における証人尋問、当事者尋問とは、訴訟の当事者や関係者へ行われる質問のことで、その結果は人的証拠として扱われる。民事裁判における証拠には、人的証拠と物的証拠があるが、基本的には、人的証拠よりも物的証拠が重視される。そのため、証人尋問は物的証拠の整理が一通り済んだ後に行われることが多く、証人尋問の段階では、裁判官の心証は固まっていることが多い。しかし、物的証拠だけでは判断できないような場面もあり、証人尋問での証言が決定的な証拠になり、裁判官の心証を左右することもある。
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでくださいw

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