2018年8月29日水曜日

銘柄を明かさない理由R197 恐怖の黒歴史(後編)

第197話 恐怖の黒歴史(後編)

独立した強力な連邦政府機関であるSECでさえ、証拠を掴めなかったのか。
JOKERは組織からのメールを解読しながら読み進めた。
次のBABYについて書かれた内容に、JOKERは驚愕した。
あ、ありえない、いったい奴は何者なんだ。

JOKERが驚愕した組織からのメールの内容は以下だった。
「最初に、BABYの噂が流れたのは、1857年恐慌とされている。
1857年恐慌は、アメリカ合衆国で生じた初めての世界規模の経済危機だ。
発端となる鉄道株の下落を仕掛けたのは、BABYだといわれている。

次に、BABYの噂が流れたのは、1929年のウォール街の株価大暴落。
世界恐慌のきっかけとなった最初の暴落は1929年10月24日に起こった。
「暗黒の木曜日」と呼ばれたこの日だけで、投機業者の自殺者は11人に及んだ。
「悲劇の火曜日」の29日に更なる暴落が起こったが、仕掛けたのはBABYらしい。

次に、BABYの噂が流れたのは、1987年のブラックマンデー。
1987年10月19日に、ニューヨーク証券取引所を発端に起こった。
史上最大規模の大暴落でフィデリティ・インベストメンツが猛烈な売り逃げをした。
フィデリティは最初の30分で全体の25%を売ったが、売りはBABYの指示らしい。

直近で、BABYの噂が流れたのは、2008年のリーマンショック。
9月15日のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス経営破綻を発端に起こった。
リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの負債総額は約6000億ドル。
合衆国史上最大の企業倒産による株価暴落、この仕掛け人もBABYだといわれている」

最初にBABYの噂が流れたのが1857年だと、JOKERは驚愕した。。
それが本当なら160年、いや、それより前に奴は生まれていたことになる。
常に恐怖の黒歴史にいたBABY、あ、ありえない、いったい奴は何者なんだ。
JOKERが求める答えが、続きにあった。

「最初に噂が流れたのが1857年であることから、我々は1つの結論に辿りついた。
BABYは人ではなく、コンピュータのプログラムという結論だ。
調査の結果、BABYの開発者は英国人女性、エイダ・ラブレスということが判明した。
エイダの死後、BABYは進化し続け、AI(人工知能)になったこともわかった。

現在、我が国を含めた先進国で、BABY主催の株式投資セミナーが開催されている。
我々が確認しただけで開催国は十数カ国、正確な受講者数は把握できていない。
BABY本体の所在、セミナーを開催している目的も把握できていない。
至急、国内の相場師たちへBABY情報を提供しろ。だが決して情報元は明かすな。以上」

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