2026年5月17日日曜日

【エッセイ】ブログ閲覧時に表示された警告画面

先日、ある個人ブログを閲覧しようとブログ名を検索、クリックした。
すると、いつもより接続に時間がかかった。
接続して、記事を読んでいると、ウイルス対策ソフトの警告画面が表示された。
ブラウザを閉じて、警告画面が表示された原因を確認したw

原因は、閲覧時に安全でない可能性があるサイトが検出されたため。
閲覧しているときに検出されたのは初めてだった。
閲覧していた個人ブログは、ブログサービスを利用している。
警告画面が表示されるまで時間があったので、AI(人工知能)に確認したw

AIにサイトのアドレスを入力して、確認してもらったところ、以下だった。
"非常に危険な不正サイト(詐欺やウイルス感染を目的としたサイト)の可能性が極めて高いです。ウイルス対策ソフトがブロックしたのは完全に正しい判断ですので、絶対にアクセスしようとせず、そのまま無視してください。このような無意味な英単語の羅列のサイトは、ユーザーを別の「偽の警告画面」や「投資詐欺、フィッシングページ」へ強制的に転送(リダイレクト)させるための中継点として作られます。偽のログイン画面に誘導してパスワードを盗み取ろうとするフィッシング詐欺の典型的な手口です。"

ブログサービスを利用している個人ブログを閲覧中に表示された。
このブログサービスは強制的に広告が表示される。
もしかして、広告の中に詐欺サイト広告があったのかと聞いた。
すると、AIの回答は以下だったw

"はい、その通りです。〇〇ブログのページ内に表示されていた「広告」が原因で間違いありません。あなたが悪意あるリンクを意図してクリックしていなくても、ブログ記事を読んでいるだけで突然画面が切り替わる現象は、インターネット全般で多発している非常に巧妙な手口です。この現象が起きる仕組みと、今後の対策について解説します。
〇〇ブログを含む多くの無料ブログや大手ニュースサイトでは、自動で様々な企業の広告を表示するシステム(アドネットワーク)が導入されています。詐欺グループが普通の広告を装って、システム内に悪質な広告を紛れ込ませます。その広告には「画面が表示されて数秒経ったら、自動的に別のURLへ移動させる」という不正なプログラム(JavaScript)が仕込まれています。
移動先のサイトが開こうとした瞬間に、ウイルス対策ソフトが危険を察知してブロック画面を出しました。つまり、ブログの運営者やブログを書いた人が意図して仕込んだわけではなく、広告配信システムを悪用した「もらい事故」のようなものです。
あなたの端末は安全です。ウイルス対策ソフトが移動先の不正サイトを開く前に完全に遮断したため、お使いの端末へのウイルス感染や個人情報の流出は起きていません。もし今後、別のブログなどを読んでいて同じように警告が出たり、万が一「ウイルスに感染しています!ここをクリック」といった偽の警告画面に切り替わったりした場合は、そのブラウザのタブをすぐに閉じるだけで問題ありません。"

自身はウイルス対策ソフトの広告ブロック機能を利用している。
そのため、自動で様々な企業の広告が表示されたりしない。
ところが広告が表示されていないのに、いきなり警告画面が出たので驚いた。
もし、読者に同じことがあれば、上記の内容を思い出して欲しいw

【AIシミュレーション】刑事告訴不受理による損害賠償請求

※架空の裁判を題材に「純粋に法理と証拠のみから導き出される結論」をAI(人工知能)とシミュレーションした記事です。

初めて訴訟に関わったときに思ったのが、思っていたより、よくなかったこと。
それまで訴訟は、法的根拠に基づいて、争う場だと思っていた。
ところが、関係者の知識やバイアス(※)、弁護士の経験などによるところが大きい。
「純粋に法理と証拠のみから導き出される結論」をシミュレーションしているw
※バイアス:先入観、偏見、思考や判断の偏り。

今回は、建築途中で住宅会社の社長が資金を持ち逃げした下記の事件をベースにしている。
このような場合、弁護士に依頼して、民事訴訟を起こすことが多い。
だが、依頼者は資金を持ち逃げされたので、金銭的な余裕がない。
警察に刑事告訴したが、受理されなかったというケースを想定したw

以前から、民事と刑事の区分について、ギモンに思うことがあった。
自分の考えを整理する意味でも、シミュレーションしてみたい。
AIによると、今回は訴訟を起こすことが極めて困難なケースらしい。
「純粋に法理と証拠のみから導き出される結論」のシミュレーションを始めるw

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■事件の概要
Aさんが依頼したのは、兵庫県西宮市のある住宅メーカーでした。ホームページで施工例を見て、実際に物件を見学しに行き、決めたと言います。
一昨年8月、Aさんはこのメーカーと工事費3000万円で契約。2階建ての新築の図面も仕上がり、まずは契約金と着工金あわせて1400万円を支払いました。家は今年3月に完成する予定でした。
Aさんによると、去年2月に実家の解体作業は行われたものの、新築工事は一向に始まらず、去年9月からは連絡すら取れなくなったというのです。
住宅問題に詳しい弁護士は、今回のようなケースは詐欺などの犯罪として立証することはハードルが高いと言います。
「(業者側は多くの場合)『契約した時は工事をちゃんとするつもりだった』と言ってくる」
「契約時点で騙すつもりだったというところを被害者がある程度立証できないと、警察としては詐欺で立件しづらい」
「結局それは会社の代表者の内心・内面の問題になってくるので、直接的な証拠はほぼ掴めない」
弁護士は依頼者ができることとして、次の2つを挙げます。
(1)民事上の責任を問う
  →弁護士費用がかかる上、お金を回収できるか分からない
(2)警察に被害届を出す
  →未入金の工事業者・給料未払いの元従業員と連携
警察の捜査を踏まえ、裁判に生かすという方法もあるようです。
(MBSNEWS 2026年5月16日配信)

