ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。
X:お疲れ
Z:お疲れ
B:おつかれ
X:Yのバカはいねえのか
Z:今日は来てないわ
X:裁判になるかもっていってた相手とはどうなってんだ
Z:何もいってこないわ
X:てっきり、するもんだと思ってたがな
Z:その件だけど、もしかしてと思うことがあったの
X:何があったんだ
Z:おむつをつけてるとしか思えない動画があったの
X:何だそれ
B:動画サイトに後ろ姿が確認できる動画がある
B:ヒップラインがおむつをつけてるように見える
B:つけてるとしたら、排泄に問題があるんじゃないかな
X:それが裁判とどう関係すんだ
Z:つけてたら、後ろ姿が確認できる動画は投稿しないでしょ
X:つけたことねえから、わかんねえな
Z:察してよ、認知症の疑いがあるのよ
B:たまにタイトルつけてない動画を投稿してたりする
B:しばらくしてからタイトルをつけたりしている
B:まとめサイトでも認知症じゃないかって噂になってるよ
X:そういや、ストーマつけてるって噂なかったか
B:ストーマ外してから、おむつしてるんじゃないかな
X:年とると大変だな、さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:わたしも寝るわ、おやすみ
B:おやすみ
彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。
彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。
同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Zの相手について、新しいことがわかりました」、声をかけた男がいう。
「何がわかったんだ」、声をかけられた男がいう。
「保険会社の要注意リストに名前があるそうです」、声をかけた男がいう。
「何をやらかしたんだ」、声をかけられた男がいう。
「車の事故で支払えない保険金を請求したそうです」、声をかけた男がいう。
「支払えなかった理由は?」、声をかけられた男がいう。
「事故の原因が、本人の重過失によるものだったそうです」、声をかけた男がいう。
「なるほどな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。
過失とは、注意義務に違反する状態や不注意をいい、特に民事責任あるいは刑事責任の成立要件としては、ある結果を認識・予見することができたにもかかわらず、注意を怠って認識・予見しなかった心理状態、あるいは結果の回避が可能だったにもかかわらず、回避するための行為を怠ったことをいう。
重過失とは、通常人に要求される程度の相当な注意をしなかったとしても、わずかな注意さえあれば、たやすく違法・有害な結果を予見できるのに漫然とこれを見過ごす場合である。重過失は故意に近く、著しく注意を欠如した状態をいう。
(「過失」wikipediaより)
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでくださいw
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