2026年5月31日日曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP35 ホワイトハッカーのハッキング

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。

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EP35 ホワイトハッカーのハッキング

「先生の部屋にも盗聴器が仕掛けてあったんですか」、高柳がいう。
「この部屋と同じアナログ無線式盗聴器が仕掛けてあった。
私の部屋もインターホンの中だったよ」、神崎がいう。
「いったい誰が…っていうか、いつも探す道具を持ち歩いているんですか」、高柳がいう。

「普段は持ち歩いたりしない。今は盗聴されている可能性が高いからだよ。
今日、自宅に何者かが侵入し、書斎にあるAI端末だけを破壊した。
破壊されたAIの本体は、ここ東京中央技術大学病院のデータセンター専用棟にある。
自宅のAI端末とここの本体は、量子暗号通信の光ファイバー専用線で繋がっている。

この回線、QKDは光の最小単位『光子』にデータを乗せて送信する。
途中で誰かが1ビットでも光を覗き見れば、光子の状態が変化してデータが壊れる。
覗き見した事実は即座に検知され、暗号鍵も使えなくなる。
理論的には、絶対に盗聴や傍受ができない専用回線になる。

自宅にAI端末があること、専用回線のことを知っているのは、私と病院の関係者だけだ。
病院の関係者が、AI端末があることを、誰かにリークした可能性が高い」、神崎がいう。
「確かに、QKDなら途中で盗み見ることはできない。
入口と出口でしか、データは確認できないですね」、高柳がいう。

「仕掛けてあったアナログ無線式盗聴器は、室内の音を電波に変えて外に飛ばす。
電波が届く範囲は、半径50メートルから100メートル程度でしかない。
この部屋が10階にあることから、中央棟のどこかに受信機がある可能性が高い。
したがって、中央棟で働いている病院の関係者がリークした可能性が高い」、神崎がいう。

「受信機の場所を逆探知するんですか」、高柳がいう。
「盗聴器は無効化したので、その必要はない。
何者かがシステムに仕掛けた仕組みを見つけ出し、逆利用する」、神崎がいう。
「なるほど、ハッキングにハッキングで対抗するってことですね」、高柳がいう。

「お願いできるかな」、神崎がいう。
「先生の頼みとあれば、断る理由はありません。光栄です。
こちらとしても、望むところです。お任せください」
高柳はいい、カバンからUSBメモリを取り出すと、机の前の椅子に座った。

ノートパソコンの電源プラグをコンセントに指し込むと、USBメモリを差し込んだ。
モニターを開くと、ファンクションキーを押したまま、電源を入れた。
選択画面でUSBメモリを選択すると、USBメモリのOSが起動した。
起動した画面の中にある、白い馬のショートカットアイコンをクリックした。

画面全体が白くなり、上部には青字で「Welcome to Pegasus」とあった。
中央には、擬人化された青い目をした白い天馬が二本足で立って腕組みしていた。
高柳は天馬の下にある「Start」ボタンをクリックした。
「そのプログラムは君が作ったのかね」、傍に立って見ている神崎がいう。

「ええ、自作の解析プログラムの『ペガサス』です。
起動すると、自動で偽装したMACアドレスを発信、Torブラウザに接続します。
接続後に目的地のサーバーと経由するサーバーのIPアドレスを入力。
入力してスタートボタンを押せば、サーバーにたどり着きます」、高柳がいう。

「『ペガサス』という名前のプログラムは聞いたことがある。
昔、審査委員をしていた中学生プログラミング大会だったかな」、神崎がいう。
「ええっ、それ私です。先生が審査委員だったんですか」、高柳が神崎を見ていう。
「中学生なのにレベルが高かったことは覚えているよ」、神崎が笑顔でいう。

数分後、画面の上半分が世界地図に、下半分がIPアドレスなどの入力画面になった。
世界地図の日本を拡大、東京を拡大して、この病院のピンをクリックした。
クリックすると、下の「目的地」に、病院のIPアドレスが自動で反映された。
「経由地」には、東欧、中東、南米にあるサーバーのIPアドレスを反映させた。

行け、ペガサス、高柳は一番下にある「Start」ボタンをクリックした。
「たいしたもんだ。よくできてるね」、神崎がいう。
「いや、それほどでも。数分で病院のサーバーに接続するのでお待ちください」
まんざらでもない声で高柳がいう。