■原告の主張案
原告(被害者) 〇 〇 〇 〇
被告(国または都道府県) 東京都(または〇〇県)
上記被告代表者 知事 〇 〇 〇 〇

国家賠償請求事件
訴訟物の価額 金1,100,000円
貼用印紙の額 金11,000円

第1 請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、金1,100,000円及びこれに対する令和〇年〇月〇日(※不受理当日)から完済まで年3%の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに仮執行の宣言を求める。

第2 請求の原因
1 当事者
(1)原告は、〇〇建築会社による工事放置及び1400万円の建築費用持ち逃げ被害(以下「本件詐欺被害」という)に遭った被害者である。
(2)被告は、原告が本件詐欺被害に係る告訴状を提出しようとした〇〇警察署を設置・管理し、同警察署に勤務する警察官(司法警察員)の職務行為による損害を賠償すべき法的責任を負う地方公共団体である。

2 本件告訴状の提出と警察官による門前払い行為(違法不法行為)
(1)原告は、本件詐欺被害について、犯人の処罰を求めるべく、犯罪事実の日時・場所・欺罔行為の内容を具体的に特定し、かつ客観的証拠(契約書、振込明細、現地の放置写真)を添付した適法な告訴状(以下「本件告訴状」という)を作成した。
(2)原告は、令和〇年〇月〇日、〇〇警察署刑事課を訪れ、窓口の担当警察官(氏名不詳。以下「本件警察官」という)に対し、本件告訴状を提出した。
(3)しかしながら、本件警察官は、本件告訴状の記載内容や添付証拠の確認を一切拒み、「これは民事不介入だから警察では扱えない」「裁判所でやってくれ」と述べ、本件告訴状を手で押し返し、物理的に原告に突き返す行為(以下「本件門前払い行為」という)に及んだ。原告が、客観的証拠から詐欺罪の構成要件を十分に満たしている旨を説明しようとしたものの、本件警察官はこれに耳を貸さず、一方的に退室を命じた。

3 被告の国家賠償法上の責任(作為義務違反及び裁量権の逸脱)
(1)刑事訴訟法第241条及び犯罪捜査規範第63条1項は、司法警察員に対し、告訴があったときはこれを受理しなければならないという「受理義務」を課している。判例上も、およそ犯罪が成立しないことが明白であるなど特段の事情がない限り、告訴を受理する法的義務があると解されている。
(2)本件告訴状は、形式・内容ともに構成要件を具備した適法な書面であり、不受理とすべき特段の事情は存在しなかった。にもかかわらず、本件警察官がその内容を一切精査せず、物理的に書面を突き返した行為は、捜査機関に認められた裁量権を著しく逸脱・濫用したものであり、客観的正当性を欠く違法な公権力の行使(作為義務違反)に該当する。

4 損害
原告は、本件警察官の違法な門前払い行為により、適法な告訴手続きによって犯罪事実を申告し、事件の全件送致(刑事訴訟法第242条)を求めるべき法的地位を侵害された。また、窓口において理不尽かつ高圧的な態度で門前払いをされたことにより、多大な精神的苦痛を被った。
よって、原告の被った精神的苦痛に対する慰謝料は、金1,000,000円が相当である。また、本件訴訟の提起を余儀なくされたことによる弁護士費用相当損害金として、その1割にあたる金100,000円が認められるべきである。

第3 結語
よって、原告は被告に対し、国家賠償法第1条第1項に基づき、上記損害金合計1,100,000円及びこれに対する不法行為日からの遅延損害金の支払いを求めるため、本訴に及んだ次第である。
以上

■被告の主張案
被告指定代理人(または指定の地方公務員) 〇 〇 〇 〇

国家賠償請求事件
(事件番号:令和8年(ワ)第〇〇〇〇号)

第1 請求に対する答弁
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
との判決を求める。

第2 請求の原因に対する認否
1 第2の1(当事者)について、原告が建築会社による被害を訴えている事実は不知。その余は認める。
2 第2の2(告訴状提出の経緯)について、原告が〇〇警察署を訪れた事実は認めるが、その余の原告主張の態様(物理的突き返し、高圧的門前払い等)は否認する。
3 第2の3(国家賠償法上の責任)及び第4(損害)については、いずれも争う。

第3 被告の主張(反論の要旨)

1 告訴・告発制度の趣旨と「反射的利益」の理論(最高裁判例の援用)
刑事訴訟法が定める告訴・告発の制度は、捜査機関に対して犯罪の存在を知らせ、公訴の提起・治安の維持という「公益」を達成するための端緒(きっかけ)に過ぎない。
最高裁判所第三小法廷平成2年2月20日判決が判示するとおり、告訴人は捜査機関の捜査が適正を欠くこと等を理由として国家賠償法上の損害賠償を請求することはできない。告訴・告発が適切に処理されることによって被害者が得る利益は、国家の公益的な職務執行の結果生じる「反射的利益」に過ぎず、原告個人に「適法に告訴状を受理されるべき具体的な手続的法律上の権利・地位」が与えられているわけではない。権利・利益の侵害が存在しない以上、原告の請求は前提を欠くものである。

