2024年6月28日金曜日

【小説】まとめ屋~vol.379~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
B:おつかれ
X:Yのバカはいねえのか
Z:さっきまでいたわよ
X:ニュースになったネットストーカーについて何かわかったのか
Z:さっきもその話してたのよ
X:何の話だ
Z:ストーカーになった原因は家にあるんじゃないかって
X:家族との人間関係か
Z:生活環境とかよ
X:話が見えねえな
B:家は一戸建てなんだけど、周囲と比べると土地が狭いらしい
B:南側が高台になってるので、日当たりもよくないらしい
B:敷地が道に2mしか接してないので、駐車場も作ってないらしいよw
X:えらく条件のわりい土地に住んでんだな
Z:そのぶん値段は安かったんじゃないかしら
B:家は地元のローコストメーカーで建てたみたいだよ
B:外壁を貼り分けたりしてるけど、見る人が見れば、高くないのがわかるらしい
B:以前、そのメーカーの家に強度不足があって、問題になったらしいよw
X:土地もイマイチで、家もイマイチか
Z:最寄り駅からも結構、距離があるみたいだしね
X:なぜ自分だけがこんな家にって思いがあるのかもな
B:あくまでも推測だけど、可能性はあると思うよ
X:あのバカはこれからどうするつもりなんだ
B:裁判している相手と関係がないか、調べてるらしいよ
Z:ネットの情報集めたり、近隣への聞き込みもしてるらしいわ
X:あのバカもヒマだな、さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:わたしも寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「ニュースになったネットストーカーが住む家か」、声をかけられた男がつぶやく。
「ネットストーカーの家がどうかしたんですか」、声をかけた男がいう。
「たしか、民事では女性の言い分が認められたんだよな」、声をかけられた男がいう。
「女性への謝罪文と損害賠償の支払い命令が出ています」、声をかけた男がいう。
「高齢者は命令に応じたのか」、声をかけられた男がいう。
「いずれも応じていないようです」、声をかけた男がいう。
「このまま逃げるつもりか」、声をかけられた男がいう。
「ニュースになってますからね、逃げられないと思いますよ」、声をかけた男がいう。
「そうだな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

都市計画区域内で建物を建てる場合、原則として幅員4m(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上)の建築基準法上の道路に、2m以上接した敷地(土地)でなければならないと定めている。そのため1つの土地を分割して販売する場合などでは、道路から離れた奥まった土地の一部を敷地延長させ、ギリギリ2mだけ道路に接するようにしているケースが多い。ちなみにこうした形状の土地を「旗竿状地」といい、旗竿の竿の部分が敷地延長した道路に当たる。また、旧市街地内の土地を購入する際に多いのが、敷地に接している道路の幅が4mに満たないケースである。この場合は、道路の中心線から2m敷地の縁を後退させなければならない。これを「セットバック」という。
(「接道義務」SUUMOホームページ)
「予告犯」筒井哲也氏より
-------------------------------------------------------
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでくださいw

0 件のコメント:

コメントを投稿