2019年8月13日火曜日

【エッセイ】人の行く裏に道あり花の山

「人の行く裏に道あり花の山」
株式投資の格言といえば、何をおいてもまず出てくるのが、この言葉である。
投資家は、とかく群集心理で動きがちだ。いわゆる付和雷同である。が、それでは大きな成功は得られない。むしろ他人とは反対のことをやった方が、うまくいく場合が多いと説いている。
大勢に順応すれば、確かに危険は少ないし、事なかれ主義で何事によらず逆らわないのが世渡りの平均像とすれば、この格言、多分にアマノジャク精神に満ちている。だが、人生の成功者は誰もやらないことを黙々とやってきた人たちであり、欧米では「リッチマンになりたければ“孤独”に耐えろ」と教えるのが通例。人並みにやっていたのでは、人並みの結果しか得られないというわけだ。
株式相場は、上げばかりでもなければ、下げばかりが続くこともない。どこかで転機を迎える。その転機を、どうしたらつかめるか。四囲の環境や材料から続み取るのは、むろん大切なことだが、大勢があまりにも一方へ偏り過ぎたときなどには、この格言を思い出すことだ。(日本証券業協会ホームページより)

「人の行く裏に道あり花の山」は、自身も好きな相場格言だ。
同様の格言は数多くあるが、江戸時代の相場師、本間宗久はこれを極意としている。
「米だんだん下げ、人気も揃い弱く、何程下がるも知れがたく、わが考えも弱かるべしと思う節、心を転じ買い入れるべきなり。この思い切り、海中に飛び入る心持ち甚だ成しにくきものなれど、その節疑いの気を生ぜず買うべし。きわめて利運なり。下げと見込むとき、思い入れの通り下がるものなれば心易きものなれど(わけはないが)、人気下がると片寄るときは、かえって上がるものゆえ考えに及ばざるなり。上げも同断。すなわち海中に飛び込む心持ち、極意なり」(宗久翁秘録より)

相場が下落し、買い向かうとき、自分だけが買おうとしているのではないかと思う。
まさしく、相場における「孤独」の真骨頂である。
この局面で買い向かうことこそが、宗久翁のいう極意なのかもしれないw

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