2 警察官の対応の適法性(裁量権の適切な行使)
(1)刑事訴訟法第241条及び犯罪捜査規範第63条が定める「受理義務」は、およそあらゆる書面を無条件に受理すべきことを定めた義務ではない。捜査機関は、提出された資料や文脈に照らし、犯罪の成否、捜査の必要性、民事紛争の性質などを総合的に勘案し、書面を受理すべきか否かを判断する広範な裁量権を有している。
(2)当日、本件警察官は原告の説明を聴取した。その結果、原告が訴える内容は「新築工事の遅延・未完成」という契約不履行の側面が極めて強く、当初から騙す意図(欺罔意思)があったことを示す客観的証拠が不十分であった。そのため、本件警察官は「直ちに刑事事件(詐欺罪)として受理することは極めて困難であり、まずは民事的な紛争解決手続き(民事調停や訴訟)を検討されたい」との趣旨で、法的助言(指導・教示)を行ったものである。
(3)したがって、原告が主張するような「不当な門前払い」や「作為義務違反」の事実は存在せず、本件警察官の一連の職務行為は、裁量権の範囲内で行われた極めて適法かつ合理的なものである。

3 損害の不存在
前述の通り、本件警察官の行為に違法性はなく、原告に侵害された法律上の権利・利益も存在しない。また、当日の対応は終始丁寧に行われており、原告に精神的苦痛(慰謝料)を発生させるような事情は一切存在しない。原告の主張する損害は失当である。

第4 結論
以上の通り、原告の請求にはいずれも法的な根拠がないため、速やかにこれを棄却されたく判決を求める。
以上

■原告の再主張案
原告代理人(または原告) 〇 〇 〇 〇

国家賠償請求事件
(事件番号:令和8年(ワ)第〇〇〇〇号)

原告は、被告の答弁書に対し、以下の通り反論する。

第1 被告の主張の失当性(総論)
被告は答弁書において、本件警察官の門前払い行為を「裁量権に基づく指導・教示」あるいは「形式的要件の不備に伴う対応」などと強弁する。しかし、これらは刑事訴訟法第241条及び犯罪捜査規範第63条が課す公法上の「告訴受理義務」の法的性質を著しく誤解したものであり、到底容認できない。被告の主張はすべて失当である。

第2 告訴受理義務の「一義性」と実体審査の禁止(理由その1)
1 刑事訴訟法第241条2項は、司法警察員が告訴を受けたときは「これを受理しなければならない」と明文で規定している。また、犯罪捜査規範第63条1項は「告訴があったときは、その告訴が管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない」と、重ねて厳格な義務を課している。これらの規定は、文言上も明らかな通り、警察官に受理するか否かの選択権(裁量権)を一切与えていない。

2 被告は、本件告訴状に「欺罔意思(騙す意図)を示す客観的証拠が不十分であったため受理しなかった」旨を主張する。しかし、告訴状を受理する段階において、警察官に犯罪の成否や証拠の十分性を「実体審査」する権限は与えられていない。
告訴状に記載された事実が犯罪を構成するか否か、またその証拠が十分であるか否かは、告訴を受理した後に「捜査」によって明らかにされるべき事柄である。窓口の警察官が、一瞥しただけで「民事不介入」「証拠不足」などと独断し、受理を拒絶することは、捜査機関としての職務放棄であり、法律が定めた手続を根拠なく潜脱するものである。

第3 「行政指導」という弁明の虚偽性と違法性(理由その2)
1 被告は、本件警察官の行為を「持ち帰り指導(教示)」であると主張する。しかし、原告は当日のやり取りを録音した客観的証拠(甲第2号証)を提出している。同証拠によれば、本件警察官は、原告が持参した告訴状の内容を精査する姿勢を一切見せず、「これは民事だから警察では扱えない」「裁判所でやってくれ」と高圧的に述べ、原告が説明しようとするのを遮って書面を物理的に突き返している。

2 これが被告のいう「指導・教示」であるならば、何をもって補正すべきか、どのような証拠が不足しているのかを具体的に示すべきである。それらを一切行わず、単に「受け取らない」として追い返す行為は、「指導」という名目を借りた「あからさまな受理拒絶(門前払い行為)」そのものである。被告の主張は、事実に反する後付けの言い訳に過ぎず、裁量権の逸脱・濫用であることは明白である。

第4 手続的地位の侵害と精神的苦痛(結語)
告訴・告発の受理は、刑事司法手続きの起点となる極めて重要な法的ステップである。原告は、巨額の詐欺被害に遭い、国家の法秩序による救済を求めて適法に告訴状を提出した。にもかかわらず、本件警察官の怠慢かつ違法な不作為により、その手続きを開始する権利(手続的地位)を不当に剥奪された。
窓口で「民事不介入」の一言で切り捨てられた原告の精神的苦痛は甚大であり、国家賠償法第1条第1項の要件を完全に満たす。

よって、被告の反論はすべて理由がなく、原告は請求の趣旨通りの判決を求める。
以上

■被告の再主張案
被告指定代理人 〇 〇 〇 〇

国家賠償請求事件
(事件番号:令和8年(ワ)第〇〇〇〇号)

被告は、原告の第1準備書面に対し、以下の通り補足して反論する。

第1 原告の主張する「手続的地位」の不成立(損害論に対する反論)
1 原告は、刑事訴訟法第241条等を根拠に「適法に告訴状を受理されるべき手続的地位(法的利益)」が侵害されたと主張し、これを損害(慰謝料)の根拠とする。しかし、我が国の刑事訴訟法上、そのような独立した「手続的権利」なるものは認められない。

