2026年5月10日日曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP14 ホスピタル・パニック

【内容】
神崎教授とAIが事件を解決していくミステリー小説。
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち):元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。
・神崎悠季(かんざきゆき):神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI):神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる):警視庁 サイバー犯罪対策課。東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。
・上条雷人(かみじょうらいと):元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。東京中央技術大学 情報工学科2010年卒の神崎教授の教え子。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。

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EP14 ホスピタル・パニック

加藤がメールを開封すると、ランサムウェアがシステム内に侵入した。
侵入すると、ネットワーク内を探索し、管理者権限を奪取した。
管理者権限を奪取したことにより、全サーバーへのアクセスが可能になった。
重要な情報を外部へ送信すると。一斉にランサムウェアを実行した。

あれ、重いな…加藤がメールを開いた瞬間、マウスカーソルが固まった。
内部では、目に見えないスクリプトが、メモリ上へ静かに展開されていく。
数秒後、ファンの回転数が跳ね上がり、排気口から熱風が吹き出した。
CPU使用率が100%になり、ハードディスクのアクセスランプが点滅を繰り返す。

マルウェアが数万個のファイルを、猛烈な勢いで暗号化し書き換えているためだった。
画面上のファイルは、次々と見覚えのない白いアイコンに変わっていく。
ファイルの拡張子は、全て「.locked」に変わった。
中身は世界最強の暗号規格AES-256によって、意味を持たないランダムな文字列に変わった。

現在のスーパーコンピュータを全開で回しても、解読には宇宙の寿命以上の時間がかかる。鍵を持つ上条以外、このデータを元に戻せる者はこの世に存在しなかった。
加藤は指先を震わせ、強制終了のために電源ボタンを力任せに押し込んだ。
消えろ…消えてくれ…画面が真っ暗になると、加藤は深くため息をついた。

見なかったことにしよう。俺のせいじゃない。機械の故障だ。
定年まであと半年。余計なトラブルで評価を下げたくない。
加藤は平静を装い、ノートパソコンを閉じ、医療機器のカタログを見始めた。
出社した事務員たちがノートパソコンを開くと、しばらくして、次々に声がした。

「あれ、おかしいな…」、「ちょっと、私のパソコン変なんだけど」
事務員の田中が席を立ち、加藤の元へやってきていう。
「加藤さん、パソコンが変なので見てもらえます」
「えっ、あ、いや、私は…」、加藤は脂汗を浮かべて言葉を濁した、

「どうしたんですか」、騒然とする事務室に、場違いなほど平坦な声がした。
最年少の事務員の佐々木が、コンビニの袋を下げたまま自分の席に立っていた。
佐々木は、近くの事務員のノートパソコンの画面を覗き込み、いった。
「これ、ウイルスですよ。それもタチの悪いランサムウェア」

「う、ういるす…?」、加藤が震える声で聞き返すと、佐々木が答えた。
「ええ、誰かが不用意にメールの添付ファイルかリンクを開いたんでしょうね。
おそらく、全端末、ネットワーク経由で感染済みのはずです」
「佐々木くん、どうしたらいいの」、事務員の佐伯が聞く。

「もう手遅れですよ。電源切ったところで、中のデータは全部ゴミに変わってますよ」
佐々木は自分の席に座ったが、ノートパソコンを開こうとしなかった。
コンビニの袋から取り出した缶コーヒーを開けると、ため息をついた後に飲み始めた。
病院内に異常を知らせる非常ベルが鳴り響き始めた。

事務室を出た加藤は、重い足取りで最上階の病院長室へと向かった。
ドアをノックし、「どうぞ」という声がすると、ドアノブを回して、中に入った、
豪華なデスクに座り、窓の外を眺めていた病院長の長谷川が振り返っていう。
「加藤くん。朝から騒がしいが、何事かね。外来の受付が止まっていると連絡があったが」

加藤は佐々木から聞いた言葉を必死に思い出しながら、消え入りそうな声で告げた。
「その…システムが、ウイルスに。ランサム…なんとかというウイルスに」
事務室のPCは全滅。おそらく、院内の全システムも…」
「全システムだと? 電子カルテも、検査データもか?」、長谷川がいう。

「はい。ウチの佐々木の話では、ネットワークを通じてすべて感染したと。
復旧の目処は…立っておりません」、加藤がいう。
「…バカな。当院のセキュリティは万全だったはずだ」、長谷川の声が、怒りで震えている。加藤は、自分が開いたメールのことは、どうしても言い出せなかった。

