2023年8月23日水曜日

【小説】暴走している株ブログに思うこと~vol.233~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Yは来ていないのか
Z:さっきまでいたわよ
X:あのバカ、俺が来るから逃げたな
Z:最近、相談が多くて忙しいみたいよ
X:仕事じゃなくて趣味のほうか
Z:そそ、トラブル支援
X:あのバカ、トラブルに首つっこみたがるからな
Z:wwwwwwwwww
X:趣味がトラブル支援ってヒマすぎるにもほどがあんだろ
Z:wwwwwwwwww
X:なんで、そんなこと趣味にしてんだろな
B:おつかれ
X:いたのかB
B:前に聞いたら、困っている人助けるのに理由はないっていってたよ
X:本業もそっち系なのか
B:じゃないかな、訴訟経験もあるみたいだし
B:弁護士から依頼されて意見書を書いたりもしてるみたい
B:専門委員を目指していたこともあるらしいよ
X:専門委員ってなんだ
B:裁判官に専門的なことを教える人
B:でも日当が安いからやめたらしいよw
X:日当が安いってのは言い訳だな
Z:wwwwwwwwww
X:Yの意見書って役に立ったのか
B:証拠資料として採用されたらしいよ
X:意見書って、いくらくらいするんだ
B:書く内容によるんだろうけど、多い人だと100万円越えとかあるみたいだよ
X:Yは金払って書かせてもらってたりして
Z:wwwwwwwwww
B:w
X:さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:私も寝るわ、おやすみ
B:おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「たまに参考になる情報があるからな」、声をかけられた男がいう。
「Yの3年越しの案件ですが、大きな事件になりそうです」、声をかけた男がいう。
「どう大きくなるんだ」、声をかけられた男がいう。
「関係者によると、社会的影響が大きいらしいです、声をかけた男がいう。
「証拠は押さえられたのか」、声をかけられた男がいう。
「すでに有力な証拠を押さえているようです」、声をかけた男がいう。
「特番で報道されるかもな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

専門委員とは、高度に専門的・技術的な事項が争点となる訴訟(専門訴訟)において、裁判所が、専門的知見に基づく説明を聞くために、客観的・中立的なアドバイザーとして選任して訴訟手続に関与させる専門家で(民事訴訟法92条の2)、その身分は非常勤の裁判所職員になる(民事訴訟法92条の5第3項)。
科学技術の高度化に伴い、審理の対象とする事項は、その理解に高度に専門的・技術的な知識を要するものが増加している。だが、裁判官にあらゆる分野の専門的知見を備えさせることは不可能なことから、専門訴訟の審理に必要な専門的知見を裁判所に供給することを目的に、専門委員制度が導入されている。
「予告犯」筒井哲也氏より

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