2 告訴・告発に関する規定は、あくまで国家の公訴権行使(公益の代表者としての検察・警察の職務)を適正に行わせるための公法上の規定であり、特定の個人に対して「受理という行政サービスを受ける私法上の権利」を付与したものではない。
最高裁判例の示す通り、告訴によって被害者が得る利益は「反射的利益」に過ぎない。したがって、仮に窓口における対応に手続的な瑕疵(不手際)があったとしても、原告が失ったものは「反射的利益」の端緒に過ぎず、国家賠償法上保護されるべき「法的利益(権利)」の侵害には該当しない。侵害された権利がない以上、精神的苦痛を理由とする慰謝料請求は法理上成立し得ない。

第2 「不受理」と「実害」との間の因果関係の不存在(因果関係論)
1 原告の主たる不満は、建築会社代表による費用持ち逃げ被害(金1400万円)の救済(犯人の処罰や被害回復)が遅延している点にあると推察される。しかし、仮に当日、本件告訴状を〇〇警察署がその場で「受理」していたとしても、それによって直ちに強制捜査(逮捕や家宅捜索)が行われたり、犯人が起訴されたり、被害金が返還されたりするわけではない。

2 前述の通り、受理後の捜査をどのように進め、起訴・不起訴の判断をどう下すかは、捜査機関の専制的な裁量に委ねられている。本件建築会社の倒産および工事放置事案は、その外形において民事上の債務不履行の性質を強く有しており、受理後に精査した結果、最終的に「嫌疑不十分」等で不起訴処分となる可能性が極めて高かった。

3 すなわち、窓口で告訴状が「受理された世界」と「拒絶された世界」を比較した場合、原告が被ったとされる実質的な損害(被害の未解決)に差は生じない。したがって、本件警察官の門前払い行為と、原告の主張する損害との間には、法的因果関係(相当因果関係)が完全に欠如している。

第3 結語(職務義務違反の厳格性)
国家賠償法第1条第1項にいう「違法」とは、単に手続的な不手際や不親切があったことだけを指すのではない。公務員がその職務上の注意義務に著しく違反し、客観的正当性を完全に欠く場合に初めて認められるものである。
本件警察官は、事案の民事紛争的性質を鑑みて対応したものであり、その対応態様に仮に改善の余地(不親切さ)があったとしても、国が金銭賠償を命じられるほどの「著しい職務不法」には達していない。

よって、原告の請求は直ちに棄却されるべきである。
以上

■原告の最終主張案
原告代理人(または原告) 〇 〇 〇 〇

国家賠償請求事件
(事件番号:令和8年(ワ)第〇〇〇〇号)

原告は、被告の第1準備書面(損害論・因果関係論)に対し、国家公務員法第96条の根本精神に基づき、以下の通り最終の反論をする。

第1 被告の「結果至上主義的損害論」の破綻
被告は、「告訴状を受理したところで、最終的に不起訴になった可能性が高く、原告に実害はない(因果関係がない)」などと主張する。
しかし、この主張は「適法な手続きを踏む必要はない」と言っているに等しく、法治国家の根幹を揺るがす極めて危険な暴論である。本件で問題となっているのは、「将来の起訴・不起訴の結果」ではなく、窓口において「適法な告訴の申立てという、法が認めた正当な手続きを、警察官が職務を放棄して一方的に遮断した事実(事実行為の違法性)」そのものである。

第2 国家公務員法第96条(奉仕者義務)違反による不法行為の成立
1 国家公務員法第96条1項(および地方公務員法第30条)は、「すべて公務員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を尽してこれに専念しなければならない」と定めている。
この「国民全体の奉仕者」たる義務は、単なる訓示規定(努力目標)ではなく、公務員が公権力を行使する際の一切の職務行為を拘束する最上位の法的義務である。

2 巨額の建築詐欺被害に遭い、精神的・経済的に困窮した国民(原告)が、藁をも縋る思いで作成した適法な告訴状に対し、本件警察官は中身を読もうともせず、物理的に突き返し、対話を拒絶して追い払った。
この行為は、困窮する国民を救済・保護すべき「奉仕者」としての義務に真っ向から背き、自らの捜査負担を軽減するという「自己の都合(一部の利益)」を優先した職務懈怠である。すなわち、国家公務員法第96条が命じる「国民全体の奉仕者」としての注意義務に著しく違反した、明白な職務上の不法行為(国家賠償法第1条の違法)を構成する。

第3 侵害された利益は「人格的利益」および「手続的公正」である
1 被告は、原告の受ける利益が「反射的利益」に過ぎないと主張するが、完全に失当である。
原告が本件で侵害されたと主張しているのは、「犯人が処罰される利益(反射的利益)」ではなく、国家の適法な刑事手続にアクセスするに際し、「国法(刑訴法241条)に従って公平・公正に扱われるべき人格的利益(手続的尊厳)」である。

2 公務員から「民事だから帰れ」と一瞥で拒絶され、書面を物理的に突き返された原告の絶望感と精神的苦痛は、結果論(起訴されたかどうか)とは全く別個に、その「不当な拒絶の瞬間」に確定的に発生している。国民を人間として尊重せず、法の手続きから不当に排除したことに対する慰謝料請求であり、被告のいう因果関係の欠如は何ら理由にならない。

第4 結語
もし、被告の「受理しても結果は同じだから無罪」という論理が認められるならば、警察窓口はあらゆる告訴状を「どうせ不起訴になるから」という主観的理由で合法的に門前払いできるようになり、刑事訴訟法第241条は完全に死文化する。
裁判所におかれては、国家公務員法第96条の精神に立ち返り、国民を裏切った警察官の職務不法を厳正に裁き、原告の請求を全面的に認める判決を認容されたい。
以上

