2024年2月24日土曜日

【小説】まとめ屋~vol.365~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
X:って誰もいねえのか
B:おつかれ
X:いたのか
B:さっきまでみんないたよ
X:一足遅かったか
B:Zの相手の件で盛り上がってたよw
X:どう盛り上がってたんだ
B:新たな告発者が現れたんだってw
X:どう現れたんだ
B:新証言が書き込まれたらしいよ
X:どこに書き込まれたんだ
B:あるサイトの掲示板
X:適当なこと書いたんじゃねえのか
B:当時の関係者しか知りえない内容だったらしいよ
X:Yのバカが書き込んだんじゃねえのか
B:それはないと思うw
X:誰が何の目的で書き込んだんだ
B:Zの相手と仕事したことがある人だと思う
B:その人も以前から告発したかったんじゃないかな
B:あくまで推測だけどね
X:これからどうなるんだ
B:Zは有利になるだろうね
X:つきあいきれねえな、さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Zの相手について、新証言があったようですね」、声をかけた男がいう。
「今、担当がウラをとっているらしい」、声をかけられた男がいう。
「新証言について、どう思われます?」、声をかけた男がいう。
「おそらく当時の関係者だろうな」、声をかけられた男がいう。
「補助参加するかもしれませんね」、声をかけた男がいう。
「かもな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

補助参加は、民事訴訟において他人間に係属中の訴訟の結果について利害関係を有する第三者が、当事者の一方を勝訴させることにより自己の利益を守るために、訴訟に参加する形態をいう(民事訴訟法42条)。
補助参加のうち、当事者適格はないが判決の既判力が及ぶ第三者の行う補助参加を、共同訴訟的補助参加という。
補助参加の例としては、保証人が債権者から保証債務の履行を求められて訴えを提起されている場合に、保証人が敗訴した場合、求償ないし法定代位による請求を受ける主債務者が保証人を勝訴させる目的で、保証人側に参加するような場合があげられる。
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでくださいw

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