2023年9月15日金曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.256~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Yは来ていないのか
Z:さっきまでいたわよ
X:あのバカ、俺が来るから逃げたな
Z:ちょっと~聞いてよ
X:なんだなんだ
Z:前にYに頼まれてサイト作ったじゃない
X:検索されても表示されないとかいってたやつか
Z:そそ、さっき聞いたら使ってないんだって
X:なんで使ってないんだ
Z:検索しても表示されないから人が来ないらしいわ
X:なんだ、そりゃ
Z:作るのにどれだけ時間かけたと思ってんのよ
X:Yは何に使おうとしてたんだ
Z:前からの相手のまとめサイトにするつもりだったみたい
X:相手って、会社じゃなく個人のやつか
Z:そそ
X:個人相手のやつ、まだやってんのか
Z:wwwwwwwwww
X:で、サイトを作り直してくれっていわれたのか
Z:それが誰かが作ってくれたので、いいって
X:そりゃ俺でも怒るわ
Z:でしょ、ホントに何考えてるのかしら
X:何も考えてないんだろな、Yは
Z:wwwwwwwwww
X:しかし、個人相手のやつも長いな、どうすんだろ
B:おつかれ
X:いたのかB
B:裁判に向けて、準備しているみたいだよ
X:Yは当事者じゃねえんだろ、何を準備してんだ
B:裁判が始まれば参加するみたいだよ
B:証人で参加するか、補助参加するかは決まってないらしい
B:こないだも弁護士と打ち合わせしたっていってた
X:あのバカ、裁判が趣味みたいなもんだからな
Z:wwwwwwwwww
X:相手に同情するわ
Z:wwwwwwwwww
B:w
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Yの3年越しの案件ですが、かなり影響が出てますね」、声をかけた男がいう。
「こないだも報道されてたな」、声をかけられた男がいう。
「先日、相手からお偉いさんに相談があったらしいですよ、声をかけた男がいう。
「相手にしなかったんだろ」、声をかけられた男がいう。
「かなり、しつこかったようです」、声をかけた男がいう。
「おそらく不安なんだろうな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

補助参加とは、民事訴訟において他人間に係属中の訴訟の結果について利害関係を有する第三者が、当事者の一方を勝訴させることにより自己の利益を守るために、訴訟に参加する形態をいう(民事訴訟法42条)。
補助参加のうち、当事者適格はないが判決の既判力が及ぶ第三者の行う補助参加を、共同訴訟的補助参加という。
例としては、保証人が債権者から保証債務の履行を求められて訴えを提起されている場合に、保証人が敗訴した場合、求償ないし法定代位による請求を受ける主債務者が保証人を勝訴させる目的で、保証人側に参加するような場合があげられる。
(参考:「補助参加」wikipedia)
「予告犯」筒井哲也氏より

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