2024年7月29日月曜日

【建築コソコソ噂話】盛土すると沈むまで時間がかかる話

自身は1990年代に、地方都市の新築マンションを購入した。
マンションが建築されたのは、道路より1mほど下がった水田の土地だった。
道路と同じ高さになるよう、水田を埋め立ててから建てられた。
つまり、水田に1mほど土を盛った、すなわち盛土したことになるw

マンションを建てる場合、硬い地層まで基礎杭を打たなければならない。
したがって、マンションが完成したときは、下図の左のようになる。
基礎杭を打っているため、マンションが沈む可能性は低い。
だが、マンション周囲の盛土した部分は、沈む可能性が高いw

盛土した部分が沈むと、マンションや道路との境目(右の赤丸部分)に段差が生じる。
購入して1年もたたないうちに、段差によるひび割れが発生した。
年々、段差によるひび割れが大きくなり、応急処置としてカバープレートを設置した。
10年近くたってから、ようやく落ち着いたので、タイル貼替などの修繕工事を行ったw

この土地もそうだが、平野部には地面の下に軟らかい地層があることが多い。
この軟らかい地層の大部分は、砂より粒径が小さい粘土でできている。
例えば、工作用の粘土の上に鉄球を載せると、時間の経過とともに凹んでいく。
それと同じで、軟らかい地層の上に盛土すると、時間の経過とともに沈んでいくw

新築住宅の場合、保証対象の変形があれば、10年間は無償で直してくれる。
住み始めたら、自らが定期的に家や土地の状態を確認されることをオススメする。
そうすることで、変形に気づいたときに保証期間が過ぎていたということがなくなる。
住宅が変形するのはレアケースだが、心構えができていれば、慌てなくて済むw

戸建ての場合、マンションのような基礎杭を打つことは、極めて少ない。
杭を打つことがあるが、地盤を補強するための杭で、基礎杭でないことが多い。
なお、東京駅では、下図のように約11,000本もの松の木の杭が打たれていた。
この杭も基礎杭ではないが、改修までの100年近くの間、東京駅を変形させなかったw

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