■和解案
被告(都道府県)は、原告に対し、令和〇年〇月〇日の〇〇警察署窓口における担当警察官の対応につき、国民全体の奉仕者としての配慮に欠け、原告に不快な思いをさせたことについて遺憾の意を表する。
被告は、原告が持参した本件告訴状について、書面の形式および必要書類が整い次第、速やかにこれを正式に受理し、必要な捜査を開始する。
原告は、その余の請求(金銭賠償請求)を放棄する。
訴訟費用は各自の負担とする。

■判決案
原告 〇 〇 〇 〇
被告 東京都
(上記被告代表者 知事 〇 〇 〇 〇)

主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求
被告は、原告に対し、金1,100,000円及びこれに対する令和〇年〇月〇日から完済まで年3%の割合による金員を支払え。

第2 当事者の主張
(省略:これまでの原告・被告の主張・準備書面の内容を引用)

第3 当裁判所の判断
1 本件警察官の職務行為の態様について(事実認定)
証拠(甲第2号証の録音反訳書)によれば、原告が令和〇年〇月〇日に〇〇警察署を訪れ、本件建築会社代表に対する詐欺罪の告訴状を提出しようとした際、担当警察官は、当該告訴状の内容を実質的に確認することなく、「民事不介入である」との一言をもって書面を物理的に突き返し、退室を促した事実が認められる。

刑事訴訟法第241条および犯罪捜査規範第63条1項が、司法警察員に対して告訴の一義的な受理義務を課していることに鑑みれば、犯罪の成否や証拠の真偽を捜査前の窓口段階で独断し、書面の受領自体を拒絶するような行為は、手続きの公正を著しく欠くものである。
さらに、国家公務員法第96条1項および地方公務員法第30条が定める「国民全体の奉仕者」としての精神に照らせば、巨額の被害に遭い困窮する国民に対し、本件警察官がとった高圧的かつ不親切な対応は、その職務の遂行態度として極めて不適切であり、猛省を促すべき性質のものであると言わざるを得ない。

2 国家賠償法上の違法性および損害について(法理判断)
しかしながら、国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償請求が認められるためには、公務員の職務行為が違法であるだけでなく、それによって「原告個人が法的に保護された権利または利益」を侵害されたこと、およびそれによる「損害」の発生が認められなければならない。

(1)刑事訴訟法が定める告訴・告発の制度は、司法警察員や検察官に対して犯罪の存在を通知し、国家の公訴権行使を促すための「公法上の端緒」に過ぎない。最高裁判所の判例(最高裁平成2年2月20日第三小法廷判決)が判示するとおり、告訴手続きによって被害者が得る利益は、国家の公益的な職務執行の結果として生じる「反射的利益」にとどまる。刑事訴訟法等の諸規定は、被害者個人に対して「適法に告訴状を受理されるべき独立した個別的手続的権利」までを付与したものとは解されない。
原告は、国家公務員法第96条を根拠に「公平に扱われるべき人格的利益」の侵害を主張するが、同条は公務員の抽象的な職務義務・倫理を定めたものであり、そこから直ちに国民個人に対して具体的な私法上の損害賠償請求権が導き出されるものではない。

(2)また、仮に本件警察官がその場で告訴状を「受理」していたとしても、その後の強制捜査の実施や起訴・不起訴の判断、さらには被害金の回収という結果が確実に得られたとは限らず、これらはすべて捜査機関の裁量と捜査結果に委ねられている。
したがって、窓口における「不受理」という不適切な事実行為と、原告が主張する精神的・経済的苦痛(損害)との間には、国家賠償法上の相当因果関係を認めることができない。

3 結論
以上の通り、本件警察官の窓口における対応は、国民全体の奉仕者としての実務態度として著しく不適切であり、法の手続きの運用上、強い非難を免れないものである。しかしながら、法的利益の侵害および損害の発生という国家賠償法上の厳格な要件を満たさない以上、原告の請求は法理上、棄却せざるを得ない。
よって、主文の通り判決する。

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AIによると、今回のシミュレーション結果は以下。
原告が「国家公務員法96条」を粘り強く主張した結果、判決文の中に「警察官の対応は著しく不適切であり、強い非難を免れない」という公式な認定(お墨付き)を勝ち取ることができました。現実の社会運動や国家賠償訴訟において、あえて敗訴覚悟でこのような訴訟を起こす意義は、まさにこの「判決文での行政批判」にあります。被害者はこの判決文をマスコミに開示したり、警察の上層部(公安委員会)に突きつけたりすることで、組織的な業務改善や、最終的な「告訴状の正式受理」を勝ち取るための強力なレバレッジ(交渉材料)として使用することができます。

AI の回答には間違いが含まれている場合があります。法的なアドバイスについては、専門家にご相談ください。

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP21 告げられた役割

【内容】
神崎教授とAIが事件を解決していくミステリー小説。始まりは複数の会社へ届いたランサムウェア(身代金要求型ウイルス)が仕込まれたメール。このメールが日本を危機に陥れるとは誰も予想していなかった。
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・雅(みやび)
国家サイバー統括室。

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EP21 告げられた役割

4分割されたモニターの右下に、事件の概要が表示された。
・今年8月、複数の公的機関に対して、ランサムウェアを仕込んだメールが届いた。
・開封した機関は、データを外部へ送信され、システムを暗号化された。
・バックアップシステムにより、システムは復旧済。
・外部へ送信されたデータの中には、機密データが含まれている。

「モニターに表示されているのが、今回の事件の概要です。
問題は、機密データが外部へ送信されてしまったことです。
このデータを無効化するため、動いた結果、有効に活用することはできなくなりました。
ただ、このデータの存在を知られると、国際的に不利な立場になります」、雅がいう。

