プロスペクトとは英語のProspectのことであり、期待や予想、見込みなどのニュアンスを持つ。プロスペクト理論はリスクを伴う状況下での判断分析として、米カーネマン氏らが1979年に公表した論文のタイトル名。
プロスペクト理論により、従来の投資効用理論では説明のつかない投資家の判断行動が現実に即した形で解明された。例えば、投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。
プロスペクト理論は行動ファイナンスや行動経済学と呼ばれる心理学の要素を応用した新たな経済学の分野を切り開いたとして、同氏は2002年のノーベル経済学賞を受賞している。
(野村證券ホームページより)
プロスペクト理論の元となった実験には、以下の2つの質問が用いられた。
質問1:以下の二つから選択しなさい。
A:100万円が無条件で手に入る。
B:コイン投げで表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
質問2:あなたは200万円の負債を抱えています。以下の二つから選択しなさい。
A:無条件で負債が100万円が減額される。
B:コイン投げで表が出たら全額免除されるが、裏が出たら負債額は変わらない。
質問1では、堅実性の高い「A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされている。
質問1で「A」を選んだほぼ全ての人が、質問2では「B」を選ぶことが実証されている。
利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先する。
ところが、損失に対しては、損失そのものを回避しようとする傾向があるらしいw
株式投資で勝つためには、多くの人と逆の行動をとることが必要になる。
したがって、質問1は、多くのリターンが得られる可能性がある「B」である。
質問2は、確実に負債(含み損)が減る「A」である。
仮に、質問1で「A」を選ぶことがあっても、質問2で「B」を選ぶことはないのであるw
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