2019年5月29日水曜日

銘柄を明かさない理由R260 青島の戦い(前編)

自身のオリジナル小説である「銘柄を明かさない理由R」。
いつか、自費出版しようと考えている。
女友達には無償で配布、要らないといっても送りつける。
もちろん、男友達には高額で売りつける予定だw

前回の「ベイビーワールドエンド編」は、世界を舞台にした。
今回の「クーロンズ・アイ編」では、歴史という要素を加味したいと考えている。
だが、この先の展開がどうなるか、自身にも予測不能だ。
それでは「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をお届けするw

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第260話 青島の戦い(前編)

青島の戦いは、第一次世界大戦中の1914年(大正3年)の戦闘である。
1914年9月1日、山東半島北側の龍口に、日本軍の先発隊が上陸。
9月11日、師団長である神尾中将指揮する第十八師団は、龍口に上陸した。
9月27日、日本軍は龍口から青島に向け、偵察を繰り返しつつ、前進を開始した。

翌9月28日には、青島市背後の生命線である浮山と孤山のドイツ軍前線に到達した。
ドイツ軍の反撃が予想されたが、あえなく陥落。
日本軍は、労山湾から上陸させた榴弾砲、加農砲、山砲を運び入れた。
ドイツの青島要塞攻略にあたり、日本軍は砲撃戦を作戦の要としたのである。

10月31日、日本軍の第十八師団と第二艦隊による攻撃が始まった。
日本軍の重火器による砲撃により、ドイツ軍の要塞は無力化された。
10月31日夜半には、ドイツ軍の第一攻撃陣地が陥落。
明治天皇誕生日の11月3日には、ドイツ軍の第二攻撃陣地が陥落した。

青島要塞の前面には保塁が南北に並び、その背後の山々には砲台が作られていた。
初日から日本軍の砲弾を浴びせられ、11月1日には砲台は戦闘力を喪失した。
11月5日、「砲台を爆破し撤退せよ」との命令を受け、砲台のドイツ軍は退却した。
11月7日、両軍は青島開城規約書に調印し、青島要塞は陥落した。

1918年9月、駐留する日本軍の高官に贈賄したという容疑で、ある男が捕まった。
男は、4万人からなる青島軍司令部に出入りする日本人の御用商人だった。
だが、証拠不十分で、男は無罪釈放となり、帰国することにした。
男は帰国する際、店や預金、その他一切の財産を番頭である張(チャン)に譲った。

番頭の張は泣いて別れを惜しんだが、3日後の船便で男は日本に帰国した。
男から譲り受けた店や預金、その他一切の財産を前に、張は思った
中国人である自分と日本軍は取引してくれるのか、張は途方にくれた。
だが、張の元には日本軍からの注文が相次いだ。

「兵糧が不足している、精米を明日までに都合しろ」
「缶詰肉はまだか、あと、食塩が必要だ、大至急、都合しろ」
張はこれらの注文に必死で対応していたが、中にはこんな注文もあった。
「いつになったら、内地の芸者で接待してくれるんだ」

そんなある日、張は青島守備軍司令部から呼び出しを受けた。
呼び出したのは、第十八師団の師団長から青島守備軍司令官となった神尾司令官だった。
司令部に行くと、は応接室へ通された。
通された応接室には、威厳ある軍服姿の神尾司令官と部下らしき男がいた。

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