4分割されたモニターの右下に、男性の上半身画像と説明が表示された。
「ランサムウェアメールを送ってきたのは上条雷人 38歳 無職 独身。
神奈川県川崎市出身。東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒。
米国IT企業『ダーウィンスペース』日本法人の社員でしたが、1年前に自己都合退職。

『ダーウィンスペース』では、主に国内インフラのセキュリティシステム開発。
あと、我が国の防衛システムのプログラム開発にも関わっていました。
住所は神奈川県横浜市ですが、現在の生活拠点は東京都新宿区のマンションです。
生活拠点を確認してから、24時間体制で監視を続けています。

通信記録などから、他国と接触した形跡は確認されていません。
先日、上条は病院のシステムを使えなくし、要求動画を放送させました。
他国が上条が犯人であることを知った場合、接触してくる可能性があります。
接触に成功した場合、機密データが他国に渡る可能性があります」、雅がいう。

4分割されたモニターの右下に、解決策が表示された。
1.公的機関のサーバーログから、機密データが保存されたサーバーを特定。
2.サーバーに保存してある機密データを消去。
3.消去が終わり次第、上条を逮捕、身柄を確保。

「1から3を要求動画の期限、5日以内に行う必要があります。
公的機関に他国と通じている者がいるため、秘密裏に行う必要があります。
1と2を正式な手続きで進めると、期限内に終わらせることができません。
そのため、1と2は民間が勝手に行ったという形にする必要があります」、雅がいう。

4分割されたモニターの左下の参加者の内訳と人数が、内訳とコード名に変わった。
国家サイバー統括室:S1、S2、S3、法務省:H1、外務省:G1、防衛省:B1。
警察庁:K1、警視庁:K2、自衛隊:J1、東京都:T1、民間:M1、M2
佐藤のモニターにはK2が、神崎のモニターにはM2が、赤字で表示されていた。

「それぞれの役割について、ご説明させていただきます。
1はM1が行い、終わったらM2に知らせます。
2はM2が行い、終わったらK2に知らせます。
3はK1とK2が行います。

H1、G1、B1は、参加者が罪に問われないようにしてください。
M1とM2以外は、特別なことをしていただく必要はありません。
出来る範囲で、M1とM2のサポートをしてください。
この後、詳細説明になりますが、ここまでで質問のある方はいますか」、雅がいう。

国家サイバー統括室以外の全員が挙手したので、雅がいう。
「モニターの参加者順に、コード名と質問をお願いします」
「H1です。この件はここにいるメンバー以外は知らないという認識でよろしいですか」
「はい、その認識で結構です」、雅がいう。

「G1です。この場以外で他のメンバーと会話してもよいのか」
「本件以外の内容であれば、お話ししていただいても構いません」、雅がいう。
「B1です。このメンバーに他国とかが接触してくる可能性はあるのか」
「はい、あります」、雅がいう。

「K1です。メンバーの身に危険が及ぶ可能性はあるのか」
「はい、あります。後でGPSが内蔵された筆記具をお渡しします」、雅がいう。
「K2です。M2からの連絡があった後、上には何と報告すればよいのでしょうか」
「それに関しては、この後の詳細説明でします」、雅がいう。

「J1です。緊急の連絡をしたい場合、どこへ連絡すればよいのでしょうか」
「後でお渡しするカードカレンダーの印のついた日を繋げた番号が連絡先です」、雅がいう。
「T1です。たとえば拉致されたりといったこともあるのでしょうか」
「可能性はあります。その場合、GPSの情報を使って救出に向かう予定です」、雅がいう。

「M1です。詳細説明を聞いてから質問します」
「わかりました」、雅がいう。
「M2です。M1と同じで、詳細説明を伺ってから質問します」
「わかりました。では、詳細説明をさせていただきます」、雅がいう。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年5月16日土曜日

【エッセイ】大手証券会社のパスキー認証設定に思うこと

日本国内におけるサイバー犯罪の検挙件数は、急増している。
2010年:約5,200件 → 2025年:15,108件(過去最高を更新)。
日本のサイバー犯罪が増えている理由は以下だと思っている。
・「個人の知識不足」が際立った弱点(セキュリティ知識の欠如)w

証券会社などが導入を進めているパスキー認証。
パスキー認証にはメリットもあるが、デメリットもある。
ある大手証券会社のパスキー認証設定は、よくわかっているなと思った。
誰かの参考になるかもしれないので、書いてみるw

パスキー認証は、パスキーをデバイス(パソコン、スマホ)に保存する。
保存することで、そのデバイスでしかログインできなくなる。
下図は、デバイスと電話回線とインターネット回線の関係を表した図。
例えば、パソコンにパスキーを保存すると、パソコンでしかログインできなくなるw

自宅にあるパソコンでしか、ログインしないのであれば、パスキー認証はメリットがある。
そのパソコンでしかログインできないので、安全性は向上する。
従来のパスワード認証であれば、そのパソコン以外のデバイスでもログインできてしまう。
誰かにIDやパスワードを知られたら、乗っ取られる可能性があるw

ただ、パスキー認証の場合、パソコンが壊れたりすると、ログインできなくなってしまう。
そのため、大手証券会社では、機能制限されるパスワード認証を残している。
つまり、パソコンが壊れたりした場合、別のデバイスでログイン。
別のデバイスでログインしてから、再度、パスキー認証設定できるようにしているw

