2024年7月23日火曜日

【建築コソコソ噂話】霊感商法に似てると思った話

かなり昔の話だが、住宅会社に勤める知人から、ある相談をされたことがある。
その会社で数年前に家を建てた人と揉めているが、どうしたらよいかとのこと。
欠陥住宅が多いことを知り、心配になった施主が、建築士に自分の家を調査してもらった。
調査した結果、家全体が傾いていることがわかったらしいw

建築士の調査報告書によると、基礎の強度が不足していた可能性が高い。
コンクリートの強度や鉄筋の本数が不足していないか、徹底的に調べた方がよいとのこと。
施主に非破壊検査を提案したが、建築士のいうことしか聞かないため、却下された。
基礎を壊して、強度や本数を確認するようにいわれ、困っているとのことだったw

ご存じの方もいるだろうが、コンクリートの強度は徐々に低下する。
建てた時は基準の強度だったとしても、数年も経てば、当初の強度は確認できない。
基礎を壊せば、元通りに復旧しなくてはならない。
当初の強度が確認できなければ、住宅会社の責任で復旧しろといわれる可能性があるw

建築した場所を確認したところ、他の会社が盛土した大規模分譲地とのことだった。
分譲地があるのは平野部で、軟らかい地層が厚いことで知られていた。
思い当たる原因があったので、分譲地全体の高低差を調べてはどうかとアドバイスした。
後日、住宅会社が調べたところ、下図のように分譲地全体が沈んでいたらしいw

原因は、盛土の重みにより、分譲地全体が湾曲するように沈んだためだった。
分譲地と建物の状況が同じだったため、住宅会社の責任ではないことになる。
施主が納得したかは聞いていないが、基礎は壊さずに済んだらしい。
ただ、施主が建築士に払った金額は、決して安くはなかったと思うw

人の不幸や不安につけ込む霊感商法が問題になっている。
霊感商法は、人の不幸や不安につけ込み、高額な商品を買わせたり、金銭を要求する。
個人的には、建築士は頼まれた調査だけすればよかったのにと思う。
徹底的に調査した方がよいと不安にさせるところが、霊感商法に似ているなと思ったw

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