2023年11月26日日曜日

【小説】まとめ屋~vol.327~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Yは来ていないのか
Z:さっきまでいたわよ
X:あのバカ、何してんだ
Z:いろいろ忙しいみたいよ
X:前に押収されたPC戻ってきたのか
Z:ま~だ~な~の~よ~
X:おいおい、いつ戻ってくるんだ
Z:毎日、聞いてるんだけど教えてくれないの
X:ヤバいもの入れてたんじゃねえだろな
Z:そんなの入れるわけないでしょ
X:Yの資料の分析に時間がかかってるのか
Z:それはあるかもw
X:そういやYの個人の相手ってどうなってんだ
Z:一段落したみたいよ
X:長かったが、ようやく終わりか
Z:一段落したのは準備で、本番はこれからだってw
X:まだ終わらねえのか
Z:Yはしつこいからねw
X:Zもしつこいだろ
Z:私は竹を割ったような性格だっていわれてるわ
X:餅をついたような性格の間違いじゃねえのか
Z:wwwwwwwwww
X:準備って何の準備ができたんだ
B:おつかれ
X:いたのか
B:準備できたのは争点とかの整理らしいよ
X:整理すんのに時間かかりすぎだろ
B:相手の反応を見ながらなので時間がかかったみたいだよ
X:いつ終わるんだ
B:いつだろ
B:Yも餅をついたような性格だからねw
Z:wwwwwwwwww
X:つきあいきれねえな、そろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ~
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Zの相手の件ですが、いろいろ手を回しているようですよ」、声をかけた男がいう。
「いろいろって」、声をかけられた男がいう。
「知り合いの先生から、上の方に声をかけているようです」、声をかけた男がいう。
「あの相手ならやりそうなことだな」、声をかけられた男がいう。
「ZのPCの証拠がある以上、ムダな抵抗ですけどね」、声をかけた男がいう。
「抵抗する気持ちはわかるがな」、声をかけられた男がいう。
「今までの名声が地に落ちるわけですからね」、声をかけた男がいう。
「確かにな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

訴訟は裁判官という当事者以外の第三者の立場の者が判断する手続になる。事実関係を知らない第三者が事件の内容及び紛争の経緯を充分に理解できるようにしなくてはならない。例えば、「何時」「どこで」「誰が」「誰に対し」「何を」「どうした」のか、その結果「原告にどのような損害又は権利が生じ、原告はどのような権利を行使するのか」等について、時間的な順序に従って具体的に記載する必要がある。
ネットの誹謗中傷で多い理由が「誹謗中傷ではなく批判のつもりだった」。ネットニュースや他の人のコメントには、事実関係の一部分しか記載されていないことが多い。もし意見でなく批判するのであれば、内容や経緯を充分に理解した上で行う必要がある。
(参考:「訴状作成上の注意事項」裁判所ホームページ)
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでください。
タイトルを当初より予定していた「まとめ屋」に変更していますw

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