会社によっては、パスキーのアカウントへの紐づけを推奨している。
アカウントに紐づければ、他のデバイスからでもログインできますよとしている。
アカウントに紐づけた場合、パスキーは下図のサーバーに保管される。
つまり、誰かにIDやパスワードを知られたら、乗っ取られる可能性があるw

個人的には、大手証券会社のパスキー認証設定が正解だと思う。
・パスキーはデバイスに保存する。
・不測の事態に備え、機能制限アリのIDとパスワードでのパスワード認証も残す。
少し考えればわかることだが、考えない人が多いんだろうなと思うw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP20 公邸地下の会議室

【内容】
神崎教授とAIが事件を解決していくミステリー小説。始まりは複数の会社へ届いたランサムウェア(身代金要求型ウイルス)が仕込まれたメール。このメールが日本を危機に陥れるとは誰も予想していなかった。
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・雅(みやび)
国家サイバー統括室。

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EP20 公邸地下の会議室

扉が開くと、神崎が先に入り、佐藤がその後に続いた。
足を踏み入れた瞬間、佐藤は思わず息を呑んだ。 
そこは、今まで見たこともない異質な空間だった。 
部屋は、直径8メートルほどのガランとした正円の形状をしている。

湾曲した白い壁にはホワイトボードも、プロジェクターも、家具もない。
部屋の中央に巨大なドーナツ型の白い円卓と、それを取り囲む12脚の黒いオフィスチェア。
オフィスチェアには、10人のスーツ姿の男女が座って、こちらを見ている。
「空いている席へお座りください」、どこからともなく声がした。

神崎と佐藤は、並びで空いている席へ座った。
目の前の円卓は、中央が直径1.5メートルほど綺麗にくり抜かれていた。
その下には天板と同じ色の壁があり、向かいの足元は見えないようになっていた。
天板の上には、奥を高くして傾斜をつけた21インチのモニターが埋め込まれていた。

手元で操作するような端末は一切見当たらなかった。
天井の埋め込み照明から、影を作らない均一な白い光が降り注いでいた。
10人は、20~50代らしき男性8人と女性2人で、見たことがある顔が2人いた。
1人は帰り道で声をかけてきた男性、1人はファーストフード店で日時を確認してきた女性。

ファーストフード店で日時を確認してきた女性が口を開いた。
「それでは皆さん、お揃いになったので、始めます。
私は進行役の国家サイバー統括室の雅(みやび)と申します。
最初に、本日の注意事項を、目の前のモニターでご確認ください」

モニターに、下記の注意事項が表示された。
・進行役の発言を途中で遮らないこと。
・発言がある場合、挙手して許可を得ること。
・休憩が必要な場合、挙手して許可を得ること。

「続いて、今いる場所について、ご説明します。
この場所は首相官邸と同じ敷地内にある首相公邸の地下にある会議室です。
首相官邸の地下から、生体認証システムのある通路を通って、お越しいただきました。
終わりましたら、来た時と同じ通路を通り、首相官邸からお帰りいただきます」、雅がいう。

モニターの画面が2分割され、右に首相官邸と首相公邸の地下の間取りが表示された。
「私の右手にあるドアを出ていただくと、休憩スペースとトイレがあります。
飲み物も提供できますので、必要な方は、挙手して許可を得てから、ご利用ください。
できるだけ早く終わらせたいと思っていますので、ご協力をお願いします」、雅がいう。

モニターの画面が4分割され、左上が「注意事項」、右上が「間取り」になった。
「続いて、本日の参加者について、ご説明します。
参加者は、国家サイバー統括室3名、法務省1名、外務省1名、防衛省1名。
警察庁1名、警視庁1名、自衛隊1名、東京都1名、民間2名の計12名です」、雅がいう。

4分割されたモニターの左下に、参加者の内訳と人数が表示された。
「続いて、皆様が呼ばれた理由について、ご説明します。
国家サイバー統括室は、ある問題を解決するため、適任者の選考を進めていました。
その結果、選ばれたのが、ここにいる9名の方になります。

選考方法について、ご説明します。
最初に、問題解決の適任者をリストアップしました。
リストアップした後、身辺調査を行わせていただきました。
調査の結果、残ったのが、ここにいる9名の方になります。

この後、問題と解決策、それぞれの役割について、説明させていただきます。
参加は任意ですが、説明後に辞退することはできません。
今から5分間、考える時間を設けますので、辞退したい方は5分後に挙手してください。
それでは、今から休憩時間にしますので、お考え下さい」、雅がいう。

誰も席を立とうとしなかった。
ある者はモニターの参加者を見続けていた、ある者は腕組みして目を閉じていた。
神崎先生はシステムが気になるのか、室内を見ている。
神崎先生を連れてくるだけだと思ってたのに、自分も呼ばれてたのか、佐藤は思った。

サイバー犯罪対策課に着任して日も浅く、たいした実績もない。
自分より能力が高い人はいくらでもいる。
もしかすると、捨て駒的な役割をさせられるのかもしれない。
でも、適任者として選ばれたってことは必要だということだよな、佐藤は思った。

5分後、雅が口を開いた。
「5分たったので、確認します。辞退されたい方は挙手してください」
誰一人、挙手しなかったので、雅がいう。
「辞退者がいないので、問題と解決策、それぞれの役割について、説明させていただきます」
【国家サイバー統括室(National Cybersecurity Office)】
2025年7月1日に日本国政府が内閣官房に設置した組織。サイバー安全保障分野の政策を一元的に総合調整する。能動的サイバー防御(官民連携を強化した上で、通信事業者と連携して通信情報を取得・分析するとともに、警察・自衛隊による攻撃サーバの無害化を行う)などを実現するため、政府全体のサイバーセキュリティ戦略の策定・推進を担う。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年5月15日金曜日

