2023年10月25日水曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.296~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Yは来ていないのか
Z:さっきまでいたわよ
X:あのバカ、俺が来るから逃げたな
Z:Xが来そうだから落ちるっていってたわw
X:あのヤロー
Z:wwwwwwwwww
X:そういや、Zの相手って、どうなってんだ
Z:どの相手?
X:おいおい、相手っていったら1人だろ
Z:最近、増えたのw
X:なんだ、そりゃ
Z:例の炎上した相手なら、燃えまくってるわw
X:鎮火しそうなのか
Z:さあねw
X:ほどほどにしとけよ、Yの相手はどうなってんだ
Z:行政?個人?
X:どっちも
Z:行政とは直接、会って話をしたみたいよ
X:よくやるな、個人の方はどうなってんだ
Z:炎上してるらしいけど、詳しくは聞いていないわ
B:おつかれ
X:いたのか
B:いろいろ調べてるみたい
B:相手の関係先とかに問い合わせたりしてるみたい
X:聞いても教えてくれるわけねえだろ
Z:情報拡散したいんでしょw
X:Yは裁判に参加すんのか
B:まだ決まってないらしい
B:参加するなら証人じゃなく補助参加がいいとはいってた
X:バカにもヒマにもほどがある
Z:wwwwwwwwww
B:w
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Yの3年越しの案件ですが、報告書が出てましたね」、声をかけた男がいう。
「第三者による報告書か」、声をかけられた男がいう。
「ざっと目を通したんですが、ほぼYが話していた通りでしたね、声をかけた男がいう。
「まとめ屋の情報は精度が高いからな」、声をかけられた男がいう。
「どうやって情報を手に入れているんでしょうね」、声をかけた男がいう。
「さあな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

補助参加とは、民事訴訟において他人間に係属中の訴訟の結果について利害関係を有する第三者が、当事者の一方を勝訴させることにより自己の利益を守るために、訴訟に参加する形態をいう(民事訴訟法42条)。
補助参加のうち、当事者適格はないが判決の既判力が及ぶ第三者の行う補助参加を、共同訴訟的補助参加という。
例としては、保証人が債権者から保証債務の履行を求められて訴えを提起されている場合に、保証人が敗訴した場合、求償ないし法定代位による請求を受ける主債務者が保証人を勝訴させる目的で、保証人側に参加するような場合があげられる。
(参考:「補助参加」wikipedia)
「予告犯」筒井哲也氏より

0 件のコメント:

コメントを投稿