2023年11月2日木曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.304~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Yは来ていないのか
Z:さっきまでいたわよ
X:あのバカ、俺が来るから逃げたな
Z:ちょっと~聞いてよ
X:なんだなんだ
Z:今日、警察に家宅捜索されたの
X:マジか、炎上している相手に訴えられたのか
Z:そうみたい、PCとか持っていかれたわ
X:だから、ほどほどにしとけっていったろ
Z:いつ返してくれるのか教えてくれないの
X:新しく買うしかねえな
Z:PCはいいんだけど、中身がね
X:大事なデータが入ってたのか
Z:Yが送ってくれた相手の資料とか入ってたのよ
X:またYから送ってもらえばいいじゃねえか
Z:さっき、そういったんだけど
X:まさか、いやだっていったんじゃねえだろな
Z:必要ないと思って、消しちゃったんだってw
X:さすが、バカの極みだな
Z:ホントにねw
X:次回からはバックアップしとくこったな
Z:そうするわw
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ~見てただけのB
B:今、どうやってアクセスしてるの
Z:ナイショw
B:おやすみw

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「押収したZのPCに、告発状と証拠がありました」、声をかけた男がいう。
「どんな内容だ」、声をかけられた男がいう。
「ウラがとれれば、相手を起訴できそうです、声をかけた男がいう。
「そうか、ようやく動けそうだな」、声をかけられた男がいう。
「相手に訴えさせ、告発状を押収させるとは考えましたね」、声をかけた男がいう。
「虚偽告訴になるリスクを避けたんだろ」、声をかけられた男がいう。
「確かに、警察に押収させれば、告発にはなりませんからね」、声をかけた男がいう。
「『予告犯』を参考にしたんだろうな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

虚偽告訴罪(刑法172条)は、相手に刑事処分・懲役処分を受けさせる目的で、故意に、捜査機関や懲戒処分権者に対し、客観的事実と異なる虚偽の告訴を行うことをいう。
虚偽告訴を行った者は、3ヶ月以上10年以下の懲役に処される。
虚偽の告訴や告発をすると、警察や検察の捜査、裁判の手続きや審判等、国の適切な公務の妨害となる。これらによって逮捕され、無罪を主張し続けると最大22日間拘置所に拘置され、連日連夜にわたって警察の厳しい取り調べを受けることになる。また公判開始まで数ヶ月間、拘置される可能性がある。
虚偽の告訴や告発は、冤罪で犯罪者扱いされる恐怖を与えること、犯罪被害者に申告をためらわせることから、起訴された99.8%が有罪となっている。
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合、法的手続きをとられる方が多いです。
しかしながら、法的手続きの費用対効果は、決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
これらのリスクを回避するには、どうしたらよいか考えてみました。
なお、「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでください。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメしますw

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