2018年7月10日火曜日

銘柄を明かさない理由R179 ある調査会社の風景

「銘柄を明かさない理由R」の連載を再開してから、毎日が楽しい。
小説を書いたことがある方は、おわかりだろう。
あるとき、突然、ストーリーが浮かぶのである。
実は、無意識の内にストーリーを考えている思考状態になるのである。

小説を書く場合、自分が今まで見聞きしたことや体験したことがベースになる。
近未来小説の場合でも、現在、予測できる状況をベースにしている。
当たり前だが、「銘柄を明かさない理由R」は自身の知見がベースである。
最も得意とする部分は、いうまでもなく株式投資に関する部分だw

だが、自身には苦手とする部分がある。
苦手とする部分は、いうまでもなく恋愛に関する部分だ。
よって、恋愛に関する部分に関心のある方は、恋愛小説を読まれることをオススメする。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

--------------------------------------------------------------------------
第179話 ある調査会社の風景

都内にある小さな調査会社。
その調査会社には、3人しかいなかった。
太った狸に似た社長、調査員の男、事務員の女性の3人だった。
調査員の男が外出先から戻ると、社長が近づいてきていった。

「依頼主から高額の入金があった。
どのような依頼内容だったのか、詳しく教えてくれ」
「依頼主は誰ですか」、席に座りながら調査員の男がいう。
「21世紀少年という依頼主だよ」、社長がいう。

「ああ、21世紀少年の依頼内容ですか。
21世紀少年が開催する株式投資セミナーに同業他社のスパイを入れたくない。
ついては、受講希望者の素性を調べて欲しいという依頼でした」
調査会社の男が涼しい顔で答える。

「本当にそれだけの依頼だったのか」、社長が聞く。
「本当にそれだけですよ、それが何か」、調査員の男がいう。
「その依頼内容に見合わない高額の入金だったんだよ。
当社の今までの入金額で、過去最高の入金額だ」、社長がいう。

「そもそも、21世紀少年は、どうして君に調査を依頼してきたんだ」、社長がいう。
「ある人から私を紹介されたと電話があったんですよ」、調査員の男がいう。
「そうか、ところで21世紀少年と調査費用は決めていたのか」、社長が聞く。
「あっ、そういえば最終の見積を送るの忘れてました」、調査会社の男がいう。

2人のやり取りを聞いていた事務員の女性が、我慢できずに笑いながらいった。
「ところで、あんな高額の入金ができる21世紀少年って何者なんですか」
「自分も知らなかったが、彼は大学生で無敗の個人投資家らしいよ。
彼が主催する株式投資セミナーは、すごい人気だそうだよ」、調査員の男がいう。

「21世紀少年ってイケメンですか、紹介してくださいよ」、事務員の女性がいう。
「会ったことないので、イケメンなのかはわからないな」、調査員の男がいう。
「私も紹介してもらうかな、お客様は神様だからな」、社長がいう。
「社長がいると、娘と思われるので遠慮しときます」、事務員の女性がいう。

調査会社の男、無敗の相場師J(ジャック)は知らなかった。
21世紀少年がウィッグの女に、国内の調査会社を紹介して欲しいと頼んだこと。
ウィッグの女が一緒に渡米していた天使の笑顔をもつ男にそのことを相談したこと。
天使の笑顔をもつ男、無敗のA(エース)が21世紀少年に自分を紹介したことを。

0 件のコメント:

コメントを投稿