「先生、現場(各診療科)からは悲鳴が上がっています。
手術の続行、人工透析の管理…どう指示を出せば…」、加藤がいう。
「…直ちに全館に非常事態宣言を出せ」、長谷川は絞り出すようにいった。
その顔からは血の気が失せ、先ほどまでの威厳は消え失せていた。

「救急車の受け入れは全面停止。今日の手術もすべて中止だ。
今の我々は巨大な箱の中に閉じ込められた無力な存在だ」、長谷川がいう。
「かしこまりました」、加藤は一礼すると、急ぎ足で退室した。
窓の外から、何も知らない救急車のサイレンが、国際流星病院に近づいてきていた。

救急外来の自動ドアが開くたびに、熱気と怒号が流れ込んできた。
「カルテが出ない! 患者の病歴もアレルギーもわからないぞ!」
「検査科から連絡です、血液検査の装置がサーバーエラーで止まったって!」
看護師は、真っ白になったモニターを前に、手書きのメモ用紙を手に立ち尽くしていた。

「70代男性、急性心筋梗塞の疑いです!」
何も知らない救急隊員がストレッチャーを運び込みながらいう。
「受け入れられません! システムがダウンして、何もできないんです!」、看護師がいう。
「なんだって!? もうすぐそこまで来てるんだぞ!」、救急隊員がいう。

「停電か!?」手術室に執刀医の叫びが響いた。
術野を映していた4Kモニターが砂嵐に変わり、聞き慣れない警告音が手術室を満たした。
「いえ、電源は生きてます。システムエラーです! 麻酔器のデータが同期されません!」
麻酔科医がダイヤルを回すが、デジタル制御された最新機器は、入力を一切受け付けない。

「血圧が下がってる! モニターが見えない状態で閉腹しろというのか!」
執刀医の手元を照らす無影灯だけが、術野を照らし出している。
「アナログの血圧計を持ってこい! 早く! 10年前の道具を全部引っ張り出すんだ!」
医師たちは、己の五感だけを頼りに、暗闇の中を泳ぐような戦いを強いられた。
【スクリプト(Script)】
コンピュータに対する命令をテキスト形式で記述した簡易的なプログラム。コンパイル(機械語への変換)が不要で、作成してすぐに実行できるため、定型業務の自動化やWebサイトの動的な処理に広く使われている。
【メモリ(RAM)】
パソコンやスマホがデータを一時的に記憶する「作業台」の役割を果たす高速な半導体記憶装置。容量(GB)が大きいほど、一度に多くの作業を高速に処理できる。主に8GB以上が一般的で、高負荷な作業には16GB〜32GB以上が推奨される。
【CPU】
中央処理装置。コンピュータの「頭脳」にあたり、データの演算、命令の実行、各装置の制御を行う最も重要な部品。性能が高いほど動作が快適になり、主にIntel(Core iシリーズ)とAMD(Ryzenシリーズ)が主流で、用途(オフィスワーク、ゲーム、動画編集)に合わせてコア数や動作周波数(GHz)が選ばれる。
【AES-256】
256ビットの鍵を使用する最高強度の共通鍵暗号方式。米国政府や世界中の金融機関が機密データ保護に採用する国際標準規格。スーパーコンピューターでも解読に数百兆年以上かかるとされる。総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)に対して実質的に免疫がある。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年5月9日土曜日

【エッセイ】宇宙の知的生命体とコンタクトできる確率

米国で、‌未確認飛行物体(UFO)⁠や宇宙人、地球外生命体に関する機密文書を公開。
米国​民に対し、「前例のない透明性」を提供するらしい。
ふと、宇宙の知的生命体とコンタクトできる確率を知りたくなった。
AI(人工知能)に確認して、わかったことがあるので書いてみるw

現状は、計算に用いる理論や仮定によって大きく変動するため、「正確な数値は不明」。
知的生命体が存在する確率は、代表的な考え方として以下の2つの視点があるらしい。
・楽観的な見方:銀河系だけでも100万もの文明が存在する。
・現実的・悲観的な見方:銀河系には地球人しかいないw

知的生命体とコンタクトできる確率は、存在確率よりもさらに低いと考えられている。
理由としては「距離と時間の壁」「文明の短命さ」「あえて隠れている」などがあるらしい。
「距離と時間の壁」は以下になる。
宇宙があまりに広大で、文明が発した信号が届く前にその文明が滅んでしまうw

いったい、どれくらい広大なのか、AIに確認した。
宇宙の大きさは「光年(光が1年間に進む距離)」で表される。
光は1秒間に約30万km(地球を7周半する速さ)進む。
つまり、1光年は約9兆4600億kmという膨大な距離になるw

