2015年3月14日土曜日

偉大なる相場師に学ぶ 邱永漢

誰でも「相場師」になることはできる。
「相場師」として成功するためには、学ばなければいけない。
学ばずに相場を張っても、失敗することは歴史が証明している。
幸いにも偉大なる相場師達は、我々に数多くの教訓を残してくれている。

邱永漢という偉大なる相場師がいた。
彼は1924年に日本が統治していた台湾で、台湾人の父と日本人の母との間に生まれた。
東大を卒業後、大学院で財政学を研究、日本および台湾の実業家として知られている。
1960年頃、200万円を元手に株を始め、わずか1年で5000万円に増やしたらしい。

株の名人として、また経営コンサルタントとして活躍した彼は「金儲けの神様」と呼ばれた。
作家でもあった彼は、資産運用や株式投資に関する多くの著書を出版している。
自身は彼の著書を読み、資産運用や株式投資に関する多くの基礎知識を学んだ。
彼の教えは、極めてシンプルでわかりやすいため、解説は不要である。

「そもそも大半の人はお金持ちになれない。
ですから、大事なのは『お金に対する自分の哲学を持つこと』なんです。
こんな生活が幸せ、こんなお金の使い方が幸せと、自分が納得できる暮らしを、
自分で選ぶことです」

「どんなに有利であっても、消費(学費、ピアノ、旅行等)のための借金は一切してはいけない。
入ってくる前に先に使ってしまう借金の癖がつくと、一生マイナス勘定で暮らすことになり、
水平線上に首を出すことすらできなくなってしまうものである」

「株式投資とは一口で言えば、成長する会社の株を安値の時に見つけて、
じっとガマンして持っておればいいのですが、大抵の人は株価の上げ下げに惑わされるので、
つい欲を出して痛い目にあわされるのです」

「毎年、50%平均の成長率を維持できる銘柄は、誰がどう言おうと必ずのように、
株価が大きく成長します。
従って、そういう株を見つけることができるか、見つけたらどんな大波の中を、
繰り返し潜ることになっても、じっと辛抱できるかということに尽きます。
私が『株の儲けはガマン料』と言っているのはそういう意味です」

「昨日買って今日あがったから『それっ、売れ』というのが、株式投資ではありません。
その時代時代に大きく成長する株を探し出して、一緒になって儲けを分け合うのが、
最も効率のよい株式投資だと私は信じているのです」

「株は上がり下がりの激しいもので、上がると思ったものが逆に値下がりするのは、
日常茶飯事なので、借金をキャピタル・ゲインでカバーすることは、株の名人でも、
至難の業に属する。よほど自信のある人でなければ、原則として借金による株式投資は
タブーなのである」

「どん底状態にあるときは、下手に動かずにじっとこらえることです。
そうすれば、かならず流れが変わってくる。そのときに、何をすればいいのか考えるのです。
ツキの流れが変わるには、時間が必要です。ピンチから脱出するためには、なんといっても、
忍耐が最大の条件なんです」

「『休む』といっても、『何もしないで居眠りをしておれ』という意味ではない。
『休む』ということは、『この次、どこからはじめるかについて準備をする』ことである」

自身の保有株の評価損益が大きくマイナスだった時期があった。
当時、彼の言葉にどれだけ勇気づけられたか、計り知れない。