2024年5月12日日曜日

【小説】まとめ屋~vol.371~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
B:おつかれ
X:Yはいねえのか
Z:今日は来てないわ
X:Zの相手もだけど、身元特定されたやつ大丈夫か
Z:?
X:住所とか晒されたりしてんじゃねえのか
B:どちらも晒されたりはしてないみたいだよ
X:他にも特定してるやついるんじゃねえか
B:特定している人は多いと思うよ
Z:どちらもまとめサイトができてるしね
X:家凸するやつとか出てくるんじゃねえか
Z:すでにされてるかもね
B:どちらもマンションだから大丈夫じゃないかな
X:マンションでもオートロックなけりゃ困んだろ
Z:わたしの相手はオートロックありよ
B:Yの相手もオートロックありらしいよ
X:相手は身元特定されたこと知ってんのか
Z:たぶん知ってるんじゃない
B:Yの相手も知っているだろうね
X:相手も気が気じゃねえだろうな
Z:自業自得とはいえね
B:一番困っているのは関係先への告発だと思うよw
X:だろうな、Zもバカ様もしつけえからな
Z:わたしはしつこくないわよ
X:どう見てもしつけえだろ
Z:wwwwwwwwww
B:いずれ収まるだろうけどねw
X:つきあいきれねえな、さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:わたしも寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「嘘の住所を書いた裁判で新しいことはあったか」、声をかけられた男がいう。
「今のところ目立った進展はないですね」、声をかけた男がいう。
「原告はどうしてる?」、声をかけられた男がいう。
「相手の情報発信はしているようです」、声をかけた男がいう。
「まとめサイトとか作っているのか」、声をかけられた男がいう。
「そこまではしていないようです」、声をかけた男がいう。
「個人のサイトでの情報発信か」、声をかけられた男がいう。
「ええ、ただ最近は落ち着いているようです」、声をかけた男がいう。
「なるほどな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

告訴・告発は、検察官や司法警察員に対して犯罪を申告し、国による処罰を求める刑事訴訟法上の訴訟行為である。マスメディア等では刑事告訴・刑事告発ということもある。
このうち、犯罪の被害者等の告訴権者が刑事訴訟法230条に基づいて行うものが告訴であり、市民一般が刑事訴訟法239条1項に基づいて行うものが告発である。
なお、刑事訴訟法に基づく「告発」と、マスメディア等で一般的に用いられる言葉としての「告発」や「内部告発」とは法的に異なるものである。
(「告訴・告発」wikipedia)
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでくださいw

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