太陽系の大きさは0.002光年。
太陽から一番外側の惑星(海王星)までは約45億kmあり、光の速さなら4時間ほど。
太陽系がある銀河系(天の川銀河)は、数千億個の星が集まった巨大な円盤状。
端から端まで移動するには、光の速さでも約10万年(約10万光年)かかるらしいw

太陽系は、銀河の中心から約2万6000光年ほど離れた「田舎」のような場所にある。
最も近い大型の銀河「アンドロメダ銀河」までは、約250万光年離れている。
もし、天の川銀河の知的生命体が地球人だけだった場合。
最も近くの知的生命体とは、約250万光年以上、離れていることになるw

理論と観測によって確認できている「観測可能な宇宙」の大きさがある。
この大きさは、直径で約930億光年(半径で約465億光年)の球状の範囲。
宇宙は広大なので、知的生命体が存在する可能性はある。
だが、距離があるため、会えるまでの時間を考えると、会える確率は低いw

理論と観測から、宇宙は約138億年前に誕生、光速を超える速さで膨張し続けている。
わかりやすいイメージとしては、水を注ぎ続けている水たまりが「宇宙」。
水たまりに浮かんでいる木の葉が「銀河」になる。
木の葉自体は広がらないが、木の葉と木の葉の間は広がっていくw

今まで、宇宙に知的生命体が存在する確率は高く、会える確率も高いと思っていた。
だが、「距離と時間の壁」を知り、会える確率が低いことがわかった。
地球の文明が長く続けば、会える確率が高くなる。
地球の資源で争うヒマがあるのなら、他の星の資源開発などで争って欲しいと思うw

宇宙は約138億年前に誕生したとされているが、大きさはわかっていない。
膨張し続ける理由は「ダークエネルギー」にあるとされている。
だが「ダークエネルギー」についても、わからないことが多いらしい。
宇宙の仕組みは、人間には理解できないのかもしれないw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP13 オーバーレイの始まり

【内容】
神崎教授とAIが事件を解決していくミステリー小説。
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち):元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。
・神崎悠季(かんざきゆき):神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI):神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる):警視庁 サイバー犯罪対策課。東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。
・上条雷人(かみじょうらいと):元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。東京中央技術大学 情報工学科2010年卒の神崎教授の教え子。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。

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EP13 オーバーレイの始まり

東京都中野区の警察待機寮。
8帖一間のワンルームには、最低限の家具と私物の高性能なPCと技術書があった。
近くのファーストフード店での夕食を終えて帰宅した佐藤波流はテレビを観ていた。
ニュース番組は、東京中央技術大学病院での火災について伝えていた。

非常電源装置で起こった火災は、何者かがドローンを使って起こしたらしい。
テレビは、火災の様子を捉えた空撮映像とドローンの飛行映像を流していた。
神崎先生と会っていた時に、火災が起こっていたのか。
佐藤は頭の中で、神崎と会うまでの経緯を振り返った。

きっかけは、7月から8月にかけて起こった複数の会社へのサイバー犯罪。
会社へランサムウェアが仕込まれたメールを送る。
メールを開封しただけで、ランサムウェアが会社のシステムを使えなくする。
端末には、復旧して欲しければ、身代金を払えという犯人からのメッセージが表示される。

支払い方法は暗号資産で、個人名の口座を開設して、所定の口座に振り込ませる。
犯人が振込確認すると、当日中にシステムを使えるようにする。
以前からある手口だが、今回は身代金の金額設定が絶妙だった。
復旧に要する費用と逸失利益を考えると、払いたくなる金額だった。

会社からの被害届を受理してから、被害を受けた会社のサーバーのデジタル鑑識を行った。
デジタル鑑識を行ったところ、メールはパナマのサーバーから送られていた。
さらに追跡するには、そのサーバーのログが必要になる。
だが、パナマは秘匿性が高く、ログの開示には否定的なことで知られている。

そのため、海外捜査機関との「非公式なギブ・アンド・テイク」を使った。
こちらの情報を提供するので、そちらの情報をください。
おかげで、日本の送信場所を特定することができた。
だが、送信場所のWi-FIスポットに残されたMACアドレスは偽装されていた。

8月に、犯人は、被害にあった会社に、身代金要求の動画を送信してきた。
動画に犯人を特定できるヒントがあるのではと思い、神崎先生に相談した。
神崎先生からの助言を元に、撮影場所を特定した。
2月の忘れ物のビデオカメラと動画のデータを照合したところ、一致した。

利用者のリストから、忘れたのは大場玲で、撮影者であることがわかった。
忘れていったビデオカメラの製造番号から、販売店を特定した。
動画に映っていたスマホも、その販売店で現金で購入していた。
だが、大場玲なる人物は実在せず、防犯カメラの映像データは上書きされていた。