数分後、病院のサーバーに接続すると、「Scan」ボタンをクリックした。
「作業前には、トラップがないか、必ずスキャンを行っています。
先日、防衛省のサーバーに接続した際もスキャンを行いました。
すると、誰かが仕掛けていたバックドアが見つかったので報告しています」、高柳がいう。

「どんなバックドアだったんだい」、神崎がいう。
「スタンドアロンの非常用システムへ移行すると起動するバックドアです。
おそらく、都内が停電したときにデータを盗むつもりだったんでしょう」、高柳がいう。
モニターにスキャン結果の一覧が表示された。

「AIに遠隔監視操作プラグラムが仕込まれていますが…こ、これは…」、高柳がいう。
「このプログラムから何かわかるのかい」、神崎がいう。
「こ、このプログラムは、私が前の会社で作ったプログラムです。
当時、納品したのは『ダーウィンスペース』日本法人の子会社でした」、高柳がいう。
【量子暗号通信(Quantum Key Distribution)】
量子力学の物理法則を利用し、第三者による「盗聴」を原理的に不可能にする次世代の暗号通信技術。現在主流の暗号方式が将来の量子コンピュータによって解読されるリスクへの対策として、金融・医療・国家安全保障などの分野で実用化が進んでいる。
【ハッキング(hacking)】
高度な知識や技術を用いて、コンピュータやコンピュータネットワークの解析・改良・改造・構築・開発などを行うこと。他人が管理するコンピュータからデータを窃取するなどの不正行為もハッキングだが、一般的にクラッキングと呼び区別される。
【MACアドレス(Media Access Control address)】
ネットワーク機器それぞれに製造段階で割り当てられる装置固有の12桁の識別番号。OSによって「物理アドレス」、「Wi-Fiアドレス」と表示される。MACアドレスが重複することはないが、MACアドレスを変更するソフトウェアなどもあり、意図的に変更した場合は重複することがある。
【Tor(The Onion Router)】
通信経路を暗号化・多段中継して匿名性を確保する、フリーかつオープンソースの通信技術。IPアドレスなどの痕跡を隠してWeb閲覧や通信が可能になり、通常アクセスできない「.onion」サイト(ダークウェブ)の利用にも使用できる。通信は世界中のノードを経由するため、速度は遅くなる。
【スタンドアロン(Stand-alone)】
他の機器やネットワークに接続せず、単独で機能や動作が完結している状態やシステム。
【バックドア(backdoor)】
本来の正規の認証プロセス(IDやパスワードなど)を回避し、システムやネットワークの内部へ秘密裏に侵入できる隠し通路(裏口)。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年5月30日土曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP34 見えないルートの可視化

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。

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EP34 見えないルートの可視化

東京都中野区の警察待機寮。
8帖一間のワンルームには、最低限の家具と私物の高性能なPCと技術書があった。
近くのファーストフード店での夕食を終えて帰宅した佐藤波流は机に向かっていた。
紙の地図に手書きした情報を、PCに表示された地図に入力していた。

よし、できた、入力が終わった佐藤はENTERキーを押した。
すると、地図の赤点から放射状に延びる、いくつかの赤いルートが表示された。
赤いルートは、最短ルートではなく、曲がりくねっていた。
起点となっている赤点は、上条が生活拠点にしている華喜多美代子のマンションだった。

犯人の要求動画が放送された翌日、捜査の指揮をするといい、公安が乗り込んできた。
岩田さんが別室にこもった公安の男に報告、公安からの指示を伝える体制になった。
あとの公安は何かを指示するわけでもなく、捜査員たちの周りをうろついている。
余計なことをしていないか、監視しているとしか思えない。

次の日に、佐藤がコード名K2として託されたミッションは以下だった。
・上条雷人は、東京都新宿区の賃貸マンションの一室を生活拠点にしている。
・賃借人は華喜多美代子で、現在、同居している。
・こちらからの連絡があるまでに、賃貸マンションを特定しておくこと。
・連絡があり次第、上司に賃貸マンションの住所を報告すること。

ミッションを託された次の日、上条と華喜多美代子の関係を調べた。
その結果、上条と華喜多美代子が異父兄妹であることがわかった。
華喜多と仲のよかった久理田咲から、2人が互いを知った経緯を聞けた。
帰りに、上条と華喜多が住んでいる賃貸マンションの場所も確認してきた。

