2023年11月9日木曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.311~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
B:お疲れ
X:Yは来ていないのか
Z:今日は来てないわ
X:あのバカ、俺を避けてるな
Z:wwwwwwwwww
B:それはないと思うw
Z:Yの話してたんだけど、意見聞かせてくれる
X:なんの話だ
Z:Yの個人の相手がいるじゃない
X:当事者じゃねえのに裁判に関わろうとしてるやつか
Z:その相手なんだけど、Yが誘導してたんじゃないかって
B:今までの経緯を確認して思ったんだけど
B:相手から侮辱罪で訴えられたら、苦戦したと思う
B:名誉毀損罪で訴えるように誘導したんじゃないかな
X:どうやって誘導したんだ
B:名誉毀損罪で訴えた場合の予測を、相手に小出しする
B:相手が考えた結果、侮辱罪で訴えようとしたら、公訴時効が過ぎていた
B:小出しにすることで、公訴時効までの時間稼ぎをしたんじゃないかな
X:公訴時効ってなんだ
B:一定期間過ぎると、起訴できなくなることだよ
X:相手もバカじゃねえんだから、途中で気づくだろ
Z:私もそういったんだけどね
X:Yが気づかねえならわかるが、それはねえな
B:考えすぎかな
X:Yは法律とか詳しいかもしれねえが、国宝級のバカだぞ
Z:wwwwwwwwww
B:w
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ~
B:おやすみ
Z:Bのさっきの話、参考になったわ、ありがとね
B:どういたしまして

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Yの3年がかりの案件ですが、本社に家宅捜索が入りましたね」、声をかけた男がいう。
「報道されてたな」、声をかけられた男がいう。
「思ってたより早かったですね」、声をかけた男がいう。
「一斉告発されてるからな」、声をかけられた男がいう。
「その件ですが、Bが仕掛けたという噂があります」、声をかけた男がいう。
「RSI訴訟のときも同じ噂があったな」、声をかけられた男がいう。
「真相はわからずじまいでしたね」、声をかけた男がいう。
「彼らの噂は多いからな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

侮辱罪(刑法231条)は、事実を摘示せずに、公然と、人を侮辱した場合に成立する。
法定刑は、拘留又は科料となっている。
「事実を摘示しない」とは具体的事実を伴わないことで、「バ〇」「キ〇ガイ」「ブラック企業」などの誹謗中傷が該当する。「公然」とは、多数または少数に対して他に広まる可能性がある場合、もしくは不特定に対して知らせることで、インターネットの投稿なども、「公然」に該当する。
侮辱罪は被害者の告訴が必要な「親告罪」であり、名誉棄損された事実や行った人物を知ってから半年以内に告訴しなければ起訴することが出来ない。公訴時効は1年で、侮辱行為のときから1年以内に起訴する必要がある。
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
なお「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでくださいw

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