「銘柄を明かさない理由R」は、自身のオリジナル小説だ。
プロの方からすると、さぞかし稚拙な小説だと思う。
だが、趣味で書いているので、そこは大目に見て欲しい。
もし出版するとしても、自費でしか出版できないのはわかっているw
「銘柄を明かさない理由R」には、多くのキャラクターが登場する。
いずれも、自身の思い入れのあるキャラクターだ。
どのキャラクターがベストかと聞かれても、答えることができない。
なぜなら、それぞれのキャラクターに感情移入してしまっているからだw
今回、登場する浪花の相場師こと淀屋と難波の女帝も感情移入しているキャラだ。
難波の女帝は女性だが、自身はオネエではない。
相場師としての彼女を見た場合、彼女は魅力的なキャラなのである。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw
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第182話 難波の女帝からの情報
江戸時代、大阪に淀屋と呼ばれた豪商がいた。
淀屋は、全国の米相場の基準となる米市を設立し、米市で莫大な富を得た。
淀屋の米市で行われた米取引は、世界の先物取引の起源とされている。
やがて淀屋の財力を恐れた幕府により、淀屋は財産を没収された。
だが、あらかじめ暖簾分けをしていたことで、大阪の地での再興に成功する。
幕末になると、淀屋は討幕運動に積極的に加担する。
その後、ほとんどの財産を自ら朝廷に献上して、淀屋は表舞台から姿を消した。
大阪にある淀屋橋は、淀屋に由来していることは広く知られている。
淀屋の一族は、明治、大正、昭和の激動の時代をひっそりと生き抜いてきた。
商才により莫大な富を得た一族は、全国の土地を買い付けた。
今や、淀屋の一族は全国の主要都市に多くの土地を所有していた。
一族が所有する土地の評価額は、日本の国家予算に匹敵するともいわれている。
淀屋の一族には、初代本家と二代目本家と2つの本家があった。
現在の初代本家当主は、13代目である淀屋を名乗る男だった。
二代目本家当主は、女相場師として有名な難波の女帝だった。
4年前の仕手戦をきっかけに、今は初代本家が全国の分家を掌握していた。
大阪難波のタワーマンションに初代本家当主である淀屋の自宅があった。
淀屋のスマホに、二代目本家当主の難波の女帝から電話がかかってきた。
「ウチやけど、元気してんの」、難波の女帝がいう。
「久しぶりでんな、おかげさまで元気にやらせてもらってます」、淀屋がいう。
「おもろい噂を聞いたんで、教えといたろ思て電話したんや」、難波の女帝がいう。
「それはありがたいでんな、どんな噂でっか」、淀屋がいう。
「ワールド株式投資セミナーって聞いたことあるか」、難波の女帝がいう。
「聞いたことおまへんな」、淀屋がいう。
「ようある素人をカモにする株のセミナーらしいわ」、難波の女帝がいう。
「いつになっても、その手のセミナーはなくなりまへんな」、淀屋がいう。
「おもろいのは、そのセミナーの主催者や」、難波の女帝がいう。
「誰が主催してますの」、淀屋がいう。
「ベイビーと呼ばれとる外国人らしいわ、アンタ知らんか」、難波の女帝がいう。
「ベイビーでっか、赤ちゃんしか知りまへんな」、淀屋がいう。
「ベイビーについてわかったら教えてや、ほな」、難波の女帝は電話を終えた。
難波の女帝が関心をもつベイビー、これは調べる必要があるな、淀屋は思った。
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