2024年10月19日土曜日

【エッセイ】訴訟に関わって思ったこと

金融庁に出向中の裁判官が、証券取引等監視委員会の強制調査を受けていたらしい。
TOB(株式公開買い付け)などの企業情報を元に株取引を行った疑いがあるらしい。
もし、事実なら、金融商品取引法違反(インサイダー取引)になるかもしれない。
自身はいくつか訴訟に関わったことがあるが、関わって思ったことを書いてみるw

訴訟に関わるまでは、双方の弁護士が法律を駆使して、争う場だと思っていた。
ところが、実際に関わってみると、イメージとは異なっていた。
確かに法律を駆使するのだが、法律に詳しくない自身にもわかる内容だった。
考えてみると当たり前で、他の人が理解できないと、判断することができないw

裁判官もそうだが、弁護士だからといって、全ての法律を覚えているわけではない。
依頼があってから、関連する法律や過去の判例を調べることになる。
調べた内容を、裁判官や相手の弁護士が理解できるように伝えることになる。
個人的には、プレゼン的なスキルも必要ではないかと思ったw

ある訴訟に関わった際、争点が専門的な内容だった。
最初、裁判官は、自身たちに非があるような言い方をしてきた。
事前に用意していた資料を元に、裁判官へ争点について説明した。
すると、裁判官から「よくわかりました」といわれたw

別の訴訟では、相手の弁護士が争点とは関係のないことを主張してきたことがある。
当然ながら、裁判官はスルーして取り合わなかった。
裁判官や弁護士は、次元の違う世界の人というイメージがあるかもしれない。
自身は訴訟に関わって、彼らも同じ人間なのだということがわかったw

冒頭の強制調査を受けた裁判官は30代らしい。
過去の訴訟で若い裁判官が担当だったことがあるが、そのときの裁判官かもしれない。
もし上昇相場でなければ、企業情報を元に株取引していなかったかもしれない。
"市場を動かすのは恐怖と欲望"といわれるが、この裁判官は欲に負けたのかもしれないw
(「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」より)

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