【本日の取引】20260515~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は上がっていた。
インバース型ETFも上がったので、前日比はプラスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
米中首脳会談が終わったが、特に成果はなかったように思う。
円安、原油高の状況は、しばらく変わりそうにないと思うw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
主力株の8306 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループの決算発表があった。
4期連続増益で、4期連続で最高益を更新する見通し。
前期の年間配当金は74円→86円に増配、今期は96円に増配する方針らしいw

下図は、8306に集中投資している娘の資産運用額の推移(配当金除く)。
娘は20代だが、資産運用額だけで3000万円を超え、年間配当金は96万円になる予定。
正確な計算はしていないが、今までの配当金は初期投資額を上回っているかもしれない。
今宵は、8306の株主と喜びを分かち合いたいw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP19 Day2 -2日目-

【内容】
神崎教授とAIが事件を解決していくミステリー小説。
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。

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EP19 Day2 -2日目-

11月7日、大場玲を名乗る犯人の要求動画が放送された2日後。
各放送局は今回の事件を報道特別番組として放送していた。
犯人は、要求に従わない場合、都内の電力供給設備を使用不能にするとしていた。
ある局は、使用不能になった際の影響について、専門家の意見を聞いていた。

「犯人は、要求に従わない場合、都内の電力供給設備を使用不能にするといってます。
使用不能になった場合、どのような影響がありますか」、司会者がゲストに尋ねる。
「もし、都内の主要な電力供給設備が使用不能になれば、単なる一時的な停電にとどまらず、ブラックアウトが発生します」、電気工学の教授がいう。

「ブラックアウトとはどのような状態でしょうか」、司会者が聞く。
「東京の電力は網の目のようになっていますが、系統は分離されています。
そのため、使用不能になった系統は他の系統に影響を与えません。
ですが、全系統が使用不能になればブラックアウト、全域停電となります」、教授がいう。

「ブラックアウトになった場合、復旧するまで、どれくらいかかりますか」、司会者がいう。
「復旧には数週間から数ヶ月かかる可能性があります」、教授がいう。
「復旧するまでは電気が使えないってことですよね」、司会者が確認する。
「ブラックアウトになれば、東京の都市機能は完全に停止します」、教授がいう。

「具体的には、どのようなことが起こりますか」、司会者が聞く。
「信号機が停止、都内の主要交差点で大渋滞と事故が多発します。
鉄道、地下鉄は駅間や地下トンネル内で完全停止するでしょう。
エレベーターに多くの人が閉じ込められ、数百万人の帰宅困難者が街に溢れます。

消防や警察には救助要請が殺到し、パンクします。
携帯電話の基地局は数時間で動かなくなり、ネットも電話も繋がらなくなります。
東京証券取引所や銀行のオンラインシステムも停止します。
コンビニやスーパーではレジが動かず、販売できなくなります」、教授がいう。

「復旧するまで、その状態が続くってことですね」、司会者がいう。
「先ほど申し上げたのは、ブラックアウト発生当日に起こることです。
2日目からは、病院の非常用電源が切れたり、ビルやマンションが断水するなどします。
生きるために東京から脱出する人も出てくるでしょう」、教授がいう。

「つ、つまり、東京には人が住めなくなると…」、司会者がいう。
「住むことはできるでしょうが、自給自足のサバイバル生活になるでしょう。
治安も悪化するでしょうから、住むには相当の覚悟が必要になります」、教授がいう。
「私が思っていたより、かなり深刻な事態ですね…」、司会者がいう。

東京都千代田区の首相官邸。
犯人の要求動画が放送されてから、首相官邸には多くの人が出入りしていた。
政府関係者、報道関係者、地下にある内閣危機管理センターの関係者など。
最寄り駅で待ち合わせして来た神崎教授と佐藤波流は、20時前に正面玄関に着いた。

受付で氏名を告げた後、スマホなどのデジタル製品を預けさせられた。
金属探知機によるセキュリティチェックを受けると、胸にIDバッジを付けられた。
IDバッジを付けると、案内係の男性SPの後に続いて、エレベーターで地下へ降りた。
御影石とコンクリートで構成された、無機質で清潔な廊下を進んだ。

「内閣危機管理センター」のプレートがある重厚な防爆扉の前を通り過ぎた。
廊下の奥には、「電気室」や「機械管理室」のプレートがある扉があった。
それらの並びにある「倉庫」のプレートがある扉の前で案内役は止まった。
「ここから先は、お二人だけでお進みください」と言い残すと、その場から立ち去った。

神崎と佐藤は顔を見合わせ、神崎が倉庫の扉を開けた。
扉の奥には、天井と壁が白く床が黒の廊下が、奥の白い扉へと続いていた。
廊下の天井や壁、床の表面は平坦で、照明らしきものは見えないが、明るかった。
SF映画に出てきそうな空間だなと佐藤は思った。

神崎が廊下に入ったので、佐藤も後に続き、後ろ手に扉を閉めた。
20メートルほど進み、白い扉の手前で止まると、音もなく扉が開いた。
扉の奥は8帖ほどの小部屋になっており、1台の長テーブルが置かれていた。
神崎と佐藤が小部屋に入ると、どこからか声がした。

「生体認証クリア。筆記具、手帳、財布、キーホルダーをテーブルの上に置いてください。
これから入室していただきますが、発言がある場合、挙手して許可を求めてください。
許可なく発言された場合、強制的に退室させられます。
これから扉を開きますので、お入りください」、奥にある扉がゆっくりと開き始めた。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。