手詰まり感のある中、再度、神崎先生に相談した。
すると、大場玲が上条雷人と同一人物である可能性があることを教えてもらった。
上条雷人は母校の先輩で、卒業後は「ダーウィンスペース」日本法人に勤めていた。
1年前に自己都合退職、現在、定職には就いておらず、住所は神奈川県横浜市。

「非公式なギブ・アンド・テイク」を使ったため、何としても別件で引っ張る必要がある。
休みだった今日、神崎先生と品川で落ち合い、送信場所のWi-FIスポットを見てもらった。
神崎先生は時々、立ち止まって、スマホで接続できるWi-FIを確認していた。
見てもらった後、ランチのために入ったカフェで、神崎先生の講義が始まった。

「セキュリティを考える上で大切なのは、相手の立場で考えること。
自分が相手だったらと考えれば、必要なものが見えてくる」
防犯カメラの死角からの送信ですかと聞いたら、違うといわれた。
誰にも知られることなく送信するために必要な条件がそろっている場所だといわれた。

「つまり、プライバシーが確保でき、Wi-FI以外の接続をしている場所。
この条件に合致する場所は、ビルの2階にあるネットカフェだけだったよ」
明日にでも、ネットカフェに店内の防犯カメラの映像データを提供してもらう。
そこに上条雷人が写っていれば、別件で任意の事情聴取ができる。

家宅捜索で、会社へのサイバー犯罪の証拠が見つかれば、逮捕できる。
そこまで振り返ったとき、机の上にある充電中の私用スマホの着信音が鳴った。
スマホには、「神崎先生」と表示されていた。
スマホを取り、通話をタップすると、神崎先生が新たな事実を教えてくれた。

「東京中央技術大学病院でのドローンを使った火災。
病院の監視カメラにドローンを飛ばす上条雷人が写っていたんだ」
神崎に礼をいい、通話を終えた佐藤は思った。
明日、監視カメラの映像を確認すれば、上条雷人を逮捕できる。待っててください、先輩。

翌朝、東京都江東区の国際流星病院。
高度専門医療の研究施設を持つ都内最多の病床数 1230床の病院。
朝一番で事務室へ出勤した加藤は、机の引き出しからノートパソコンを取り出した。
電源ボタンを押して起動すると、受信トレイに1通の新着メールがあった。

東京都からのメールで、件名は「【至急】東京中央技術大学病院の事件を受けての対応」。
開封すると、何も書かれていなかった。
おいおい、文面入力する前に送信したのか、加藤は思った。
加藤が開封したメールは、上条雷人がランサムウェアを仕込んだメールだった。
【ランサムウェア(Ransomware)】
身代金を意味する「Ransom」とソフトウェアの「Software」を組み合わせてできた言葉で、会社のパソコンやサーバーに侵入し、保存されているファイルを勝手にロックした上で、元に戻す代わりに金銭を要求する悪質なプログラム。
【ログ(Log)】
コンピュータシステム、ネットワーク、アプリケーションなどの動作履歴や、ユーザーの操作内容を時系列で記録したデータ。トラブルの原因調査、セキュリティ対策、利用状況の分析を目的として自動生成される。
【Wi-Fiスポット】
カフェや駅、商業施設などで提供される無線インターネット接続サービス。契約している通信回線を使わずに、スマートフォンやPCをネットに接続できる。無料で使えるフリーWi-Fiや、キャリアが提供する会員制Wi-Fiもあり、用途や場所に応じて使い分けることが可能。暗号化が不十分な場合、第三者に通信内容を盗まれるリスク がある。
【MACアドレス(Media Access Control address)】
ネットワーク機器それぞれに製造段階で割り当てられる装置固有の 12 桁の識別番号。OSによって「物理アドレス」、「Wi-Fiアドレス」と表示される。MACアドレスが重複することはないが、MACアドレスを変更するソフトウエアなどもあり、意図的に変更した場合は重複することがある。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年5月8日金曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP12 デジタルの要塞

【内容】
神崎教授とAIが事件を解決していくミステリー小説。
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち):元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。
・神崎悠季(かんざきゆき):神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI):神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる):警視庁 サイバー犯罪対策課。東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。
・上条雷人(かみじょうらいと):元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。東京中央技術大学 情報工学科2010年卒の神崎教授の教え子。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。

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EP12 デジタルの要塞

東京都新宿区の東京中央技術大学病院。
最先端の施設がある病院は、東京都災害拠点病院になっていた。
非常電源装置で起こった火災を、真っ先に確認したのは、中央制御室の職員だった。
職員は消防への通報を行った後、警備室へ可能であれば初期消火を行うよう指示した。

