2015年3月11日水曜日

偉大なる相場師に学ぶ 本多静六

誰でも「相場師」になることはできる。
「相場師」として成功するためには、学ばなければいけない。
学ばずに相場を張っても、失敗することは歴史が証明している。
幸いにも偉大なる相場師達は、我々に数多くの教訓を残してくれている。

本多静六という偉大なる相場師がいた。
彼は1866年(慶応2年)に貧農の家に生まれたが、苦学の末、東大教授になった。
「月給4分の1天引き貯金」で得た資金を元手に投資して、巨万の富を築いた。
定年を期に全財産を匿名で寄付、簡素な生活を続け、1952年(昭和27年)に85歳で没した。

自身は株式投資を始めた初期に、図書館で彼の著書「私の財産告白」を借りた。
帰って読み始めると、内容に引き込まれ一気読みしたことを覚えている。
先日、書店で「私の財産告白」を見つけたので、購入し久々に読んでみた。
彼の教えもシンプルであり、我々に数多くの教訓を残してくれている。

「貯金の問題は、要するに方法の如何ではなく、実行の如何である」
彼は通常収入の4分の1、臨時収入の全てを貯蓄し、残った費用で生活するよう努めた。
彼自身言っているが、収入の一定額貯蓄は、古来からある当たり前の貯蓄方法である。
彼の凄さは生涯、「月給4分の1天引き貯金」を実践したことである。

「二割利食い、十割益半分手放し」
彼は株を買う際は現金でしか買わず、思いがけない値上りがあった場合は二割益で利食い。
長い年月の間に2倍以上になれば、元本分を売って回収していた。
値下りした場合、いつまでも持ち続けるので、絶対に損はしないと彼はいう。

「好景気時代には勤勉貯蓄を、不景気時代は思い切った投資を、時機を逸せず巧みに繰り返す」
彼は上記を実践する理由として、以下を述べている。
相場の大変動ばかり心配していては、何事にも手も足も出せない。
投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、静かに景気の循環を洞察することだと。

自身は「私の財産告白」を読んでいなかったら、とっくに相場から退場していたかもしれない。
「私の財産告白」は1950年に刊行、2005年に単行本が刊行、2013年に文庫本が刊行されている。
先日、購入した文庫本をみると、2013年の初版第一刷だったことに驚いた。
個人的には、資産を増やしたいなら、一度は読んでおくべき名著だと考えている。