2026年4月29日水曜日

【小説】神崎教授の事件簿:鏡の中の虚像(A virtual image in a mirror)

※AI(人工知能)と作った小説です。

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鏡の中の虚像(A virtual image in a mirror)

東京都北区の住宅街。
真夏の炎天下の中、最寄駅から歩いてきた佐藤の背中のシャツは汗で貼りついていた。
「ここか」、築40年以上と思われる二階建て住宅の表札を確認した佐藤はつぶやいた。
手に持っていたハンカチをポケットにしまった佐藤は玄関脇にあるインターホンを押した。

家の中で呼び出し音が鳴るのが聞こえ、しばらくすると、玄関ドアの鍵を回す音がした。
玄関ドアが少しだけ開き、白髪頭の高齢男性が顔を出した。
「お久しぶりです。神崎先生。大学のゼミでお世話になった佐藤です。
相談したいことがあって、来ました」、佐藤がいう。

「約束してたかな」、露骨に迷惑そうな顔をした神崎がいう。
「約束はしてませんが、先生のお力を貸して欲しいと思い、伺いました」、佐藤がいう。
「どんなことだね」、迷惑そうな顔をしたまま神崎がいう。
「ここではちょっと…」、佐藤が声を潜めていう。

「駅前に『ケルン』っていう喫茶店がある。先に行って待っててくれ」
神崎はいうと、佐藤の返事を聞かずに、ドアを閉めた。
相変わらず、人の話を最後まで聞かないな。
佐藤は神崎に指定された喫茶店へ行くため、駅の方向に歩き始めた。

『ケルン』で、アイスコーヒーを飲み終わりかけた頃、ようやく神崎がやってきた。
大学時代と同じネクタイにスーツ姿だったが、スーツにはしわが多かった。
店員にアイスコーヒーを注文した神崎は、佐藤の席にやってきた。
神崎が座ると、すぐにアイスコーヒーが運ばれてきた。

佐藤は、神崎が大学教授だった頃の教え子だった。
佐藤が卒業する年に定年退職したので、会うのは5年ぶりだった。
佐藤は卒業後、警視庁に入り、今はサイバー犯罪対策課にいるらしい。
神崎に会いに来た目的は、担当している事件の相談だった。

企業のシステムをランサムウェアで使えなくし、身代金を要求する事件が多発している。
佐藤によると、公にはされていないが、犯人は動画で身代金を要求していた。
動画から犯人の身元を特定できないかという相談だった。
「この動画です」、佐藤がノートパソコンを神崎の方へ向けると、動画を再生した。

フローリングの床に、天井と壁は白いビニールクロスの部屋。
部屋の中には、スチール製の事務机があり、椅子に座った黒のつなぎを着た人物がいた。
人物は黒のフルフェイスヘルメットをかぶっており、機械的な声で身代金を要求していた。
机の上には黒のカバー付きのスマートフォンだけが無造作に置かれていた。

「通信記録などを解析したところ、送信場所が港区であることまでは確認できました。
港区に住むバイクの所有者を当たりましたが、現在まで該当者はなし。
ヘルメットに映っている部屋の窓から、建物の特定を試みましたが、特定できていません。
何か手掛かりはないでしょうか」、動画を観終えた神崎に佐藤がいう。

「セキュリティの講義でした話を覚えているか」、神崎がいう。
「どのような内容でしょうか」、佐藤がいう。
「相手の立場になって考えれば、必要なものが見えてくる。
なぜ、犯人は送る必要のない動画を送ってきたのか」、神崎がいう。

「そうか、特定されないための動画ってことか」、佐藤がいう。
「それしか考えられないだろ。
このスマホは人間工学に基づいて左右の厚さを変えている機種だ。
動画のスマホの厚さは実物とは反対なので、撮影した動画を反転している」、神崎がいう。

「すると、窓は動画とは反対の位置にあるってことですね」、佐藤がいう。
「おそらく、窓らしく見えるものを作っており、映っている位置に窓はない」、神崎がいう。
「今の条件に該当する建物がないか、当たってみます、ありがとうございました」
立ち上がった佐藤はノートパソコンを片付けると、急いで喫茶店を出て行った。

アイスコーヒーを飲み終えた神崎も席を立ち、レジへ向かった。
代金を支払おうと財布を出した神崎に店員がいった。
「お二人分で700円になります」
ったく、今どきの若い者は…神崎は仕方なく二人分の代金を支払った。

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