全棟へ非常電源装置で火災が発生したこと、マニュアル通りの対応をするよう伝えた。
全棟の職員は、マニュアルの手順に従って、落ち着いて行動した。
現場に駆け付けた警備員たちは、火災の規模が大きいため、火災原因を確認できなかった。
初期消火ができないことを、中央制御室へ無線で連絡した。

警備員たちは、現場に誰も近づかないよう、警備担当を決めた。
警備担当以外は、消防車を誘導するため、最も近い正門までの順路沿いに立った。
数台の消防車が到着すると、消火方法の打ち合わせをした後、消火が始まった。
中央制御室が火災を確認してから、40分後には鎮火していた。

マスコミの速報が流れたのは、中央制御室が火災を確認した30分後だった。
テレビで「速報:東京中央技術大学病院で火災発生」のテロップが流れた。
その後のニュース番組では、ヘリコプターからの空撮映像が繰り返し流された。
やがて、現場近くの住民がたまたま撮影したドローンの映像が流されるようになった。

鎮火後、警察と病院の保守担当職員、警備員による現場検証が行われた。
警察は、中央制御室の職員などに聞き取りを行った後、監視カメラのデータを持ち帰った。
鑑識は被害状況を撮影、見つかった証拠品を押収、持ち帰った。
非常電源装置の周囲から人がいなくなったのは、夕方の6時過ぎだった。

保守担当職員は、中央棟にある保守室に戻った。
戻ると、製造メーカーに、被害状況がわかる画像を添付した復旧依頼メールを送信した。
電子部品が熱により使い物にならない、復旧には最短でも1カ月はかかる。
保守担当職員は、復旧するまで、災害が起こらないことを願った。

東京都北区の住宅街にある神崎の自宅。
神崎は大学教授時代の知人と会うため、朝から外出していた。
帰宅した神崎が書斎に入ると、人感センサーが感知、モニターが明るくなった。
「お帰りなさい」、AIのYUKIがいう。

「かわったことはなかったか」、神崎がいう。
「東京中央技術大学病院で火災があったわ」、YUKIがいう。
データセンター棟には、YUKIの本体であるスーパーコンピュータがある。
「どこで火災があったんだ」、顔色が変わった神崎がいう。

「火災があったのは非常電源装置で、発生から40分後には鎮火したわ」、YUKIがいう。
「出火原因は何だったんだ」、安堵した声で神崎がいう。
モニターに飛行する2機のドローンを捉えた監視カメラの映像が表示された。
ドローンが画面から消えると、別の監視カメラの映像に切り替わった。

切り替わった映像では、2機のドローンが非常電源装置の真上から降下していた。
ドローンが画面から消えると、別の監視カメラの映像に切り替わった。
非常電源装置の排気口に落下したドローンが激突、燃える液体が飛び散った。
続けて2機目のドローンが激突、排気口が炎に包まれ、黒煙が上がった。

驚きで言葉が出ない神崎にYUKIがいう。
「ドローンの下のかごには、蚊取り線香とマッチを使った発火装置が確認できる。
発火装置は上半分を切ったペットボトルにガムテープで固定されている。
ペットボトルの底には、ビニール袋に入った透明の液体が確認できる」、YUKIがいう。

「事故じゃなく、計画的な犯行か…」、神崎がいう。
「ビニール袋の液体は、キャンプのランタンやバーナーに使うホワイトガソリン。
黒煙が多いことから、何らかの液体を混ぜている可能性があるわ。
どの材料も、比較的、簡単に手に入れることができるわ」、YUKIがいう。

「だ、誰がこんなことを…」、神崎がいう。
データセンター棟屋上から戸山公園を監視している監視カメラの映像に切り替わった。
ベンチに座った黒のスポーツウェアの男がスマホを手にしている。
左右の木々の間から、2機のドローンが飛び立って、画面から消えた。

男がスマホから顔を上げたところで映像が停止、徐々に男の顔が拡大されていく。
画面いっぱいに表示された男の顔は、口元にかすかな笑みを浮かべていた。
「データベースに大学生時代の画像データがあったので、顔認証したわ。
この男が上条雷人と同一人物である確率は98%よ」、YUKIがいう。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

【本日の取引】20260508~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場はさえない値動きで推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は下がっていた。
インバース型ETFは上がったが、前日比はマイナスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
各地の戦争が続く中、円安が進行、原油価格も高止まりしている。
致死率の高いウイルス感染者が発生している中、上がり続ける相場には違和感しかないw