2020年6月18日木曜日

銘柄を明かさない理由R333 禁断の代償(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
主要登場人物は、無敗の天然(10)こと、テンマ リナ。
無敗のジャック(J)こと、ジョウシマ ユウイチ。

無敗のクイーン(Q)こと、クジョウ レイコ。
無敗の大物相場師キング(K)こと、ジツオウジ コウゾウ。
通称"天使の笑顔をもつ男"、無敗の若き相場師エース(A)こと、アマネ オトヤ。
無敗の若き相場師エースこと、アマネ オトヤはイケメンの設定である。

「銘柄を明かさない理由R」も、第26章に突入する。
サブタイトルは「Nobody rings a bell(ベルを鳴らしてくれる人などいない)」
ストーリーは固まっていないが、登場人物たちが作ってくれるだろうw
それでは、「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第333話 禁断の代償(前編)

上海市の高級マンションの一室。
学校から帰ってきたマチルダは、家庭教師の日本人の男に日本語を教わっていた。
マチルダは、劉宋明(りゅうそうめい)の再婚相手、レナールの娘だった。
「日本語は難しいわ」、ブロンドの髪をポニーテールにしたマチルダがいう。

「どこが難しいのかな」、アマネ オトヤがマチルダにたずねる。
「なにもかもよ、あ~ホント、ワケわかんない」、マチルダがいう。
「どうしたらいいのかな」、アマネ オトヤがいう。
「しっかりしてよね、先生」、マチルダが呆れた様子でいう。

そのとき、2人がいる部屋のドアがノックされた。
「そろそろ時間ですよ」、ノックしたのはマチルダの母親、レナールだった。
マチルダは急いで勉強道具を片付けると、部屋のドアを開け、玄関へ向かった。
「今夜は友達と食べてくるから」、いうとマチルダは外へ出かけた。

マチルダを見送ったレナールは、アマネ オトヤを振り返りいった。
「先生、お茶を入れるので、ゆっくりしていってください」
アマネ オトヤは、レナールの後に続いて、リビングダイニングへ向かった。
いつも、家庭教師が終わったあと、ダイニングテーブルでお茶をご馳走になっていた。

アマネ オトヤは、いつものようにダイニングテーブルのイスに腰掛けた。
そのとき、玄関ドアが開く音がした。
レナールはアマネ オトヤを見ると、玄関へ向かった。
「あなた、お帰りなさい。今日は早いのね」、玄関からレナールの声が聞こえた。

「仕事が早く終わったのでな」、男の声が聞こえた。
リビングダイニングに、40代後半のオールバックでスーツ姿の男が現れた。
40代後半のオールバックでスーツ姿の男は、この家の主でレナールの再婚相手だった。
中国の武器である青龍刀を思わせる男、劉宋明だった。

「これはこれは、先生じゃありませんか。どうか、ゆっくりとしていってください。
おい、お前、先生に夕飯を用意して差し上げろ」、劉宋明がレナールに命じる。
「もう帰りますので、お気遣いは無用です」
アマネ オトヤがイスから立ち上がりながらいう。

「まあまあ、先生、いいじゃありませんか。妻の手料理は絶品ですよ」
劉宋明がアマネ オトヤに笑顔でいう。
「それでは、お言葉に甘えて」、しかたなくアマネ オトヤは劉宋明にいった。
やがて、レナールが料理を運んできて、夕食が始まった。

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