あとは神崎先生のミッションが終わった連絡が来れば、岩田さんに場所を伝える。
岩田さんが公安に報告、おそらく公安が逮捕して、ミッションは終わる。
だが、一昨日、佐藤はあることに気づいた。
公安にも対策課にも他国と内通している可能性がある者がいる。

もし、内通者がいて、目的が都内の電力供給設備を使用不能にすることなら…。
岩田さんが公安に報告した時点で、上条を逃がそうとする。
そうさせないために、できることは、上条の逃走経路を予測。
逃走経路で待ち伏せして捕まえることだった。

以前、上条は品川から動画を添付したメールを企業に送信したことがある。
送信場所周辺の防犯カメラの映像を確認したが、上条は映っていなかった。
上条は新宿の戸山公園から、ドローンを飛ばして、火災を起こした。
戸山公園周辺の防犯カメラの映像を確認したが、上条は映っていなかった。

一昨日、賃貸マンションから戸山公園までの防犯カメラの映像を確認した。
賃貸マンションから半径1キロ以内の防犯カメラの映像も確認した。
だが、それらの映像にも上条は映っていなかった。
上条が防犯カメラの位置を把握、死角を使って移動していることは明らかだった。

今日は、賃貸マンション周辺を歩いて、防犯カメラの位置を確認してきた。
位置を地図に落とし込めば、見えないルートを可視化できる。
佐藤は、出来上がったばかりの可視化された見えないルートを見て考え始めた。
自分が上条なら、どのルートを使って逃走するか…。

東京都新宿区の東京中央技術大学病院。
中央棟の10階にある101号室には、シャワーを終えて、寛いでいる高柳がいた。
部屋のテレビでは、犯人の要求動画関連の報道特別番組が流れていた。
政府の記者会見の様子や街の人の声に、司会者やゲストがコメントしていた。

ふいに、部屋のドアがノックされた。
ドアを開けると、ノートパソコンを小脇に抱えた神崎がいた。
「先ほどはどうも。どうされたんですか」、高柳がいう。
「中に入れてもらってもいいかな」、神崎がいう。

どうぞと高柳がいい、神崎は中に入って、ドアを閉めた。
神崎は右手の人差し指を立てて、口に当てた。
しゃべるなってことか、理解した高柳は口を閉じて、うなずいた。
神崎はズボンのポケットから、黒の小型の装置を取り出すと、電源を入れた。

右手に持った装置を、部屋の電気機器やスイッチ、コンセントに向けて回った。
机の上にあるインターホンに向けたとき、装置の赤のライトが光った。
装置の電源を切ってポケットにしまうと、小型ドライバーとビニールテープを取り出した。
インターホンのネジを外し、中の盗聴マイクにビニールテープを貼り、元に戻した。

盗聴されていたのか、呆気にとられて見ている高柳に神崎がいう。
「もう話しても大丈夫だ。私の部屋にも盗聴器が仕掛けられていた。
明日のミッション開始までに君にお願いしたいことがある」
神崎は机の上に静かにノートパソコンを置いた。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年5月29日金曜日

【本日の取引】20260529~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は上がっていた。
インバース型ETFは下がったが、前日比はプラスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
日経平均株価とTOPIX、いずれも最高値を更新した。
歴史的な株高がいつまで続くのか、注視しているw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
総務省が、2025年に行われた国勢調査の速報を発表した。
2025年10月1日時点での日本の人口は1億2304万9524人。
5年前の前回調査と比べて309万6575人減少、減少幅は過去最大だった。

東京都と沖縄県以外は、人口が減少している。
東京都は19万8000人あまり増加、日本全体に占める割合は11.6%となった。
国別では、5年前の11位から12位に順位を落としている。
国力は人口に比例するので、経済成長は期待できない。

以前にも書いたが、現在、日本では予測を上回るペースで死亡者数が増えている。
2021年から死亡者数が急増、2022年には前年比で約13万人増で統計開始以来最大の増加。
40代〜64歳や、10代〜20代においても、予測値を上回る(%が高い)傾向が見られる。
中には、国がワクチンの影響を否定できないとして救済認定した事例が含まれている。

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP33 防衛の最前線

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。

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EP33 防衛の最前線

セダンが向かう先には、東京中央技術大学病院があった。
敷地面積 約66,200㎡、延床面積 約145,900㎡。病床数 863床の最先端の病院。
中心となる中央棟と、付随する施設で構成されている。
敷地内には以下の主要な施設があった。

