埼玉県で発生した道路陥没事故。
陥没した穴に落ちたトラック運転手は亡くなっており、3か月後に引き上げられた。
県は救助活動の検証は行わないとしているが、検証すべきだとの声は多い。
個人的に思うことがあるので書いてみる。
事故の概要は以下になる。
・下水管が損傷し、道路が陥没、高齢者が運転するトラックが穴に落ちた。
・県は、トラックを吊り上げ、救助しようとしたが、救助できなかった。
・損傷した下水管には、設置後に複数の下水管を接続していた。
・損傷した下水管の耐用年数は迫っていたが、定期点検では異常は認められなかった。
事故の原因としては、以下が考えられる。
・下水管の耐用年数に問題があり、実際の耐用年数は短かった。
・設置後に複数の下水管を接続したため、耐用年数が短くなった。
・定期点検の時期や方法に問題があり、異常を確認できなかった。
運転手の引き上げに時間がかかった理由としては、以下が考えられる。
・下水管の損傷状況がわからなかったため、最適な救助活動ができなかった。
県は救助活動の検証は行わないとしている。
個人的には、損傷状況がわからない中で、できるかぎりの救助活動を行ったように思う。
ただ、このことよりも考えなくてはならない問題があるように思う。
その問題は、救助対象者が変わった場合の救助活動。
例えば、対象者が複数の場合、対象者に子どもが含まれる場合など。
変えるのであれば、変える基準について考えておくことが必要だと思う。
功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題に「トロッコ問題」がある。
簡単にいうと、「5人を助けるために他の1人を犠牲にしてよいか」という問題。
救助対象者によって、救助活動を変えるには、倫理学の視点が必要かもしれない。
その状況になってから考えるのではなく、今から考えておく必要があると思う。
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