2019年2月5日火曜日

銘柄を明かさない理由R249 ケルンの騎士団(前編)

本ブログには、自身が初めて書いた小説「銘柄を明かさない理由R」がある。
5人の無敗の相場師、ロイヤルストレートフラッシュの物語である。
そして彼らを取り巻く人々の物語でもある。
もちろん、素人が書いた小説なので、プロの方が書いた小説の足元にも及ばないw

主要登場人物は、無敗の天然こと10(テン)、無敗の相場師J、無敗のクイーンことQ。
無敗の大物相場師キングことK、無敗の若き相場師エースことAである。
一旦、完結していたが、続きを書きたくなったので再開した。
再開したのは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」w

自身としては「ベイビーワールドエンド編」が終われば、休載するつもりだった。
だが、昨年から相場が下がり続けていることもあり、続きを書きたくなってきた。
全てのストーリーは決まっていないが、あとは登場人物が動いてくれるはずだ。
それでは、続編「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第249話 ケルンの騎士団(前編)

ケルンは、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘンに次いで4番目に大きな都市である。
ヨーロッパでは1,000万人以上が住む大都市圏の一つである。
市内にはケルン大聖堂があり、カトリック教会のケルン大司教の拠点がある。
第二次世界大戦まで、ケルンは他国の支配を幾度か経験している。

第二次世界大戦中、ドイツの都市の中でも最も多くの空襲を受けた都市の一つだった。
イギリス空軍(RAF)によって34,711トンの爆弾が都市に落とされた。
この空襲でケルンの人口は95%減少し、市街地のほとんどが破壊された。
第二次世界大戦では、激しい空爆を受けてケルン市内の9割の建造物が破壊された。

1945年3月からはドイツ軍とアメリカ合衆国軍との間で激しい市街戦となった。
同年3月5日陥落したが、ケルン大聖堂だけは奇跡的にも完全には崩壊しなかった。
崩壊しなかったケルン大聖堂は、絶望の淵に陥っていた市民に希望を持たせた。
2015年には、移民による大晦日集団性暴行事件が起き、ドイツ全土に衝撃を与えた。

ドイツのケルンにあるケルン大聖堂は、ゴシック様式の大聖堂である。
正式名称は、ザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂。
ゴシック様式の建築物としては世界最大である。
大聖堂の維持管理は、主にケルン大聖堂中央建築協会によって担われている。

1945年2月、深夜、ケルン大聖堂の一室。
蝋燭のみで照らされた簡素な部屋に、2人の男が向かい合って立っていた。
1人は年老いたケルン大聖堂の年老いた主席司祭だった。
もう1人の男は、金髪、青い目、長身、やせ型のアーリア人の特徴を持つ若い男だった。

年老いた主席司祭が、アーリア人の特徴を持つ若い男に古びた杯を掲げて見せた。
「この杯は、最後の晩餐のとき用いられた杯、聖杯だ。
イエスと弟子たちの最後の晩餐に使われ、十字架上のイエスの血を受けたものだ」
いうと、主席司祭は聖杯にぶどう酒を注ぎ、若い男の前に差し出した。

「ケルンの騎士となることを誓うか」、主席司祭がいう。
「ケルンの騎士となり、この身を捧げることを誓います」
若い男はぶどう酒が注がれた杯を受け取ると、一気に飲み干した。
ぶどう酒を飲み干した若い男は、ひざまずいて頭をたれた。

部屋の木製ドアが開き、数名の男が入ってきた。
入ってきた男たちは、若い男を取り囲んだ。
取り囲んだ男の1人が、若い男にいった。
「ケルン騎士団への入団を認めよう」

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