・中央棟:地上16階、地下3階。延床面積: 約72,000㎡。
・外来棟:地上5階、地下2階。延床面積: 約10,500㎡。
・研究所:複数の棟で構成。延床面積: 約11,300㎡。
これらの他に、研修棟、データセンター専用棟、放射線治療棟などが点在していた。

敷地の周囲はフェンスで囲われており、正門や搬入口には警備員の詰所がある。
敷地内には、至る所に監視カメラや赤外線センサーが設置されている。
最もセキュリティが厳しいのは、YUKIの本体があるデータセンター専用棟。
データセンター専用棟には電波検知システムがあり、ジャミング(電波妨害)している。

ジャミングは、データセンター専用棟を中心に半径 1km、高度500mまでカバーしている。
もし、ドローンがジャミングの圏内に入れば、即座に墜落することになる。
先日、都内の病院がシステムダウンする中、東京中央技術大学病院は無事だった。
無事だったのは、高度なセキュリティで守られているデジタルの要塞のためだった。

セダンは一般外来駐車場の入口を通り過ぎ、地下駐車場への入口から敷地に入った。
警備員詰所で停止、運転手が書類を見せると、先へ進むよういわれた。
地下へと続くスロープを下って、地下3階の駐車場に入った。
「公用車・救急車専用エリア」の表示がある区画に駐車した。

運転手がドアを開けて降り、神崎が座る側のドアを開けてくれた。
神崎が降りると、佐倉井が横に来て、神崎にいう。
「そこのスタッフ専用ドアを開けると、受付があります。
名前を伝えていただくと、手配済の病室への行き方を案内してくれます。

病室は中央棟10階の102号室です。隣の101号室にはM1がいます。
私たちは、先ほど教えていただいた内容を関係者に連絡してきます。
後で病室へ行きますので、それまでに食事をされたりして、休んでいてください」
神崎がわかったというと、佐倉井と運転手はセダンに乗り込み、駐車場の出口へ向かった。

セダンを見送った神崎は、スタッフ専用ドアを開け、受付に氏名を伝えた。
すぐに中から、警備員の男性が出てきて、病室への行き方をわかりやすく説明してくれた。
礼をいい、職員用通路を進むと、職員用エレベーターがあったので、乗り込んだ。
行先ボタンの10階を押すと、扉が閉まり、エレベーターが上昇した。

10階で停止して降りると、10階の職員用通路だった。
正面のドアを開けると、一般用の通路に出たので、102号室へ向かった。
102号室のドアは内側へ開いており、中に入ると、ドアを閉めた。
病室の中は、シティホテルのシングルルームのような作りになっていた。

窓からは、夕やみに沈んでいく他の棟や敷地を見下ろすことができた。
神崎が設計に関わったデータセンター専用棟は向かいにあった。
普段、YUKIとは自宅の書斎からやりとりしている。
YUKIのすぐ近くで過ごすのが初めての神崎は、データセンター専用棟を見ていた。

ドアがノックされ、神崎がドアを開けると、M1がいた。
「お久しぶりです。来られたようだったので、挨拶に来ました。
よろしかったら、下に食事しに行きませんか」、M1がいう。
「誘ってくれてありがとう。すぐ用意するから待っててくれるかな」、神崎がいう。

M1がわかりましたといってくれたので、支度をして、一緒に食事をしに行った。
地下1階にある食堂で、M1と食事をしながら、お互いの話をした。
M1は高柳といい、普段は会社勤めをしているが、副業でハッキングをしていた。
以前から、警察に頼まれては、ハッキングで捜査に協力しているらしい。

神崎が自分のことを話すと、高柳はかなり驚いてくれた。
てっきり、自分と同じようなことをしている人だと思っていたらしい。
神崎が書いた情報工学に関する書籍のタイトルを聞いた高柳がいった。
「その本、買って読みました。今でも大切にしています」

食事を終えてからも、高柳との話は終わらなかった。
高柳が聞いたことに、神崎が答えるという流れになった。
まるで、大学で質問してくる学生みたいだな。
普段、技術的なことを話せる相手がいないのかもしれない、神崎は思った。

やがて、2人を探していた佐倉井がやって来た。
佐倉井によると、ミッション前の準備に時間がかかっている。
そのため、明日の正午からミッションを開始する。
正午にデータセンター専用棟前に集合とのことだった。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。