2020年7月11日土曜日

銘柄を明かさない理由R339 ダブル・ジョーカー(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
もちろん、素人が書いた小説なので、プロの方が書いた小説の足元にも及ばない。
5人の無敗の相場師は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。

無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。
無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
無敗のキング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
無敗のエース(A)こと、アマネ オトヤである。

ちなみに本編に登場する無敗のジャックのモデルは、自身である。
自身がモデルだが、本名を含め、全ての点が自身と同じではない。
だが、今回、明らかになるジャックの出資者が現れる点は、自身との共通点だ。
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第339話 ダブル・ジョーカー(前編)

今から約100年前、日本を守る組織が誕生した。
その組織は、青島の戦いを指揮した軍人が創設した組織だった。
創設時、その組織はある危機感を持っていた。
ある危機感とは、欧米列強による日本を含む東南アジア各国の植民地化だった。

このままでは、日本も欧米列強に包囲され、やがて植民地となる。
組織が出した結論は、植民地となっている東南アジア各国の独立だった。
最終的に日本は敗れるだろう、だが東南アジア各国を独立させることはできる。
組織は自国を含む東南アジア各国のために、欧米列強に自由の戦いを挑んだ。

敗戦国にはなったが、組織は東南アジア各国を独立させることに成功した。
次は経済発展による国力の増強だ、敗戦下の日本で組織は活動を続けた。
戦後の高度成長は、その組織によるものだったといっても過言ではなかった。
彼らは有望な人材に目をつけると、次々と組織の一員とした。

官公庁や大手企業に自営業の店など、あらゆるところに組織の人間がいた。
この国に進出してきた外資系企業であっても、例外ではなかった。
組織はどこからも資金提供を受けておらず、活動資金は各々が負担していた。
日本を守る、その目的に賛同した者たちが集まった組織に名はなかった。

都内にあるマンションの一室。
その一室は、外資系証券会社に勤務する組織の男、通称"ジョーカー"の自宅だった。
"ジョーカー"は組織のデータベースで、ある男の素性を調べ終えたところだった。
男の名は、ジョウシマ ユウイチ、外資系保険会社の調査を請け負う会社の社員だった。

ジョウシマは、全国に94人確認されている無敗の個人投資家の1人だった。
ウォール街を発端とした暴落は、各国の相場に大きなダメージを残していた。
今回の暴落は、リーマン・ショックをはるかに超える暴落だった。
国内相場も例外ではなく、国内相場は先の見えない状態にあった。

そんな中、組織から"ジョーカー"に、ある指令がもたらされた。
無敗の個人投資家たちに、相場を回復するための協力を仰げとの指令だった。
ジョウシマは、94人中21人目に調べた無敗の個人投資家だった。
これまでに調べた20人と同じく、投資歴が長いにも関わらず、無敗の個人投資家だった。

さて、ジョウシマにどうコンタクトするか。
"ジョーカー"は、PCに表示されたジョウシマのデータを再度、読み返した。
この男、株のブログもやっているのか。
ジョウシマのブログを見つけた"ジョーカー"は、ある方法でコンタクトすることにした。

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