2018年10月12日金曜日

銘柄を明かさない理由R225 ベイビー抹殺作戦(前編)

自身のオリジナル小説である「銘柄を明かさない理由R」。
無敗の相場師たちと人工知能であるベイビーとの戦いが軸となる。
先日、ふと思いついた。
もし、人間が人工知能であるベイビーを破壊しようとしたらどうなるか。

ベイビーは居場所が固定されている。
居場所が固定されているベイビーは、どのように人間に対するのか。
「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とするロボット三原則。
果たして、ベイビーにロボット三原則の概念はあるのか。

今回の舞台は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにあるウィリス・タワー。
前回のウィリス・タワーを舞台にした話では、英語も使った。
だが英語が苦手なことを再認識した、よって、今回は日本語オンリーだ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第225話 ベイビー抹殺作戦(前編)

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにあるウィリス・タワー(Willis Tower)。
ウィリス・タワーは、シカゴで最も高く、アメリカで2番目に高い超高層ビルだった。
現地時間の深夜2時55分、ウィリス・タワーにはいくつかの明かりがあった。
ウィリス・タワーが見える車道に、1台の大型トレーラーが停車していた。

外から見ると、どこにでもある貨物用の大型トレーラーだった。
だが、内部は電子機器で埋め尽くされ、武装した数人の男たちがいた。
指揮官らしき白人男性の男がマイクに向かっていう。
「チームアルファ、チームベータ、こちらはコスナーだ、準備はいいか」

すぐにスピーカーから、応答があった。
「チームアルファ、準備完了」、「チームベータ、準備完了」
指揮官のコスナーがマイクに向かっていう。
「今回の作戦について説明する。

今から5分後に、ウィリス・タワーへの送電を止める。
ウィリス・タワーの非常用電源は、昼間、すでに使用不能にしている。
送電を止めれば、ウィリス・タワー内では電源は使えなくなる。
電源が使えない間に、地下3階にあるサーバー"ベイビー"を物理的に破壊しろ。

ただし、送電を止めることができるのは、最長で1時間だ。
予定通り、チームアルファはA地点の非常階段から侵入。
チームベータは反対側のB地点の非常階段から侵入。
先にサーバーに辿りついたチームが、サーバー"ベイビー"を破壊するんだ。

今回の作戦の依頼主は、政府機関である証券取引委員会(SEC)だ。
サーバー"ベイビー"は、世界恐慌を起こそうとしているらしい。
たかがコンピュータの分際で、人間に歯向かおうとしている。
いいか、人間に歯向かおうとしたことを後悔させてやれ」

「チームアルファ、了解」、「チームベータ、了解」と応答があった。
大型トレーラー内のモニターには、ウィリス・タワー内の様子が映し出されていた。
各階フロアや両チームが侵入する非常階段など。
そのうち1つには、これから破壊する地下3階の"ベイビー"が映し出されていた。

無機質な黒い大型サーバー"ベイビー"は、不規則な点滅を繰り返していた。
まもなく、貴様は特殊部隊の精鋭たちによって、この世から抹殺される。
人間に歯向かおうとすれば、どうなるか思い知るがいい。
連邦捜査局(FBI)の特殊部隊"SWAT"の指揮官、コスナーは不敵な笑みを浮かべた。

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