2018年7月24日火曜日

銘柄を明かさない理由R190 Welcome to BABY WORLD(前編)

「銘柄を明かさない理由R」は自身のオリジナル小説だ。
当たり前だが、素人が書いているので、プロの方の足元にも及ばない。
「銘柄を明かさない理由R」を書いていて思うことがある。
小説を書くことは、ゲームかもしれないとw

小説を書く場合、テーマを決める。
次に、テーマに沿ったエピソードを考える。
エピソードができたら、それぞれに繋がりを持たせるための場面を考える。
繋がりを持たせる場面ができたら、それぞれの順番を考えるw

小説というゲームの相手は、いうまでもなく読者である。
勝敗の基準は、読者の意表をつけるような展開にできるか否かだと考えている。
数少ない読者の方、もし君たちの意表をつくことができたら、自身の勝ちだ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第190話 Welcome to BABY WORLD(前編)

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにあるウィリス・タワー(Willis Tower)。
シカゴで最も高く、アメリカで2番目に高い超高層ビルである。
正午前、2人の男が1階のエントランスロビーにいた。
1人は天使の笑顔をもつ男、もう1人は日系人男性のカトウだった。

「ハナレナイデクダサイ」、カトウがいう。
「わかっているよ」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「イキマショウ」
カトウがいい、2人は展望台へのエレベーターへと向かった。

平日にも関わらず、エレベーターの前には観光客の行列ができていた。
行列に並んだ2人の後ろには、男性ガイドに連れられた中国人の団体客がやってきた。
やがて、エレベーターが到着、2人の前の人たちが乗り込んでいった。
定員になったのか、2人の前でエレベーターの扉が閉じられた。

次のエレベーターが来るまで、2人はおとなしく待っていた。
ほどなく、次のエレベーターがやって来た。
エレベーターから降りてくる人を誘導すると、係員は2人に乗るよう促した。
促された2人がエレベーターに乗った瞬間、エレベーターのドアが閉じられた。

ドアの外から、乗れなかった中国人の団体客が文句をいっている声が聞こえた。
驚いた天使の笑顔をもつ男は、階数表示板を見た。
階数表示板は、エレベーターが上昇ではなく、下降中であることを表示していた。
2人を乗せたエレベーターは、地下1階で停まった。

開いたエレベーターのドアの前には誰もいなかった。
It is strange that nobody is there(誰もいない、変だ)、カトウは思った。
シカゴには、観光客向けのパンフレットには書かれていないことがあった。
シカゴには、利用する人種が決まっている飲食店があった。

ウィリス・タワーの地下1階は、白人以外の人種が利用する飲食店が集まっていた。
普段は白人以外の人種で賑わっているはずの、地下1階は静かだった。
I have no choice but to get off the elevator(降りるしかない)、カトウは思った。
「オリマショウ」、カトウは天使の笑顔をもつ男にいった。

2人がエレベーターを降りた途端、ドアが閉まり、エレベーターは上昇していった。
「ハナレナイデクダサイ」
カトウがいい、2人は地下1階の通路を慎重に進み始めた。
エレベーターに近い飲食店の中には、客の姿はおろか、店員の姿もなかった。

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