2024年7月2日火曜日

【小説】まとめ屋~vol.381~

ある日の深夜、あるチャットスペースで会話が始まった。

X:お疲れ
Z:お疲れ
X:Zしかいねえのか
Z:さっきまでBがいたわよ
X:相手の奥さんらしいSNS見つけたらしいな
Z:奥さんのSNSで間違いないと思うわ
X:拡散したりすんなよ
Z:しないわよ、それより面白いの見つけたからね
X:何を見つけたんだ
Z:相手が開設してる動画チャンネルw
X:マジか、どうやって見つけたんだ
Z:動画サイトで相手のアカウントを検索したら、チャンネルがヒットしたの
X:どんな動画があるんだ
Z:1人で体操やウォーキングしている動画よ
X:よくある趣味の動画か
Z:中には顔が確認できる動画もあるわ
X:動画収入を得ることが目的なんじゃねえのか
Z:チャンネル登録者数は何人だと思う?
X:1万人とか、2万人とかか
Z:0人wwwwwwwwww
X:開設したてなんじゃねえのか
Z:開設してるのは10年前よ
X:再生回数は多いのか
Z:平均2桁で、中には1桁もあるわ
X:再生しているのは本人だけかもな
Z:何のために開設したのかしらと思うわ
X:本人がよければいいんじゃねえか
Z:ファンが多いとかいってるけど、ホントかしらって思うわ
X:ところで相手に対して何かするつもりなのか
Z:いくつか考えていることはあるんだけど、今はナイショw
X:ほどほどにしとけよ、さてとそろそろ寝るわ、おやすみ
Z:わかってるわよ、おやすみ

彼らのネット歴は長く、法に抵触しない範囲で遊んでいた。
彼らは遊んでいたが、その遊びはいつも誰かのためだった。
そんな彼らが愛読しているのは「予告犯」というタイトルのマンガだった。
チャット画面を閉じた彼らは、ネタ探しのため、ネットサーフィンを始めた。

彼らのネット歴は長かったが、そんな彼らにも知らないことがあった。
彼らは、関わった一部の人から、「まとめ屋」と呼ばれていた。

同時刻、警視庁サイバー犯罪対策課
「交替の時間ですよ」、1人の男がPCを観ている男の背後から声をかけた。
「もう、そんな時間か」、声をかけられた男が振り返っていう。
「また、まとめ屋のサイト見てたんですか」、声をかけた男がいう。
「Zと相手との間には何があったんだ」、声をかけられた男がいう。
「よくは知りませんが、過去にいろいろあったようです」、声をかけた男がいう。
「実生活でトラブってたのか」、声をかけられた男がいう。
「トラブったのはSNSだけみたいです」、声をかけた男がいう。
「おそらく相手に問題があるんだろうな」、声をかけられた男がいう。
「相手は他の人ともトラブってますからね」、声をかけた男がいう。
「まとめサイトも作られてるんだろ」、声をかけられた男がいう。
「一時期より数は減ったみたいですが、まだありますからね」、声をかけた男がいう。
「しばらく収まりそうもないな、あとはよろしく」、声をかけられた男がいう。
「了解」、声をかけた男はいうと、席を立った男と入れ替わりに席に座った。

まとめサイトは、ウェブ上の情報を特定のテーマで集め、まとめたサイトである。話題の出来事などについての情報を手軽に読める形で閲覧者に提供する。人力でまとめるものだけでなく、テーマに沿って自動的に収集・編集されるものもある。ニュースサイト、ブログ、掲示板、SNSなどを情報源として比較的容易にコンテンツを作ることができ、テーマによっては読者を集めやすく、アフィリエイト広告も簡単に設置できることから乱立している。個人が運営するもの、企業やネットメディアが運営するものなど多種多様である。企業による運営を挟んでいない(ように見える)2ちゃんねるやTwitterなどの反応をまとめる「まとめブログ」には、企業のメディアよりも拡散力・影響力が強いものもある。
(「まとめサイト」Wikipedia)
「予告犯」筒井哲也氏より
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ネットの誹謗中傷をなくすにはどうしたらよいかをテーマに書いています。
誹謗中傷された場合の法的手続きですが、費用対効果は決してよいとはいえません。
また、相手から虚偽告訴罪で訴えられる可能性もあります。
誹謗中傷されたら、やり返さずに弁護士に相談されることをオススメします。
相談すれば、どのような罪に問えるかなど、アドバイスしてもらえることが多いです。
「まとめ屋」の方法はリーガルチェックを受けていないため、行わないでくださいw

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